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【短編小説】店長からの誘い。その先に待つものは?

黒髪のお姉さんは、私に向かってにっこりと微笑んだ。
「初めまして。私は、ここの店長をしている者です」
「あ……どうも……」
お辞儀を返すと、お姉さんが「まぁ」と嬉しそうに手を合わせる。
「可愛らしいお客様ね!今日はどんなご用件で?」
「えっと……その……」
何て答えたら良いのか分からず、口籠っていると、お姉さんが私の肩をぽんと叩いた。
「そんなに緊張しないで大丈夫よ。ここには怖い人は誰もいないから」
「あ……はい……」
「じゃあ、こっちに来てくれる?色々と見て回りましょう!」
そう言うとお姉さんは、カウンターの奥にある扉を開いた。
「あの、ここは何を売っているんですか?」
店内を見渡しながら尋ねると、お姉さんが振り返る。
「主に魔法薬を販売しているわ。傷や体力を回復させるものもあれば、毒消しなんてものもあるの」
「へぇ~そうなんですね」
「興味があるなら、後でゆっくり見ていきなさいな。きっと楽しいと思うわよ」
そう言って笑うと、お姉さんは再び前を向いて歩き始めた。…………。
それにしても、すごい品揃えだ……。
見たこともないような物ばかりだし、こんな所で買い物が出来るなんて夢のよう。
私は目を輝かせながら、キョロキョロと商品を見て回った。
「あら、これなんかどうかしら?」
棚の前で立ち止まると、お姉さんは小さな小瓶を手に取った。
透明な液体の中に、ピンク色の花びらが一枚浮いている。
「これは回復効果のある香水よ。試してみる?」
「いいんですか!?ぜひ!!」
差し出された小瓶を受け取ると、蓋を開けて鼻先へと近づけた。
すると爽やかな香りと共に、ふわりとした花のような甘い匂いが漂ってくる。……うん、確かにすごく良い匂い。気分が落ち着く感じがする。
「ありがとうございます。すごく気に入りました」
私が笑顔で言うと、お姉さんは嬉しそうに笑った。
それからしばらく店の中を歩いて回ると、お姉さんが立ち止まった。
目の前には大きなガラスケースがあり、そこにはアクセサリーが飾られている。
ネックレスやブレスレットなど様々だが、どれも綺麗で可愛らしく見える。
でもこの値段って……ちょっと手が出せないかも……。
私が困り顔を浮かべていると、お姉さんがこちらを振り向く。
そして優しい表情のまま言った。
――ねぇあなた。もし良かったら、私達と一緒に働いてみない?……。
私は少し考えると、こくりと小さくうなずいた。
するとお姉さんの表情がぱあっと明るくなる。
そして私に向かって手を差し伸べてきた。
――歓迎するわ。これからよろしくね!!……。
こうして私は、新しい人生を歩むことになったのだ。
……しかしこの時の私はまだ知らない。まさかあんなことになるなんて……。

あとがき

本文は「AIのべりすと」で作成、挿絵は「Stable Diffusion」の「ACertainThing」で作成しています。

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