【短編小説】花粉症が悪化する中、色彩が変化した話
花粉症の症状は、よりひどくなっているような気がする。
わたしも、そろそろ本格的に春だなぁと思い始めた三月の終わり頃だったと思う。
その日は朝から、どんよりとした曇り空で、雨が降ったりやんだりしていた。
昼過ぎになって小降りになったとき、わたしはベランダに出てみた。
雨に濡れた庭には、色とりどりの花が咲き乱れている。
このところ気温が高いせいか、花たちが元気いっぱいだ。
でも、そんな花たちの姿を見ていて、ふと気づいたことがあった。
それは、いつもなら鮮やかな色彩を映し出している