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アカデミー賞の理事会って?仕組みと現状をざっくりお届け🎞️
毎年3月に開催される、世界最大級の映画祭、アカデミー賞。
米国の映画芸術科学アカデミー(AMPAS)が主催をしておりますが、その理事会構成や投票方法などは、歴史とともに様々な変遷をたどっています。
今回はその中でもショート映画とアニメーション部門に関するニュースをご紹介。
いつもなんとなしに聞いているアカデミー賞のことを、もうほんの少しだけ理解できるかもしれません。
※このニュースは2024年2月に発表されたものです。
アカデミー賞を主催するAMPASとは?
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そもそも、アカデミー賞を主催するAMPASとは、アメリカを中心とした世界中の映画業界人らで構成され、アカデミー賞の選考・授与、映画文化・映画教育・映画技術の研究に対する助成などを行っている団体です。
その会員構成は、俳優、作家、監督、プロデューサーなど職業に応じた支部に分かれており、各支部にはそれぞれ別個の入会資格があるそうです。
例えば、俳優の場合は、過去5年間に公開された少なくとも3本の劇場映画で名前がクレジットされている必要があり、加えてその劇場映画はいずれも「アカデミーの高い水準を反映する品質のもの」でなくてはならない。しかも役は、脚本にもきちんと登場する役でなくてはならない。 といった条件が定められています。
さらに、アカデミー会員になりたくても、自分から申し込むことはできず、自分が加盟したい支部の会員2名に推薦してもらう必要があります。
つまり、映画業界で卓越した実績を挙げなければ、会員となることは認められないのです。
(ただし、アカデミー賞候補になれば、自動的に会員候補となるので、推薦人は不要となるのだそうです。)
どうやって受賞作品が決まる?
さて、そんなアカデミー賞ですが、受賞作品は会員の投票によって決められています。
まず、監督賞や俳優賞、脚本賞、撮影賞...などをそれぞれの同業者が投票し、ノミネート作品を選出します。先ほどの職業ごとで別れた各支部内でまず投票されるのですね。
その後、全ての部門について、すべての会員の投票により、正式な受賞者が決定されるのです。
ちなみに、国際映画賞やドキュメンタリー賞、歌曲賞などについては協会によって事前選考が行われます。この選考によって勝ち残った作品・人物が「ショートリスト」と呼ばれ、その中から投票によってノミネートが選ばれるそうです。
(ちなみにSAMANSAで配信中の映画『空いている部屋』も今年の"ロングリスト"に候補入りしていました….!🙌)
短編映画とアニメ部門の分離
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そんな中、AMPASの中のアカデミー理事会は昨年、その各支部の一つである「短編映画および長編アニメーション支部」を、短編映画支部と長編アニメーション支部の 2 つに分ける予定であることを発表しました。
分裂の原因は明らかとなっていませんが、この「短編映画および長編アニメーション支部」を担当していた 3 人の理事のほとんど、あるいは全員が短編映画の制作者であったことに、長編アニメーション コミュニティのメンバーらが憤慨してきたからではないかとも考えれらています。
2024-2025年シーズンから、約700人のアカデミー会員が所属するアニメーション部門は2人の理事によって代表され、約200人の会員が所属する短編映画部門は1人の理事によって代表されることになるそうです。
分離の意味と映像業界の変化
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米Hollywood Reporter 誌は、こうした変化について「昔のやり方への回帰だ」とも報じています。
もともと、アカデミーが短編部門を創設した1941年ごろは、まだ多くの劇場で短編映画が長編映画に先行していた時代。
その後、この部門は 1974 年に短編映画部門に改名され、1995年には、コンピューター アニメーションの台頭により、短編映画と長編アニメーション部門へと別れて行ったのです。
アカデミーの短編映画と長編アニメーションの支部長であるボニー・アーノルドらは、「アカデミーの短編映画とアニメーションのコミュニティがともに成長し、今後も繁栄し続けるためには、2つの独立した支部が必要であることがますます明らかになりました」と語っています。
また、アカデミー賞は、2025 年に公開される映画に導入される予定の、キャスティングにおける最優秀賞という新しいカテゴリなども発表しています。
今後アカデミー賞および映像業界がどのように変化していくのか、そんな時代の片鱗を感じることができそうですね。
ちなみに今年3月に行われる第97回アカデミー賞。ノミネート作品はこちらからも見ることができます。
https://eiga.com/official/oscar/all-others.html
ぜひ今年はショート映画の部門にも注目してみては?👀
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