10.かっこいい大人のスーパープレー │ zoom戦略会議 レポ
6/6土曜日、そのイベントは開かれた。
主催者はイシグロテルキさんと田中優大さん。
登壇者は桑原広徳さん、戸田良輝さん、西村幸志郎さん、松永貢さん。
(名前のリンク先はTwitter)
業種も立場も全然異なった4人が集められたのは、主催のイシグロさんのこんな想いから。
○○ナビとかを見ていると「内定者のES公開」とか「即内定!」とか書いてあって、目先の内定と、内定をとるための小手先の技術の話ばかり。
でも俺は、そんな話より経営者の方の「仕事」や「人生」の価値観について聞いたり、いろんな人を見てきた人事の方の「本音」を聞きたい。
だから、本イベントの目標は
こんなこと聞いたことなかったという赤裸々なエピソードを聞いて、今日からできる挑戦を一つ見つけてもらう
と設定されていた。
今回のnoteの内容
今回は座談会的な要素が強かったので内容を網羅的に書くことはできないことを了承していただきたい。
本イベントで言及されたものの中でも、より私の中に残ったものについて掘り下げていければと思う。
なので今回は
・ベンチャーか大企業か問題(企業の選び方)
・「やりたいことを仕事に」理論(仕事観)
・どんな人と働きたいか
について書いていきたい。
それから、言ったことを一言一句完璧に記録するということはない。
「こういう主旨だと私は捉えた」という前提で読んでいただけるとありがたい。
ベンチャーか大企業か問題
本編はこの話から始まった。
就活生の間でよく議論される「ベンチャーの方が向いているか、大企業の方が向いているか」という話。
これに一番納得する答えを一番初めにくださった松永さんの言葉を紹介しよう。
「まずそもそも、大企業といっても新規事業を打ち立て若い人に裁量権を持たせる会社もあれば、ベンチャーといってもトップの力が強い会社もある。それを大企業とかベンチャーとかって一括りにはできない。
さらに言えば、(松永さんの会社のように)ベンチャーでも大企業でもない会社もたくさんある。というかそういう会社が世の中の大部分を占めている。
ベンチャーか大企業か、といっている時点でその多くの起業を見落としていることに気づかなければならない」
「べンチャーか大企業か」や「業種はコレにする」と決めてしまうことは、確かに探しやすくなるかもしれないが、その分それ以外を見えなくしてしまうという危険性もはらんでいる。
また、戸田さんは
「就活生は、サッカーを見たことがないのにサッカー教室について検索しているようなもの」
と例えてられた。
多くの就活生は、サッカーを見たこともないのに、サッカー教室に行く必要性に迫られているから検索して「なんかキーパーはやだな」とか「なんとなくフォワードしようかな」となっている状態なのだそう。
でも、それってちょっとおかしい気もする。
普通ならサッカーを見て、かっこいい選手にあこがれて「自分は○○みたいになりたいからサッカーしたい!このポジションがいい!」となるはず。
それが、サッカーを習わなければいけないからどんなものか見たことがないけど探している、ということをみんなやっているという。
「確かに業種とか絞るのも危険やし、かっこいい人を見てないのもおかしいけどじゃあどうすればええねん!!」
と思った人いると思う。私もそれだ。
これにはそれぞれ解決策を出してくださった。
まず、絞ると見えなくなる問題について。
これは、まず1人信頼できる社会人の方を見つけること。
そしてその方に自分の想いを話したうえで「誰か紹介していただけませんか?」と言ってみること。
ただし、ここで紹介してもらえない場合もある。その時の原因は主に2つ。
・合う人が思いつかなかった
・礼儀など人として失礼な部分があった
もしだめだった時は特に失礼がなかったか、考えるようにしてみよう。
そしてもう一つのかっこいい大人を見れていない問題について。
これは、さっきのとも似ているが、たくさんの大人と繋がってアポイントを取り、会って話すことが大切だという。
これを提案してくださった戸田さんも実際、今の会社の社長さんの「綺麗事を本気で実現しようとしている姿」にあこがれて入ったそうだ。
サッカーのかっこいいプレーを見るためにはサッカーの試合を見る必要あるように、かっこいい大人をみるためにはそういう人たちに会う必要があるということだ。
「やりたいことを仕事に」理論
「自分のやりたいことを仕事にしたい」という学生は多いことだろう。
しかし、考えてみてほしい。
例えば、小島よしおが
「パンツ一丁で『おっぱっぴー』とか言ったら絶対おもろいやん!俺はこれがしたい!!」
と思ってあの有名なネタをやっていたとする。
売れたら最初はめちゃくちゃうれしいかもしれないが、来る日も来る日もパンツ一丁。冬の野外イベントでもパンツ一丁。
それを、心の底から「やりたい」と思えるだろうか?
