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35.「心と向き合う」|梅原英哉さん #Zoom戦略会議
今回 #Zoom戦略会議 に登壇してくださったのは、コンサルティング会社、リンクアンドモチベーション西日本責任者の梅原英哉さん。
すごく個人的な話をすると、私は梅原さんがTwitterに参入してきた時からフォローさせていただいており、まさかこんな形でお話を聞ける機会に恵まれると思っていなかったので超ハッピーだった。
Twitterでは熱いながらも的確な組織論などをツイートされており、フォロワーも着々と増えていっている。
熱く、まっすぐな姿勢にもともとファンも多いであろう梅原さんが、今回の #Zoom戦略会議 で学生の心もしっかりつかんでいった姿までお見せできれば、と思う。
↓梅原英哉さんTwitter
https://twitter.com/hideyaumehara
↓リンクアンドモチベーションHP
なお余談にはなるが、梅原さんのフォロワーさん全体的にみると不評らしい「野球に例えたツイート」が個人的には好きだ。野球好きもぜひフォローを。
■働くことは楽しい
「働くヲ『楽しい』に」を掲げる梅原さんは、今回のイベントで「働きがい」について語ってくださった。
Googleで「働く」と検索すると「つらい」とか「辞めたい」と出てくる。
しかし、梅原さんは「『働く』ってもっとおもしろいものだよ!」というのを伝えたいそうだ。
Twitterを始めた理由も、そのことが発信したかったからだそうだ。
「前提として、働くことって大変。でも、楽しい瞬間もある」
そう語ってくださった梅原さん。
そもそも「働く」というのは
・お客さんの困りごと(課題)を解決する
・お客さんの理想を叶える
ということ。
そしてそれが達成されたときに「ありがとう」がもらえる。
その「ありがとう」がもらえた瞬間というのがとても楽しいそうだ。
そもそも課題というのは現実と理想のギャップから生まれる。
だから課題を解決するということは、非常に難しいし、大変だ。
でもだからこそ、ほんとうに解決できた時はお客さんも何とも言えない表情で「ありがとう」を伝えてくれるし、それを見ると何とも言えない感情になるのだそうだ。
そんな梅原さんも、最初から仕事が楽しかったわけではないそうだ。
むしろ、社会人1年目の時は「入る会社間違えたかな?」と思っていたそう。
学生時代は野球一本で過ごしており、それ以上のスキルはほとんどなかったそうだ。
「バット持たせてもらえたら打ててんけど、パソコンは打たれへんかったなあ」
そうおっしゃる梅原さんは入社当初、パソコンは指一本でしか打てなかったそうだ。パソコンで表をつくるときも、罫線を1本1本引いていたとか。見積票が一周回っていた(?)とか笑
できないことが多く、楽しくない1年目だったそうだ。
逃げたくなったことも、逃げてしまったこともあるそうだ。
しかし「リンクアンドモチベーションに入りたくても入れなかった人もいる」ということを考えたり、愚痴を吐いたときに叱ってくれる同僚がいたりという中で、自分の可能性に期待し、なんとか続けてきたと言う。
そうして1年目の間にいろいろ教わって、2年目からはいろいろなことができるようになっていき、それにつれどんどん仕事が楽しくなっていったそうだ。
「入ってすぐできることなんてほとんどないから、最初は楽しくない。それに、最初からできることなんてすぐに真似されてしまう。だから、最初はあせらずあわてず、できることを増やしていけばいい」
参加者に「今まで仕事をやってきて、コンサルの仕方・組織づくりのやり方にもいろいろあるということが分かったと思う。そのうえで、もしもう一度就活生に戻れるなら、どうしますか」という質問に、梅原さんは「それでもリンクアンドモチベーションを選んだと思う」と断言した。
「今は心の問題で悩んでいる人が多い。人間関係とか、伝えたいことが伝わらないとか。それは仕事だけでなく、プライベートでも感じる。
だから僕は人間にもっと詳しくなりたいし、優しくなりたいし、人間に生まれてきた以上、人間を大切にできる人になりたい。そういう意味では、モチベーションエンジニアリング、つまり人の感情を科学して技術にするという事業は、おそらく何万回就活をしても選ぶと思っている」
この力強い言いきる姿勢に惚れた参加者も多かったのではないだろうか。正直言おう。私もその一人だ。
最初は「間違えて入社したかも」と心配したリンクアンドモチベーションで、働くことを楽しみ「働くことは楽しい」と伝えている梅原さん。
