
ドラマ未視聴のわたしが観た劇場版ドクターX
はじめに
きっかけは、娘の推しグループの1人が出演するからある映画を観に一緒に行って欲しいと頼まれたことでした。感動するから少し離れた席に座るようにと思春期らしい一言もそえられたその依頼を引き受け、翌日朝9時からの回のチケットを確保。たまたま水曜日で大人は得したこともあり、にこにことマスクのなかで微笑みながら母であるわたしも予約席についたのでした。
わたしたち親子は、これまでドクターXのドラマシリーズに触れたことがありません。こうして、12年という長きにわたり愛されているこのドラマシリーズのラストに準備する時間もなく急に合流するという、ちょっと変わったカタチに挑戦する運びとなりました。もちろん同世代である主演の米倉涼子さんと名台詞「私、失敗しないので。」は存じ上げていますが、一体どんなファイナルになるのだろうと真っ暗になった映画館でドキドキしながら幕開けの時を迎えました。
ロングヒットドラマシリーズの卒業式
劇中に一番感じたのは、ドラマシリーズならではの温度でした。多くの方がTVの画面でずっとみてきた出演者たちがスクリーンにいる、お馴染みの関係性がある“ホームの安心感”があふれていて名台詞が待ってましたとばかりに飛び出すのを観客も楽しんでいる空気感が伝わってきました。それを証明するかのように席には幅広い年齢層の観客がFINALを見届けにきていました。このドラマの視聴者全部込みでドクターXという作品なのでしょう。12年間大切に作ってきた作品、多くの視聴者にも愛されてきた作品ならではの卒業式のようでした。
大門未知子という存在
一貫してそこにある命を救う外科医としての志をオペでも「私、失敗しないので」という言葉でも伝えてきた大門未知子。彼女の医師としてのプライドが一本筋が通っていて劇場版でも唯一無二のその姿をしっかり知ることができました。観終わっても「ああ努力家であきらめない彼女ならこんなときはこうするだろうなよし頑張ろう」とふと日常で考えるほど心に残る存在となっています。
名優との別れ
蛭間重勝役を演じられた名優西田敏行さん。この役は好きな役ベスト5に入ると話されていたそうです。スクリーンを見れば素敵な姿があり、今だ逝去されたことが信じられないほどでした。台詞一つ一つに現実が重なり、悲しい場面もありましたが、この映画を素晴らしい映画だとおっしゃっていたことを聞き納得しています。命を扱う作品だからこそ今胸に迫るものがありました。
おわりに
笑いあり涙あり心忙しき劇場版ドクターX。こうしてドラマ未視聴のわたしたち親子も観終わってすぐにお互い話したくなるほどたっぷりその世界を楽しませていただきました。突如参加した卒業式でも十分に、辰という干支が一周するくらいの12年間続いたシリーズの凄さを体感しました。この熱量のまま、特別番組や再放送にもぜひふれてみたいです。
医療においては、シリーズ開始のころから今までの時を経て可能になった治療法もきっとあるでしょうし、エンターテイメントの世界ではこんなにも手軽に動画に触れることができることになりました。このように世が変化しても、その真ん中にある変わらないものを最後に映画で見せてもらったように思います。
素晴らしい作品を届けてくださり、ありがとうございました。
▼おすすめ記事です。
この感想が年内最後の週末noteとなります。今年も大変お世話になりました。また来年もどうぞよろしくお願いします。
よいお年をお迎えください。
桜
いいなと思ったら応援しよう!
