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飲酒運転撲滅??日本のアルコールCMはなぜ止まらない?
社内教育を担当している方々なら、飲酒運転がなかなか減らないことに気付いているかもしれません。特に夏は、海水浴シーズンの影響で「海辺でグビグビ、帰りはそのまま運転し、ひき逃げ」なんて悲しい事例が後を絶ちません。被害者を思うと、胸が痛みますよね。
日本では「飲酒運転撲滅!」と声高に叫びながら、テレビをつけると「プハー!」という美味しそうなアルコールのCMがこれでもかと流れてきます。あの一杯のビールがまるで魔法の飲み物のように見える演出。正直、矛盾を感じざるを得ません。
ちなみに、日本人の約半数はアルコールを分解するための「ALDH2酵素」が欠如しているか、あまり働かないという研究結果もあります。お酒にはあまり強くないのに、飲むことには寛容なこの国の文化、面白いですよね。結果、アル中は少なくても酔っ払いは多い…なんて言われたりもします。
では、他の国々はどうでしょう?例えばフランスやスペイン、ベルギーでは、アルコール広告はほとんど禁止されています。アメリカでも、蒸留酒のCMは完全にアウトですし、ビールのCMでさえ「飲むシーン」は禁止されています。タレント起用も規制されるほどの厳しさです。
さらに、他の国では「一晩に流せるCMの回数が制限されている」や「爽快感を表現するCMの禁止」、「子供番組やゴールデンタイムのアルコールCM禁止」といった規制もあります。そして、日本はどうでしょうか?…無制限です。そう、日本だけがこれだけ自由にアルコールの広告を流しているのです。
昔はタバコのCMも当たり前のように流れていましたが、1998年に規制され、今では見かけません。でも考えてみてください。タバコよりも、飲酒運転やDVのように他人にまで被害を及ぼす可能性が高いアルコールの方が、CMの規制を厳しくすべきじゃないでしょうか?
もちろん、税収の問題もあるので、政治家が本腰を入れるのは期待薄かもしれません。しかし、税金よりも命の方が大切だというのは間違いありません。飲酒運転を減らし、悲惨な事故を防ぐためにも、アルコールの広告にもっと厳しい目を向けるべきだと私は考えます。