ぺトリコールと水風船
今朝の雨の匂いは、なぜだか小さいときにやった水風船の情景を思い起こさせた。
夏の日、雨上がりに、庭先の水道に水を張って、水風船用の丸いポンプに水を含ませながら。
暑くなってきたころに齧ったあんずバーの味まで、なぜだか鮮明に思い出せる。
あれから15年近くの時間が流れた。
一緒に水風船を膨らませていた同級生の彼女は今、幼稚園で子供たちに風船の膨らませ方を教えている。
私と彼女に缶蹴りのルールを教えてくれた2つ上の先輩は、結婚は、結婚して、離婚して、さらに再婚までしたそうだ。
そういえば、缶蹴りしているとよく怒鳴り込んできた斜向かいのおばさんは、今もご健在だろうか。
町内会の人たちから疎まれていた隣のアパートのヤンキーは、まだあそこに住んでいるのだろうか。
自分が年齢を重ねることよりも、こうして人を介して感じる変化のほうが、よほど時の流れを強く感じる。
"小5から変わらないよ"と言われる童顔のせいもあるかもしれないけれど、自分が一番自分と対峙しているからか、小学生の頃から背丈以外に大した変化も成長もないように思える。
あっ、小学5年のときの担任の先生に連絡しようと思ってたんだった。
今日はなんだか色んなことを思い出す。
そんなことを考えていたら、最寄り駅に着いてしまった。
歩いて歪んだブラウスの襟元を整えたら、メールチェックとスケジュール確認をしよう。ホームルームでの伝達事項もドキュメントにまとめておかないとだなぁ。