そのかっこよさに、就職後の希望を持てた就活生も多かったのではないだろうか。
■人の心を大切にする
梅原さんは、先ほど書いた「心の問題で悩んでいる人が多い」ことに、問題を強く感じているそうだ。
技術が発展し、モノやサービスは豊かになったが、精神的に豊かになっていないのでは?と思っているそうだ。
例えば、私たちはSNSによって世界中と繋がれるようになったが、逆にたくさんの比較対象が生まれて、十分すごいのに自尊心が持てない人もいる。
「人は、心があるからこそ豊かになってきた。でもその反面、心があるから苦しい。」
人と向き合う仕事をしている梅原さんは、心と向き合う難しさも同時に感じているのだそう。
だがそんなとき梅原さんは、深く考え込まないようにしているそうだ。
ため込まず、思ったありのままをなるべく口にするようにしている。
「ありのまま自己表現できる能力を鍛えている」と梅原さんは表現された。そういうのを「脳のシワ」と対比させて「心のシワ」と言うらしい。
自分の気持ちを大切にすることで、他人の気持ちも大切にする。
人の心を扱う職業というのは、そういうことなのかもしれない。
私が今回のイベントの中で気になったワードとして「志」があった。
毎回 #Zoom戦略会議 では、イベント終了までの目標が提示されるのだが、今回はその目標の一つに、リンクアンドモチベーションのコーポレートキャッチに「ひとりひとりの本気がこの世界を熱くする」の中の「本気」を抜いて、「ひとりひとりの○○がこの世界を熱くする」の○○の中に各々が感じた言葉を入れてほしい、というのがあった。
私はこの理念、ひいては「志」という言葉が私は強く印象に残ったので、「ひとりひとりの『志』がこの世界を熱くする」と最後にツイートした。
と言うのも、それは私のこんな質問がきっかけだった。
「いろんな社会人の方と話していると、『理念に共感した企業に行きなさい』っていう方と、『自分の得意なことができる企業に行きなさい』と言う方がいるのですが、梅原さんはどう思いますか?」
梅原さんは「この質問に絶対こう!っていう答えはない前提で話すと」と前置きされてから、「僕は理念で選んだ方が良いと思う」と答えてくださった。
梅原さんがこう答えたのには2つ理由があった。
まず1つは、今の能力は変わるということ。
先ほども書いたように、入社したての梅原さんはそこまでスキルがあったわけではなかった。本人曰く、「学生時代は野球しかやってこなかった。その中でできることだけで仕事選んでたらどこにも行かれへん」とおっしゃっていた。
それよりも、成し遂げたい未来や、今までの自分の価値観が合うといったところに目を向けた方が良いのではないか、と思っているそうだ。
もう1つは、梅原さん自身が「スキルがある人はお金がある人に買われる。お金がある人に使われる。でも知恵がある人もお金がある人もスキルがある人もみんな最後は志のある人についていく。だから志を持ちなさい」という言葉を大切にされているそうだ。
だから、志と志をぶつけあってみた方がいいと思う、それが合わないならやめた方がいい、と教えてくださった。
私自身、理想とする世界観を持っているので、これから就活するにも何をするにもそれを大切にしていきたいと感じた。
しかし、経営者の志や企業の理念に共感して入っても、雑務ばかりやっていると「これって理念と繋がっているのか?」と疑問に思ってしまうこともある。
そういったときは、その仕事を抽象化して目的・意義を見つけるといいそうだ。
そしてそれを他人がやってくれないなら、自分ですればいい。というか、その方が他人に依存せずモチベーションを自分でコントロールできるようになっていく。
最初は難しいが、続けていくと、5年もたてばあらゆる仕事に意味を見出せるようになる。それに、部下に仕事をお願いするときも誰よりも魅力的に伝えられる人になっているだろう。
そう梅原さんは教えてくださった。
人の心を大切にしながら働く梅原さん。
心を大切にし、志に敬意を抱くその姿勢からも、人の心に向き合うコンサルという仕事を大いに楽しみ、そして誇りを持っているのだろうと感じた。
■私たちが今日からできること
今回梅原さんが話してくださった中で、ためになることは山のようにあったのだが、最後に、学生の生活で今すぐできそうなことに絞っていくつか紹介したい。
ここで紹介するのは、モチベーション維持と下の立場でもできる組織づくりについて。
まず、モチベーションについて。
モチベーションというのは、その行動に対する動機のことで、基本的には持続するものを指す。このモチベーションの設定のコツについて、梅原さんは
