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夏のお寺でトーク&スイカ割り|7月30日開催レポ

天王山安楽寺オリジナル企画「さむ活」プロデューサーの山田です。

さむ活とはお坊さんの修行のひとつ「作務」から生まれた非日常体験企画。仏器みがきやお地蔵様そうじ、落ち葉かきや護摩堂そうじなど、お寺ならではの体験を通してリフレッシュしていただき、ゆっくりとした自分時間を過ごしてもらおうというものです。

▼次回は8月26日(土)開催!詳しくはこちら

さむ活は毎月末頃に、1日中お寺を開放するような形で開催中。今のところ朝9時から夕方5時までオープンで、ご予約なしにいつでもお越しいただけます。いろんなさむを選んで体験いただいたり、瞑想や精進スイーツがセットになったよくばりプランでちょっと贅沢な時間を過ごしていただいたり。

昼食や過ごし方をご持参いただいて、お寺の中の心地よい場所で一人静かに過ごしていただく……なんてことも大歓迎!まだまだ実験&模索中の企画ですが、気になったらどうぞお気軽にお越しくださいね。

さて、こちらのレポートでは毎月開催するさむ活の様子をお届けしつつ、わたくし山田の頭の中に浮かんだ問いや実感をお伝えしながら、安楽寺らしいお寺の在り方を探っています。


最高気温37度!?

季節は夏。しかもなんでしょう、ここ最近の猛暑続き。去年もこんなに暑かったかしら?と不思議な気持ちになるくらいの暑さに、熱中症への警戒心をマックスにして安楽寺に到着した山田。

本堂に入ってみると、あれ?意外に涼しい。開けられるだけ戸を開けて風通しを良くすると、涼しい風がさらさらと入り込んできます。

風鈴の音も心地よくってずっと聞いていたくなります。もしかして、昔の日本の夏ってこんな感じだったのかなあ。

「こんなところで暮らせるなんていいなあ」
「これくらい涼しかったら、エアコンなしでもいけそうですね!」

と坊守あきさんに声をかけると「今日は風があるからね」「涼しいのは午前中だけよ~」と先の暑さを見越してぐったりモード。昼になると、風が涼しい~なんて言ってられないくらい気温が上がっちゃうんだとか。

ということは今だけの涼しさなのか!夏のさむ活は早朝をおすすめするといいかも。でも、風がない日は朝でも暑いだろうなあ~…と、いろいろ考えながら外を眺めてみると、お地蔵さんたちも強い日差しを浴びてジリジリ暑そう。今日ばかりはこの距離感でご挨拶。じゃりの雑草も、草むしりしがいのあるボリュームになってるなあ。隙間時間があったらやってみよう。

ドリンクバーも夏仕様。今まではケトルで温かい飲み物を飲めるようにセッティングしてもらっていましたが、今回は冷たいドリンクのラインナップ。奥の冷蔵庫に冷えたものが入っていますので、気軽にお声かけくださいね。

そして今回は新顔さん。安楽寺発行の生活マガジン「マガジンシ」が先日お披露目され、販売が開始しています。こちらはなんと、死をテーマに取材・編集した雑誌。普段あまり気軽に話すことがない死の話題。いろんな方角から死というものを見つめつつ、ラフにライトに、でもまじめに語り合ってみる企画雑誌です。わたくし山田も取材・編集・デザインでご一緒させていただきました。

▼ 住職せいはんさんによるご紹介はこちら

安楽寺でも、オンラインショップでもお買い求めいただけますよ~

初めての仏器みがきでさむトーク

この日は11時からさむトーク!前回に引き続き2回目の開催です。
ゲストは福井県の4人組演劇ユニット「さよならキャンプ」主宰の沼畑真さん。さよならキャンプの旗揚げ公演を安楽寺で開催したことからご縁がつながり今に至ります。

まずは沼畑さんにさむをレクチャー。この日のさむは仏器みがき。午前中の風が心地よい本堂の中でスタートです。

ビニール手袋をして、ピカール(みがき剤)を仏器にたらす沼畑さん。
ほほえみながら見守る住職せいはんさん。
せいはんさんの手元を見ながら、見よう見まねで仏器をみがく沼畑さん。
3人の参加者さんが見守る中、ゆるりとトークが始まりました。

