うつ病の回復への第一歩:無理せず自分を大切にする方法
うつ病の時にやっていいこと・やってはいけないこと
うつ病を患ったのは、私が30代半ばの頃でした。
仕事が忙しく、気付けば趣味もやる気が起きず、友人との付き合いも減っていきました。
そのうち、朝起きるのも苦痛になり、何をしても楽しいと思えなくなりました。
最終的には、医師から「うつ病」と診断され、治療を始めることになりました。
ここでは、そんな私の経験をもとに、うつ病の時に「やってよかったこと」と「やってはいけなかったこと」についてお話しします。
まず、やってよかったことは、「無理せず、ゆっくり休む」ことです。
診断を受けた後、会社の理解もあり、しばらく休職することができました。
最初の頃は「こんなに休んでいていいのか」と罪悪感を覚えましたが、体が休むことを欲しているのだと感じるようになりました。
布団に横になりながら好きな音楽を聴いたり、何も考えずにぼんやり外を眺めたりしました。
休むことを許したことで、少しずつ気持ちが落ち着き、体力も回復していったのです。
次に、やってよかったのは「小さな楽しみを見つける」ことでした。
うつ病の時期、何をしても心から楽しめない日が続きましたが、無理に大きなことをする必要はないと自分に言い聞かせました。
たとえば、毎朝お気に入りの紅茶をいれること、近所の公園を10分だけ散歩することなど、些細なことでも「これが自分の心を少しでも癒している」と思えた瞬間、少しずつ前向きな気持ちが生まれました。
日常の中に「これならできる」と思える行動を取り入れることが、私には大きな助けとなりました。
一方で、やってはいけなかったこともありました。
まず、「頑張りすぎること」です。
うつ病と診断されても、「この程度で休んでいる場合じゃない」と思い込み、仕事や家事を無理にこなそうとした時期がありました。
しかし、その結果、体はますます疲れ、心もさらに沈んでしまいました。
「何もしない自分はダメだ」と思う気持ちは強かったですが、無理をすることは、ただ自分を追い詰めるだけだと気付きました。
頑張らないこと、そして、自分を責めないことがとても重要でした。
もう一つ、やってはいけなかったのは「周囲の期待に応えようとすること」です。
私の場合、家族や友人に「早く元気になってほしい」と言われることがプレッシャーになりました。
「もっと頑張らないと」「みんなを心配させたくない」と考えてしまい、自分の気持ちよりも他人の期待を優先してしまったのです。
しかし、うつ病は自分のペースで治していくものです。
周りの期待を満たそうとするよりも、自分の心に耳を傾け、自分のペースで回復を目指すことが何よりも大切でした。
うつ病は一人で抱え込まず、必要な助けを借りることが回復の鍵です。
私はカウンセリングを受けたり、気持ちを紙に書き出したりすることで、自分の心を整理していきました。
やっていいことも、やってはいけないことも、うつ病の状態によって違うかもしれません。
でも、「無理せず、少しずつ自分を大切にすること」が、どの状況でも重要だと感じています。
もし同じように苦しい思いを抱えている方がいるなら、自分を責めず、少しでも心が楽になる行動を選んでほしいと思います。