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もっと文庫解説を読みたくて

こんにちは。突然ですが質問です。
文庫版で作品を読み終わると登場する“解説”。
みなさんはいつも読みますか?解説は好きですか?

単行本にはないあの不思議な文化。
以前有川ひろさんの『三匹のおっさん』を拝読した時、巻末の児玉清さんによる愛ある紹介文がとにかく楽しくて、それ以来私にとっては味わいたい好きなページです。

食後のコーヒーのように、作品を味わった余韻のままに素敵な解説に出会うと幸せな気分になることも。今日のnoteはそんな解説にまつわるお話です。


■文庫解説の本みつけた!

そもそも文庫解説っていつも読んでる方とそうでない方がきっといるはず。好みが分かれそうですね。
分かれるのも頷けます。感想は十人十色。自分と合う場合もそうでない場合もあるかもしれません。


時に情熱的すぎて驚くこともあるけれど、時代背景や作者の他の作品について知れたり、ど真ん中の感想を知ることが出来るから最近は好んで読んでいます。

待てよ。ひょっとしたら解説に関する本があるかもしれない。気になりもっと読みたくなった私は早速図書館で解説に関する本を見つけました。

『ひたすら面白い小説が読みたくて』

児玉清/著

愛ある解説が印象的な読書家、児玉清さんの作品集。児玉さんはジャンルを問わず多読。洋書を原文で読まれることもあったようです。この今までの解説が集まった本にも様々な作品が見て取れました。

中でも私の好きな上橋菜穂子さん『神の守り人』和田竜さん『忍びの国』、有川ひろさん『阪急電車』の解説があり楽しく拝読。幸せな文章でした。

「アタックチャンス」という優しい声が印象的でした。他界され はや10年。もうその声を聴けないのは非常に残念ですが、こちらの残された文章を大切に読ませていただきたいと思います。(文庫版あり。)


『文庫解説ワンダーランド』

斎藤美奈子/著

新旧様々な解説をメッタ切りするユニークな試みをする斎藤美奈子さん。夏目漱石に川端康成、太宰治に松本清張まで正直に語られるそのユーモアに吹き出しそうになりながら読了。解説には何科が必要なのか。解説とは読者を興奮と混沌と発見に誘うワンダーランドだったとよくわかる作品です。
解説は読者にとっては一番身近な批評と書かれていて楽しく読ませていただきました。


■私のオススメ解説5選

そもそも文庫本に解説が付けられるようになったのは、昭和22年に新しい装いになった新潮文庫第1冊目に刊行した川端康成『雪国』に、伊藤整の解説を付けたのが始まりとされているとのこと。

このような解説といえば評論家の方の解説がありますね。こちらは背景や情報が盛り込まれ大変勉強になる素晴らしい解説で、なるほど!と詳しく知れてちょっとお得な気分で読んでいます。

今回は、作家や医師など少しそれとは異なる方によって書かれた読んで楽しめたオススメ解説をこの機会にいくつか紹介させていただきます。

『対岸の彼女』角田光代/著→解説 森絵都さん
登場人物に近い視点から書かれた読み応えある解説。
『遠い野ばらの村』安房直子/著→解説 小川糸さん
光村図書教科書採用の「初雪のふる日」を収録。
児童文学の巻末に小川さんの文章が心地よかった。
『きよしこ』重松清/著→解説 あさのあつこさん
“人間の物語だ”というこの解説が忘れられません。
『泣くな研修医』中山裕次郎→解説
市川真(病理医ヤンデル先生)さん ドラマ化。
ヤンデル先生の文章になるほどと膝をうちました。
『そして、バトンは渡された』瀬尾まいこ/著→解説 上白石萌音さん 
2019年本屋大賞受賞作が文庫化。もうすぐ映画化されますね。上白石萌音さんの文章は読み手の気持ちを代弁してくれていました。※

↓※こちらでも読むことが出来ます。


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【解説】とは…ものごとを分析して、理由・意味などを説明すること。その説明。

この解説の意味からもネットが普及する以前は、巻末にはどんな背景でどんな内容かを詳しく説明してくれる文章が求められていたんだと思います。

今は簡単に資料や内容が調べられる時代ゆえに幅が広がり、愛ある説明や感想も目にする機会があるように感じます。そんな文章を見つけたら、どんな内容かワクワクして最後までページをめくっています。


ついに図書館の文庫の棚で片っ端からひたすら解説ばかりめくるという怪しい行動に出た今週。ネタバレしているものもありましたが本文を読みたくなり読むぞリストがぐっと増えました。(解説自体が無いものもいくつかありました。)

単行本が文庫化するニュースを目にしたら、解説は誰?と想像してこれからも楽しみたいと思います。


本と解説との出会いが広まりますように。


お読みいただきありがとうございました。


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