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虎に翼 番外編 7(重遠の孫)

法律の根拠は何処にあるのだろうか?
啓蒙思想?フランス革命?道徳?…
歴史的にどうで有ったにせよ、
生物としての人間の性質に根差さない限り、有効性を持たない。
『虎に翼』のテーマのひとつ「少年法」を考える ご参考に‼︎

近年の脳科学の到達点の一つ、
ロバート・M・サポルスキー著
善と悪の生物学」より。

   ・・・・・

「本章は、青年期に焦点を合わせる。
これまでの章で紹介してきた生物学は、成人と青年では異なる働きをして、異なる行動を生み出すのか?
そのとおり。

本章で最も重要な事実はひとつ。
第5章は成体脳が確定しているという定説をぶちのめした。
本章でカギを握るのは、最後に成熟しきる脳領域は前頭葉であり、完全に線がつながるのは二〇代半ばである、という事実だ。

これにはとても重要な意味合いが二つある。
第一に、成体脳のうち青年期に最も多く形成される部位は前頭葉である。
第二に、前頭葉の成熟の遅れを考慮せずに、青年期については けっして理解できない。
青年期までに辺縁系と自律神経系と内分泌系がフル稼働しているのに、前頭葉はまだ組み立ての説明書に取り組んでいるなら、なぜ青年期の若者は欲求不満で、過剰で、愚かで、衝動的で、刺激的で、破壊的で、自滅的で、無私無欲で、自分勝手で、手に負えなくて、世界を変えるのか、説明がつく。

よく考えてほしい 青年期と成人初期は、殺し、殺され、親元を離れ、芸術形式を創造し、独裁者打倒に貢献し、村の民族浄化を行ない、困窮者に献身し、依存症になり、異なる集団の人と結婚し、物理学を転換させ、おぞましいファッションセンスをもち、全力で楽しみ、神に命をささげ、高齢女性に強盗を働く可能性が高い時期である。
さらには、歴史のすべてが収束する今、この瞬間こそが最も重要で、最も危険と期待をはらみ、自分が関与して変化を起こす必要があるのだと 思い込む傾向が強い時期だ。

要するに、リスクをいとわず、新しいものを求め、仲間と親密になることが最も多くなる時期である。
そしてすべての原因は未熟な前頭葉なのだ
(ロバート・M・サポルスキー著「善と悪の生物学」第6章青年期ー「おれの前頭葉はどこだ?」p.238、239より)

   ・・・・・

まだ広く公認されている訳では無いし、私として確認する手段も持たないが、脳の成長がこのように成っているなら、刑法の成人年齢は、引き上げるのが相応しいのではないだろうか?
         光




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