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「流星の絆」大人の読書感想文②

やっぱり東野圭吾作品はおもしろい。
読みだしたら止まらなくなってしまい、気づいたら朝の3時…。

明日も仕事があるので早く寝なければ!
そう思いながらも眠気が飛ぶくらい面白いのが東野圭吾作品ですね。

流石です。また一つお気に入りの作品に出合いました。

東野圭吾作品はガリレオシリーズが好きなので、なかなか他の小説に手が伸びないのですが、今回は本屋でふと目が留まりかなり分厚い文庫本だったので読みごたえがありそうだなと思い購入しました。

"何者かに両親を惨殺された三兄妹は、流れ星に仇討ちを誓う。14年後、互いのことだけを信じ、世間を敵視しながら生きる彼らの前に、犯人を突き止める最初で最後の機会が訪れる。三人で完璧に仕掛けたはずの復讐計画。その最大の誤算は、妹の恋心だった。涙があふれる衝撃の真相。著者会心の新たな代表作。"

文庫本あらすじより抜粋


文庫本にして結構厚めの本作品

約600ページに渡る読み応えありの一冊

両親が惨殺されるという冒頭から心が抉られる悲しい内容からスタートする本作ですが、読者の心境とは裏腹に主人公たちの壮絶な人生模様が展開されていき、事件の歯車が徐々に嚙み合っていく様子が本当に面白かったです。

※ここから一部ネタバレになります。

主人公の1人、長男の有明功一が作中序盤でこう言います。

「この世は騙すか騙されるかだ。政治家や役人を見てみろよ。国民を騙して、自分たちの私腹を肥やしてやがる。それをわかってて、国民が暴動を起こしているか?諦めているだろう。要するに、うまくやった奴の勝ちなんだ。やられたらやり返す。俺たちに騙された奴は、もし自分が損したくないと思うなら、別の誰かを騙せばいい」

流星の絆    P110

この言葉を読んだ時に、少し複雑な気持ちになりました。
ちょうど先日、新年もあけて1週間ちょっとしか経っていない時に、20代後半である自分があろうことか、オレオレ詐欺に引っかかってしまい20万ほど失ったからです。

詐欺に引っかかってしまい、もちろん腹がたったと同時に自分の判断能力がなぜあんなに鈍ってしまったのか、今も後悔と恥ずかしさで一杯です。

そんな騙された側真っ只中の中読み進めた本作でしたが、騙す側にも何かしらの事情があり、もしかすると自分を騙した詐欺師達も詐欺師としてしか道を選べなかった理由があるの知れないと考えるきっかけになりました。

それでもお金は返してほしいし、個人情報めっちゃ流出したけど…(´;ω;`)

詐欺といえば、最近だと(もう流行のピークではないけど)やはりNetflixの「地面師たち」が面白かったのは記憶に新しいですね。

日本のドラマシリーズの中でも近年トップクラスだと思います。

本当に詐欺にあうとちょっと複雑…。

本作を読み終えた後も、この作品が映像化されないかと思ってネットで情報を探そうと検索してみたらなんとすでにドラマ化されていました!

しかももうすぐ20年近く経とうとしている….

今は沖縄県の石垣島に住んでいるので、島の本屋さんで文庫本を買うことが多いですが、本作を見つけた時ははまるで新作の発売のように展示されていたのでてっきり新作かなっと思っていました。読み終えてからよく見てみるると2008年に単行本で出版されており、同年に二宮和也さん主演でドラマ化までされていたみたいです。

こういう無知で注意深さのなさが詐欺に引っかかる原因なのだなとつくづく気づかされます…。

本作は、タイトルにもある通り流星がキーワードになっており、作中にも冒頭からペルセウス座流星群や獅子座流星群の話が出てきます。

石垣島は、日本で初めて星空保護区に認定された地域ということもあり本当に星が綺麗に見えます。

流星群の接近がニュースになると自分も車を走らせて星を見に出かけるので
作中の主人公たちが流星群を見に行こうとする様子を想像するとなんだがとても親近感が湧くものがありました。

石垣島野底マーペーからパシャリ。

詐欺のことや、流星群、3兄妹の絆など(自分は男3兄弟ですが。)重なる点がいくつかあり(詐欺は重なってほしくなかったけど。)物語の構成や三人称多視点の面白さ、最後まで結末の読めないザ・ミステリー小説感など非常に読み応えのある一冊でした。

やっぱり東野圭吾作品は素晴らしいです。

最後まで読んでいただきありがとうございます。

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