逆に、実際の話として「ダメよ~ダメダメ」で流行ったエレキテル連合は、そればかりしていると売れ続けていくのが難しいと考え、そのネタだけを強要される仕事を断っていった。結果、まったくテレビに出なくなってしまったという。
つまり、自分がしたいことをするためには必然的に自分のしたくないこともする必要があり、それを断っていては仕事にならないということだ。
小島よしおの例のように、好きなものをやり続けた結果、やりたくないこともたくさん出てくるかもしれない。そうすると、好きだったものがだんだん嫌いになってくる可能性だってある。
だから西村さんは「好きなことと得意なことやったら間違いなく得意なことをやるべき」とおっしゃった。
得意なことというのは、自分がそこまで努力していないのに相手に求められること。
それが世間から認められるのであればそれを前面に押し出した方が苦じゃないし継続的にできるよね、ということだ。
「自分のうんこが誰かのごちそうになるように」
というのは今回出た名言だが、まさに自分のもともと持っている輝きが誰かのためになるように、ということだそうだ。
「そもそも『やりたいことを仕事に』っていう考え方っておかしくないですか?だってみんながやりたくないこととかできないことをやるから価値があるのに」
イシグロさんのこの言葉が胸に響いた。
確かにそうだ。仕事は希少性が高いほど価値がでる。
みんなができて、みんなやりたいと思う仕事には希少性がないから価値も上がりにくい。
これに対し、松永さんは
「やりたいことをやるのは『アート』っていうんだよ。
そしてそのアートをうまく売るのが『デザイン』っていうんだ」
これにはなるほど納得である。
アートの世界で生き残れるのはわずかな人たち。もちろん努力もあるが、才能の部分もある、ということなのではないかと思った。
そしてその上で
「反対も出るだろうが、僕はすべての仕事は『情弱ビジネス』だと思っている」
とおっしゃっていた。
どうぶつの森でリンゴのない島にリンゴが高く売れるように、物や情報がないから「お金を出して買おう」という気持ちになるのである。
そしてその相手にないものを創造していくためには、自分がしたいことだけではやっていけない、というのが登壇者の方々の意見だった。
「一緒に働きたい人は?」
本編の最後に私がこんな質問をさせていただいた。
「皆さんが一緒に働きたいと思う人ってどんな人ですか?」
即興的に答えて頂いたので、これがすべてではないかもしれないが、かなり面白い回答だったので、最後にこれをまとめて終わりたい。
西村幸志郎さん
昔部活の監督に言われた言葉で印象に残っているものがある。
「いい選手である前にいい人間であれ」
どんだけすごい経歴を持っている人よりも、人間としてすてきな人と付き合いたい。
桑原広徳さん
「こいつ怖いな」と思う人。
今じゃなく、3年後、5年後に化けるだろうと思える人。
それを見極めていきたい。
戸田良輝さん
人に愛される人。
そしてそういう人は必ず愛される前に愛している。
人を好きになる力のある人と付き合いたい。
松永貢さん
他の人のブースターになれる人。
背中を押し合って、加速し合える環境が理想である。
そういう人になるためには、他人のちょっと前を伴走する必要がある。
お礼
最後になってしまったが、今回登壇された4名と主催してくださった2名に感謝を伝えたいと思う。
本イベントは主旨から共感する部分が高く「なるほど」と思うこと、初めて知ったことも多くありました。
それは、今回ファシリテーターを務めてくださったイシグロさんと、田中さんのおかげであり、そして主旨に沿って、余すことなく本音を話してくださった登壇者の方々のおかげだと思っています。
まだまだ自分の就職については見えないことばかりですが、今やるべきことは見えてきました。本当にありがとうございました。
最後に、登壇者・主催者のTwitterをまとめさせていただく。
今回の内容が面白いと思ってくださった方々はぜひフォローしていってほしい。(登壇者・主催者 名前順)
【登壇者】
桑原広徳さん
戸田良輝さん
西村幸志郎さん
松永貢さん
【主催者】
イシグロテルキさん
田中優大さん