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41歳、同棲を始めた女(2):同棲とは現実であるという寂しさと喜び。

同棲を始めて2週間過ぎた頃には、もうふつうにイライラするし、日々を淡々と好きな人と暮らすだけ、になっていた。

結婚は生活だ、みたいなことを聞いたことがあるけれど、本当にそれ。
毎週お泊まりデートをしていたついこの間までのように、もちろんMさんのことは大好き。
それでもやっぱり一緒に暮らすとなると、現実を突き付けられるというのだろうか、明日も仕事だから、とか、洗濯物畳まなきゃ、とか、頭の中がほわほわの恋愛モードだけではいられない瞬間もたくさんあって、超絶恋愛体質なわたしには、ちょっと急に現実すぎて寂しい。
もっと大好き大好きと言い合って、くっついているだけの平日の夜を過ごしたい。

Mさんは経験者だからか?わたしよりずっと落ち着いていて、同棲の本来の状態に早々に馴染んで幸せそうにしている。

夜にどうしてもイライラしてしまうから、3週間目に、夜のタイムスケジュールを変更することにした。

21時にMさんが帰ってきたら、すぐに夜ご飯を食べる。
それまでにわたしは、仕事を終えて、スーパーに行って、夜ご飯を作って、お風呂まで終える。
なかなかハードだ。
でもこれがとっても良かった。
Mさんが寝落ちをすることもなくなったし、Mさんがお風呂に入っている間にわたしも大好きなキッチンリセットができる。
そして、寝るまでの時間に余裕ができて、一緒に物件を見たり、おしゃべりをしたりするようになった。
翌朝もお腹がちゃんと空くようになったから、Mさんもわたしも21時から夜ご飯という新しい習慣をとても気に入って、わたしのイライラもほぼなくなった。

4週目に入った今、概ね順調。

そして、住民票を移した。
初めての経験。
役所に何かの手続きをしに行くなんて、今までのわたしには縁がないことだった。

車でMさんに役所まで連れて行ってもらった。
ただのわたくしごとの用事について来てくれる誰かがいるということが、すごく嬉しかった。

わたしが住民票を移した役所は、どうした?ってくらい職員さんが丁寧に案内をしてくれて、いい街に引っ越したなと思った。
案内されるがまま書類を書き、窓口へ。
「世帯主との続柄」の欄に、まだ「妻」でもないけれど「彼女」と書くわけにもいかんだろうと思って空欄のまま出した。

「結婚はしていなくて、、」と言うわたしに、
「これから結婚、婚約中、ということですよね?」と職員さんが聞く。
婚約してないと他人とは同じ世帯にできないってことなのかなぁという新たな気づきを得ると共に、隣にMさんがいないことをいいことに、
「はい、そうです」
と婚約者になりすました。

15分くらいであっさりと、わたしは新しい街の住人になった。

新しい街の住人になって1時間もしないうちに、わたしはその街の助成を使って、風疹の抗体検査に行った。
Mさんも一緒に検査をした。

未来に向けて一緒に検査を受けることも、手続きのために一緒に出かけることも、デートとは到底かけ離れていてものすごく現実的なこと。
年甲斐もなく恋愛をずっとしていたいわたしにとっては、正直少し心がついていかないところがあるけれど、現実的な「やるべきこと」を一緒にする誰かがいるというのは、もうわたしは1人じゃないんだなということを実感して、これはこれで幸せを感じている。





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ぱいなっぷる子
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