虎に翼118話(一美)
寅子「ただいまぁ」
星家では 議論の真っ最中
朋一「のどか にはわからないだろうけど この社会に於いて とっても大事な話なんだよ」
優未「社会の話以前に そういう見下しは やめたら…?」
のどか「そうだ そうだ」
寅子「みんな その辺にしておいて… 朋一 社会に於いて大切なお話を 可愛い〜い妹たちに わかりやすくお話してあげて」
朋一「勤務評定に反対した教員たちが『有給休暇を使って "闘争へ参加して欲しい"』と他の教員たちに呼びかけて その行為が違法だ!と起訴された」
のどか「どうしてですか?」
朋一「公務員法で争議行為は禁止されている」
この先は
寅子が 話した
「でも最高裁は無罪判決を出した『教員が争議をする行為は保証されている』って」
朋一「そう。それなのにだよ 同じ日に出た最高裁判決で 仙台の裁判所職員が
日米安保条約の集会を開いたことに対しては
【有罪判決】が確定した」
のどか「えっ」
朋一「おかしいだろ
同じ公務員なのに この差は?」
航一「裁判官は 政治的に
偏ってはいけない。あくまで 法のもとに全ての判断をすべき立場にいるんだよ」
朋一「そうかな?裁判官だって人間だよ。"何も物申してはいけない"なんて おかしいでしょう⁉︎」
寅子「朋一 多くの人は変化を過剰に恐れるものよ。
男女平等に近づいた…と思うと
ぶり返しが来る。
でも…
なかなか変わらなくても
声を上げていくことに
意義がある
私も
あなたも
一歩 一歩ね」
*雨だれ石を穿つ
………………
44年4月
桂場「判事の 皆さんを召集してくれ‼︎」
………
政権与党 民政党が
緊急記者会見を開いた
寒河江幹事長は
裁判制度に関する
調査特別委員会の設置を表明。「最近の判決に偏向がある」として
党として 最高裁判決を調査し、必要であれば『司法人事に意見する』と いうもの
………
桂場「判決に不服があるならば 法の定める手続きによって争えばいい!
人事介入など言語道断だ‼︎
裁判所は憲法に従い不偏不党
中立な立場で司法の独立を厳守する」
航一「裁判官会議での桂場さん 相当な剣幕だったよ」
……………
最高裁判所で…
反町「寒河江先生に代わり
お詫びに参りました。
先生方は心配性なのです
"司法が法のもとに
本当に中立なのか "どうか」
…………
最高裁の異例の抗議に
委員会の設置は棚上げに。
が、
汐見「これで終わりでは
無さそうですね」
桂場「つけ入る隙を与えなければいい だけだ。
裁判官は自らを律し
秩序を保たねばならん」
……………
44年5月
安田講堂事件の逮捕者のうち 20歳以上の学生達の裁判が始まった
のだが…
東京地裁の混乱は
しばらく続いた。
汐見薫は起訴猶予に。
…………
一方
美位子の裁判は
一審で 情状酌量し
刑を免除する判決が…
よね「まだ終わりじゃない
これからだ
検察は必ず控訴する」
:一美