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自己啓発本をはじめて読んだ

※自己啓発本を初めて読んだ時の感想です。
※ネガティブな感想を含みます
※書いたのは一年前


「察しない男 説明しない女」を読み終わった。大学の教授が授業で取り上げており、二ヶ月前に図書室で借りたのをようやく読む気になったのだ。夏季休暇では10冊の本を2ヶ月借りられることになっている。返却期限まで三日。危ないところであった。
簡単に説明すると、「自分とは違う意見を持った男と女という二つの人間を一般化しカテゴリ分けしながらリアリティのある事例を取り上げ、どうしたら分かり合えない人とコミュニケーションを成立させられるか」を書いているのがこの本だ。例えばタイトルにある「察しない男 説明しない女」の節では「男は察することが出来ません。反対に女は説明することが苦手です。お互いの意図を伝えるためには男には具体的な指示を出すこと。女には話をさせてあげること。それだけで関係が上手くいきます。」等と書いてある(ごく簡単に言うと)。まず前提に根拠が無いし、あったとしても作者の周りで起こった出来事が基になっている。論文形式ではないし出典も明確に示されていないので、書いてあることがすべて作者の主観であるように感じ戸惑った。実際何度も本を閉じようかと思ったし、ひろゆきさんで言うところの「それってあなたの感想ですよね?」が素で出てくる程にイライラしながら読んだ。ちなみに私のひろゆきさんの知識は弟が使っているものだけなので使い方が合っているかはわからない。とにかく、私は短気で自己中心的、そして根拠と目的を示されないと混乱し投げ出してしまう人間なので、この本は読んでいるだけで苦痛だし時間の無駄だったかな等と思っていた。
しかし、あとがきを読むとやっとこの本の使い方が示されていた。私なりに解釈すると、男女というのは比喩の一つであり、この本は分かり合えない人と出会った時にどうしたらその人と上手く付き合っていけるかを書いた本だったのである。

じゃあ、最初にそう書いてよ!!!

いや、そう書いてあったのかもしれない。私がうまく理解出来ていなかっただけなのかもしれない。しかし最初から男女という括りではなく自分と異なった考え方をする人という視点で読めていたらもっと得られる情報が違っただろう。最初にやった診断では、私は男よりという判定が出た。しかしすべての男に当てはまることなど無かったし、女と男どちらにも当てはまる場合の方が多かった。どちらを参考にすべきなのかよくわからなかったし、全部フワッと当てはまるので朝の占いのようでとても不快に思っていた。(私は朝の情報番組でやっている占いがものすごく嫌いである。根拠がないから。)
が、しかし。自分と異なる考え方の人にどうやってアプローチしたら自分が動いて欲しい方向に向かわせることが出来るのか、という視点で読むと、驚くほどためになる本であった。縦社会を気にする男、横社会を気にする女等はその典型である。縦社会を気にする人間には「上司の○○さんも褒めていましたよ」が効果的であるし、横社会を気にする人間には「いいなあ、羨ましい!」と自分の意見を口にする。これは自分がどこに当てはまるかではなく、他人がどこに当てはまるかで対応を変えていける、言わば男女間ではなく自分の周りの人間関係すべてを「まろやか」に変える本だったのだ。

この視点で読み進めていくと、私がどうして女ばかりの部活で上手くいかなかったのか、男ばかりのグループ討論で上手くいかないことがあったのかがよくわかった。女ばかりの部活では成果主義が成立せず、男ばかりのグループ討論では自分の気持ちを入れた意見を発表したりしてしまっていたのだ。これでは、なかなか意見が通りにくいし、通ったとしても人がついてこない。
この本は私のような男女の狭間にいる人が読んで、「もしかしたらあの時こうした方がスムーズに進んだのかも」と考えながら次回に活かしていくための本であったのだろうと思う。出典も根拠も無い。この本に書いてある内容が合っていたとしても間違っていたとしても、この本を読むことで自分なりに少し行動を変えることが出来れば、それがこの本の存在意義になるのではないだろうか。

あまり読んだことがなかったので知らなかったけれど、自己啓発本ってこういうものなのかな。今後は、全部を鵜呑みにするでもなく、かと言って否定するでも無く、自分が取り入れてみたいと思った事例だけを取り入れ自分の成長に繋げるという方向で自己啓発本を読んでみたい。

……もう当分はいいかな。


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