虎に翼125話(一美)
【本当の自分に戻る】
長官室を訪れた 航一
「尊属殺の重罰規定が
違憲かどうか 大法廷で
今一度 判断を迫る時ではないでしょうか?」
桂場「駄目だ!受理はできない。尊属殺を扱うのは
時期尚早だ
わかるだろう」
航一「なるほど
わかりました」
*航一は
桂場が 『時期尚早』と言っている訳を 同じ時代に、同じ空気を吸っている法曹人として "理解は できた" のでしょう
:一美
長官室を出ようとした 航一
だが
引き返す。
桂場「なんだ」
航一「いや、やっぱりわかりません」
*ここからは
周囲 状況ではなく
航一は気持ちをぶつける。
"自分の思い" を出す というのは寅子と出会った航一だからこそできること。
「時期尚早とは
どういうことでしょうか?」
桂場の元に戻ると
調査書類を バンッと
机に叩きつける
桂場は
(航一の予想通りに) 答える
「少年犯罪が急増し
道徳心の欠如や
家庭崩壊が問題になってる今、 君は冷静な議論がされると思うのか?」
航一「法は法。道徳は道徳だ と思いますが」
桂場「机上の空論ではなく
『人は間違える
だから法がある』
だから法について考える際に "万全な時を選ぶ"
尊属殺の規定が違憲であるかどうかを問う裁判をするならば なおさらだ」
航一「反発は来るかもしれない。でも例え どんな結果になろうとも"判決文は💢残る‼︎"
ただ 何もせず
人権蹂躙から目を逸らすことの💢 何が【司法の独立】ですかっ‼︎!」
・・・「…? 星君???」
航一の異変に気づく桂場。
航一「…えっ 」よろける…
「あっ 星君っ!」
…………
駆けつけた寅子の
目に飛び込んできたのは…
桂場の 膝を枕にして
横たわる 航一…
膝枕の男が 二人
寅子「はて…」
桂場「開口一番が それかっ!」
寅子「状況が状況なもので…」
*あははは🤣
寅子「桂場さんが直々に
手当してくださったんですね。ありがとうございます」
桂場「騒ぎになったら面倒だからな。それだけだ」
………
ようやく落ち着きを取り戻した 長官室で…
寅子はタイミングを掴んで
話 始める
寅子「桂場さんは 若き判事たちに取り返しのつかない
大きな傷を残しました。
きっと 一生忘れない
中略
私自身 桂場さんに怒り💢
失望して 傷つきも しました
"私が邪魔でメンドウで、
距離を置きたくても"
司法の独立のために
共に最後まで闘い続けるしかないんですよ」
桂場「なぁにを 君はガキのような青臭いことを」
寅子「ウフッ あらっ
わかります?
実は私、一周回って
心が折れる 前の…
いえ、法律を知った若い頃の『本当の自分』に戻ったようなんです」
*「わかります?
実は私、一周回って」
や、
「法律を知った若い頃の…」
は 桂場に どう届いたのだろう
寅子が 本当の自分を取り戻したことで
ようやく 力み が無くなって
伝わりやすくなりましたよね
:一美
山のような調査書類を持って、長官室を出ようとする
航一に
桂場「置いていけ」
……………………
【 一区切りつく】
・気を取り直したのか?
・辞めて 次に進むことが
はっきりしたのか?
朋一は どっちなんだか…
星家は 明るい。
………
航一「長官の膝の上で
寝かせていただいた時から
心が軽くなった気がします。
"一区切りついた" ような…」
寅子「…区切り」
航一「あの戦争の…でしょうか? いや… でも
そう思っていいのかな?
正直 わかりません」
寅子「じゃあ わかる日が
来るまで 少しずつ、少しずつ 心を軽くしていきましょうよ」
……………………
その後 最高裁は
美位子の事件の上告を受理することを決め、
15人の裁判官による
大法廷が開かれることに
なった。
……………………
家裁で…
音羽「並木さん
どうされましたか?
(寅子に) 並木さんの
おばあさまです」
佐江子「私、森口美佐江の母です
ずっと謝りたいと思っておりました。
あの時は 娘を助けてくださろうとしたのに…」
寅子「あの…今、美佐江さんは…?」
佐江子「美佐江は死にました
美雪が3歳になって直ぐ…
ここに美佐江が最後に残した言葉が…書いてあります」
手にとって読む 寅子
抜粋
『私の中に かろうじて残る
"特別な私" が消えないうちに 消えるしかない。
あの人を拒まなければ
何か 変わったの…?」
あの日
とっさに 美佐江から
優未を庇った。
あと 一歩だったのに…
それなのに…
私のせいで
:一美
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