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『マクベス』 第一幕第一場

時は千年の昔、所はスコットランド。血で血を洗う争いがくりかえされていた頃の物語です。
国王ダンカンに対する内乱が起こり、激戦の末に鎮圧されました。獅子奮迅のはたらきをした将軍マクベスはいま、親友バンクォーともに、荒野に馬を歩ませています。その行く手に、何やら怪しい影が――。

有名な『マクベス』冒頭です。
"Fair is foul, and foul is fair." 翻訳者泣かせのこの呪文、サラはこう訳してみました。
「きれいはきたない」(某既訳)とか、ちょっと赤ちゃんぽいと思うんですよね。
呪文ですから。
意味わからなくても怖いほうがいい。いっそ意味わからないほうがいい。
そう思いませんか?

ぜひ、口に出して、つぶやいてみてください。

このシーンはノーカット。これで全部。
太字はとくに有名または/そしてサラのおすすめ台詞です。

魔女1 いつまた三人、会うのかね?
 雷、稲妻、雨の中?
魔女2 てんやわんやが片づいて、
 いくさに勝負あったとき。
魔女3 ということは日の入り前。
魔女1 所はどこよ?
魔女2      荒野あれのだよ。
魔女3 そこで待つのよ、マクベスを。
魔女1 行くよ、ばば猫。
魔女2           蝦蟇がまだね。
魔女3                     あいよ!
三人 晴れはけがれよ、穢れは晴れよ、
 よどんだ霧に浮いていけ。





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実村 文 (theatre unit sala)
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