沼畑さんは青森県八戸市出身。現在はさよならキャンプで演劇をつくったり、テレビドラマやCMなどに出演・ナレーションをしたりと活躍中!
▼沼畑さんが出演する福井新聞社のショートムービーCMはこちら。

東京でお笑い芸人として活動していた過去もあり、演劇の分野でもその一面がところどころ垣間見えて、周囲を楽しませてくれるエンターテイナーです。でも、普段は物静か。そのギャップや独特な語り口にハマる人が続出で、ひそかにファンを増やしています。

「実は今日は、事前の打ち合わせ一切なしでお話しています」とせいはんさん。そう、今回のトークは話す内容は決めずに、さむをしながら自然と生まれる会話を楽しんでみることにしたんです。(お二人はちょっとドキドキだったかも笑)

せいはんさんが投げかける問いかけをもとに、沼畑さんが芸人を目指すことになったきっかけや福井にやってきた理由、さよならキャンプを旗揚げした理由や安楽寺に初めてやってきた時の印象などなど、様々な話題が展開していきます。

仏器をみがくタオルもあっという間に真っ黒に
どんどん汚れが取れていき、話題も広く深くなっていきます。

特に参加者のみなさんの集中力がぐっと高まったように感じたのが、お笑いの間の話。せいはんさんが書き留めてくれたインスタグラムから引用させていただくと……

笑いって"間"でできてるんです。わかりやすいボケの時は、間をおかずにバーンと突っ込まないといけないし、みんながちょっと考えないといけないようなボケなら、少し考える余裕を作ってから突っ込むんです。それが、同じネタを何回もやると慣れてきちゃって、間も短くなっていっちゃうんですよね。

天王山 安楽寺(@awara.anrakuji) • Instagram写真と動画

だから、ツッコミ役はお客さんと同じ感覚になってボケを受け止めないといけない。そんなお話でした。私も、演劇にも通じることだなあと思いながら聞いていました。

お笑いについて話している時の沼畑さんは、他のお話をしている時よりも意識がはっきりしているように感じました。と言うと「他の話はぼんやりしてるの?」と沼畑さんからつっこまれちゃいそうですね(笑)
どのお話も面白くって優しいんですが、お笑いについては何か「熱意」のようなものを感じました。会場の空気が変わり、スッと一本の線が通った感じがしたのも、もしかしたらそのためかも。

仏器をみがきながら喋っている二人。一見すると話題が点々と広がっているように見えますが、実はいくつかのポイントに着地しては進み、またどこかに到達して進み、というやりとりを繰り返しながら、しっかり前進しているのかも。「広がる」「深まる」というよりも「歩いている」みたいな。

そこに参加者のみなさんの目や意識が混ざり合って、その場所に今、佇んでいる人たちだからこその空気が生まれているように感じます。とても有機的な感じ。うーん、面白い。
さむトークの可能性はまだまだ言語化できていませんが、ただのトークセッションとは明らかに違うものが生まれています✨

暑い日は、無理せず中さむ

さむトークの時間は本堂でも涼しい風が吹いていましたが、そろそろお昼。スイーツを食べたりさむ活をするには気温もあがってきたね、ということでエアコンの効く客殿に入っていただきました。

レモンクッキーやシャーベット、ロークッキーなどなど、坊守あきさんが手掛ける精進スイーツたちに参加者のみなさんのトークも涼やかに弾みます。
ドリンクは薬膳茶279さんからの「朝のお勤めLIVE配信1000回記念」のお祝いの品、蓮のお茶。これがまた爽やかで、さりげない香りに癒されました♪


ゆーっくり休憩したら、室内で仏器みがきタイム。先ほどのさむトークで沼畑さんがやり残した(笑)仏器と、新たに入荷した”汚れ仏器”をみんなでみがきながらおしゃべり。さむトーク第2部ですね。

先日安楽寺を拠点に開催された地区のお祭りの話にはじまり、お話はどんどんいろんな方向へ歩いていきます。戸が閉まっている室内だからでしょうか、お話のマニアック度や「こっそり感」が高まっていたような気も。空間や気候、そこにあるもの、そこにいる人。いろんな要素が混ざり合って生まれるトークは本当に楽しく、笑いの絶えないものでした。

