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モノクロの若冲が好き

少し前ですが、出光美術館で開催されている『江戸絵画の華』へ行ってきました。2月12日迄は〈第1部〉若冲と江戸絵画 です。

もちろん館内は撮影禁止なので、出光美術館HPに掲載されているものを。⬇️

例えば此方の若冲、モノクロではありませんが鶴の顔部分の赤が映えていますね。写真だと中々伝わらないですが、細かい描写も素晴らしかったです。

出光美術館HPから

江戸時代中期の京都で活躍した画家・伊藤若冲。若冲の作品といえば、細密な描写をつくした彩色画を想起する人も多いでしょう。一方で、晩年期のものを中心に、数多くの作例が伝わっているのが水墨を主体とする絵画です。偶然のようでたくみにコントロールされた濃淡の墨面の広がり、伸びやかな筆づかいで大胆にデフォルメされた、かたちの遊び。飾り気のない自由な表現には、実はユーモラスで天真な描き手の素顔がよくあらわれているようです。

出光美術館HPより


もちろん色鮮やかな若冲の絵は私が言うまでもなく素晴らしいのですが…元気な状態で行かないと私、若冲のパワーに負けてぐったりしてしまうのです。
何年か前の若冲展、見終わる前にヘロヘロになった記憶があります。

出光美術館HP内には載せていないのでお見せできないのですが、私が気に入った若冲の作品はのはデフォルメされた墨絵の数々です。

⬇️此方は芸大アートプラザのHPですが、好みの墨絵が載っていたのでちょっとご紹介を


この「双鶴図」⬇️も出光美術館に展示されていました。

芸大アートプラザHPより

可愛らしさの中に独特の緻密な描写があって素晴らしかったです。
写真だとわからないかもしれませんが。墨絵なので素早く描かれたと思うのですが脚の線と肌の描き方が見事でした。

他にも沢山のデフォルメされた鶴達が一つの絵の中に佇んでいて、それぞれ個性的で。失礼な表現なのかもしれませんが、とてもかわいらしく見えました。

今回の展示とは関係ないのですが、私は石峰寺にある若冲の羅漢さん達が好きです。


寛永年間に画家伊藤若冲が当寺と草庵を結び七代蜜山修大和尚の協賛を得て五百羅漢を作成。当時千体以上あったと言われているが、今は四百数十体残っている五百羅漢を本堂裏山にて拝観出来る寺院であり本堂南には伊藤若冲の墓と書家貫名海屋(ぬきなかいおく)の撰文の筆塚が立っている。

石峰寺HPより

此方のお寺は何年か前に参拝しましたが、鬱蒼とした木立の中に沢山の羅漢が静かに座っていて、とても素敵でした。
現在写真撮影は不可の様ですが、当時は可能だっ
たので色々な角度から撮影してみました。どこから切り取っても絵になり、自分の写真の腕が良いような錯覚に襲われたのをよく覚えています。

勝手な解釈ですが、あまりに激しい色彩を長年使いすぎて晩年はこういった石仏に傾倒していったのではないか、などと思ったりしました。
ご存知ない方多いと思いますが、若冲好きなら石峰寺の五百羅漢も必見、と思いました。

今回の出光美術館「若冲と江戸絵画展」は12日迄。
第二部の「京都画壇と江戸琳派」は2月21日〜のようなので、此方も楽しみです。

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