目標の魅力と達成可能性と危機感のかけ算
とおっしゃった。
この内容は以前ツイートもされていたので聞き覚えのある方もいるだろう。
モチベーションは
— 梅原英哉@働くヲ「楽しい」に (@hideyaumehara) July 1, 2020
『目標の魅力×達成可能性×危機感』
で決まる
目標の魅力は、やりたい
達成可能性は、やれそう
危機感は、やらなきゃ
を生み出せるかがポイント
モチベーションマネジメントしよう
この最後の「危機感」というのは、学生としては一番効果が高い気もするが、危機感を持てる目標もあれば持てないものもあるかと思う。そういう時はどうすればいいか。
それは、期日を明確にすることだ。
梅原さんは「〇月中にやります」という言葉が嫌いらしい。笑
〇月中ではなく、「〇月〇日〇時までにやります!」と言った方が危機感が持てる。それが言えないことはきっとできないだろう、ということだそうだ。
それから、モチベーションに対するやる気が上下することもあるだろう。それを自分で制御するにはどうすればいいだろうか。
梅原さんは、「時間軸と空間軸を変えるといい」とおっしゃった。
時間軸とは、今すぐできなくても近い将来できるようになればいい、と思うこと。大きな時間の中で今という瞬間をとらえることだ。
そして空間軸とは、自分の中の問題ではなく、チーム、企業全体、あるいは日本全体や世界の中で自分をとらえることだそうだ。そうすると、自分の中では深刻な悩みも、ほんのちっぽけなものと感じることができるそうだ。
どちらも、大きくとらえることが大事だ、と教えてくださった。
うまくいっていないときほど、自分の殻に閉じこもって小さな視点でしかものを見れなくなる。
だが、大きな視点を持つことを大切にしていきたい。
そして最後に、下の立場でもできる組織作りについてだ。
組織に属すと、「リーダー」の役割を持つ人は少数だ。いや、究極的に言えば、その組織内では一人だ。
多くの人は「下の立場」だし、特に新卒でどこかの企業に入るなら最初は「リーダーではない状態」から始まるだろう。
だが、梅原さんは「リーダーというのは、その役割を持っている人ではなく、リーダーシップをとった人だ」とおっしゃった。
ここでいうリーダーシップとは、目的に向かって意志を発信すること、先が見えなくても一番に飛び込んで「大丈夫だよ」と言えることを指すそうだ。
だから、その組織のビジョンにどこまで共感しているかが大事なのだそうだ。そしてそのうえでリーダーの孤独や葛藤を知ろうとしてあげられるかが大切になってくるという。
「最高のリーダーに負けない志を持ちつつも、最高のリーダーの理解者でいようとすること」
これが、リーダーという役割を持っていない人が、その組織のためにできる一番のことだと梅原さんは教えてくださった。
「リーダーじゃないから」と立場に甘えず、リーダーと同じ目線で考えようとすること。これがいわゆるフォロワーシップなのかな、と感じた。
毎回のごとく、大変学びの多い1時間半だった。
特に今回は、普段から梅原さんのツイートをよく見かけているのもあって、そのツイートの裏側や背景、補足などが聞けたというのも個人的には面白かった。
逆に今回のイベントを知らなかった方や、予定が合わず参加できなかった方はぜひ梅原さんをフォローしてみてほしい。
多くのことが学べると思う。
↓梅原英哉さんTwitter
https://twitter.com/hideyaumehara
↓リンクアンドモチベーションHP
梅原さんへ
今回はとても楽しい時間をありがとうございました。
イベントであんなに笑ったのは初めてかもしれません。
それくらい笑ってました笑(Zoomやから伝わらないのが残念です)
梅原さんに「本物や」って言われた話はしばらく使わせていただきます。笑
本当に学ぶことの多い1時間半で、今回このnoteには書けていないことの中にも、刺さった話やためになった話もありました。ほんとうにありがとうございました。
本文の方にも書きましたが、個人的に今回すごく印象に残っているのが時々でてきた「志」の話です。
私の先輩に自分の志を語るのが得意で、だから人を巻き込んでいろんなことを実現するのが本当に得意な方がいて、今回の話がその先輩と被ってすごく納得できました。
以前から、自分の志や意志は積極的に話すようにしていましたが、今後はより大事にしていきたいなと思いました。
貴重な機会に、梅原さんのお話を直接聞くことができてよかったです。
本当にありがとうございました。
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