スタッフ山田は、お話しながらも参加者のみなさんの手元をチェック。「おっ、Tさんの仏器が全部きれいになったな」と思ったら、本堂に行って新たな仏器を入荷。Tさんに「まだまだ(仏器)ありますよ」と渡すと、「休ませてもらえんな~」なんて一笑い。こんな、なんでもないやりとりが楽しい。

みなさんにピッカピカにしていただいた仏器たち。

一方その頃・・・

もともと予定していた夏さむ、石庭そうじに励む住職せいはんさん。こちらは安楽寺の中庭です。もっと日陰になると思いきや、お昼はしっかり炎天下💦水を使ってできるお掃除や溝掃除などをしていました。
せいはんさん、掃除を終えるとシャワーを頭からかぶって水浴びをしていました。いいなあ~気持ちよさそう!と、エアコンが効いた室内でひっそり眺めていた山田です(笑)

そしてそして、プチ瞑想も客殿で。蛍光灯を消して、外から入る日光だけで薄暗くしてやってみました。お香も炊いてみると、心落ち着く瞑想空間に早変わり~。

せっかくなので横たわりスタイル瞑想も。「寝ちゃうかもしれませんね」と笑いながら、心地よい温度とあかり、香りに包まれて、しばしの間呼吸を見つめます。外からセミの鳴き声も聞こえてきて、夏の自然も感じられました。みなさん、起きていたかな……?

おやつタイムはサプライズ!

実はこの日の前日。住職せいはんさんからメッセージが。
「明日はサプライズでスイカ割りをしましょう!」
や、やったー!うれしくって、前日の夜からわくわくが止まらなかった山田です。

みなさん、最近いつスイカ割りしましたか?私はおそらく大学生以来やってなかったような気がします。「夏といえば」な一大イベントですが、意外に体験できる機会がないのがスイカ割りじゃないでしょうか。

そういえば去年の秋にもこんなことが。落ち葉で焼き芋づくりをしたことがありました。これもスイカ割り同様、季節を感じる昔ながらのイベントですが、なかなか身近で体験できる機会がありませんよね。そう思うと、安楽寺ってやっぱり季節を感じる出来事をたくさん楽しめる場所なんだなあ。

しかも面白いのが、それを楽しむのが「大の大人」というところ。子どもや親子対象は見かけることがあっても、大人だけが集まって遊んでいるというのは新鮮なのでは。なんとも愉快な風景です。

と、いうことで……!
全員でじゃんけんをして順番決め。
勝った人から目隠しをして、スイカを狙い打ちます。制限時間は1分。
右右!もっとこっち!と大声で叫ぶ大人達
私はなんとトリをつとめさせていただきました。
スイカをご覧ください。まだ一刀も入っていません。
そして私の一刀は……!
やあ!
見事にはずしちゃいました(笑)
最後は目隠しなしで、力自慢のせいはんさんにスパッと割ってもらいました。

一日冷水で冷やしたスイカはほどよい冷たさで、日陰にキャンプいすを置いてみなさんでいただきました。けっこう大きかったけれど、5人で1玉ぺろりと平らげましたよ。さすが大人です。

「暑いけど、日陰は気持ちいいね」「スイカってやっぱり食べると涼しくなるね」「昔のスイカってもっと皮が厚かったよね」「そういえば北潟地区って」と、これまたみんなでゆる~くおしゃべり。名づけるならばスイカトークでしょうか。

カットは坊守あきさん。甘くておいしいスイカでした~

特別なイベントがあったり、しっとり落ち着いて過ごしたり。いろんな緩急がありながら、トーク多めの一日となりました。気候が厳しい夏や冬は、イベントや非日常感を多めにしたほうがバランスが良く過ごしやすくなるのかも。

季節が変わる度に新たな発見があるさむ活。いかがだったでしょうか。ご参加くださった皆さん、ゲストの沼畑さん。そして気にかけてくださった皆さんも、ありがとうございました✨

夏はまだまだこれから。次回のさむ活は8月26日(土)ですので、暑さは変わらないかもしれませんが、「夏の終わり」らしい切なさがにじみ始めていそうな予感。

何が起こるか分からないところも楽しみに、ぜひ遊びに来てくださいね。今後のレポートにも、さむ活の進展にも!どうぞご期待ください。

▼次回のさむ活インフォメーション

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