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「またいつか」から40年 山梨昇仙峡

高校の部活動、バドミントンの関東大会で訪れた昇仙峡、沢と奇岩が面白く、いつかゆっくり散策しに来よう!と思った。
高校の名前が背中に大きく入ったユニフォームで歩いた昇仙峡は、高校生の女の子にとっては恥ずかしくて、実はあまり印象に残っていない。
ただ、またいつか来ようと思った事だけは覚えている。



その昇仙峡に、紅葉も期待して11月の半ばに行ってきた。

甲斐市ホームページより 赤い道を歩きます。

御岳古道を歩くトレッキングコースがある!よし、ここを歩いて下山しながら、昇仙峡の渓谷美を楽しもう!

昇仙峡口でバスを降りると、古道へ向かう人が意外と沢山いる、その方達の後を追って、野生動物除けの柵を通って登山道(古道)へ入る。

登山口

良い天気だ。所々で紅葉した木々に出会う。



3つ辻に到着すると、初老の男性グループが休憩中だった。

「この先から、ちょっと分かりにくいから気をつけて」

と、見送ってもらい、お先に歩かせて頂く。緩やかな山の斜面には、何の木だろう?落葉紅葉樹がすでに葉を落として立ち並び、登山道を分かりにくくしている。その後も倒木をくぐったり、またいだりしながら登っていく。

どこが登山道ですか?



「今なら、富士山の景観独り占めだよ」

太刀の抜岩方面から降りてきた男性が、きれいだったよ、と教えてくれる。



今日のゴールにしても良いくらいの景観が待っていた。
丸みを帯びた白い花崗岩の向こうに黒々した太刀の石が天を付くように立つ、その向こうには富士山。

歌川広重が浮世絵に書いた、太刀の抜き岩



コーヒーを入れてゆっくりしたかったが、ゴールはまだまだ先。

次に待っていたのは「白砂利」という白い砂浜。その向こうには南アルプスが見える。明るく開けたきれいな山頂だ。ここでもゆっくりコーヒー飲みたい。

「あれは鳳凰三山、オベリスクもよく見えるね。」

と、南アルプスも歩いた事があるらしいグループの方々が話しているが、私はどれが鳳凰三山かわからない。
鳳凰三山いつか歩いてみたい。

気持ちいい白砂の斜面
うーん、どれが鳳凰三山?



さぁ、今日のもう一つの見所、「白岩山」に向けて歩こう。落ち葉をサクサク踏みしめながら歩く。木々の間から漏れる日の光もきれい、気持ちいい森の中だ。しばらく歩くと右上に登る分岐がある。小さな案内に沿って歩く事10分程で、白い岩肌の白岩山に到着だ。



青い空に白い岩が際立ち、なんとも不思議な景色が広がる。
登ってきた人だけが見ること、感じることが出来る世界。気持ちいい。

雨に削られつるんと丸くなった花崗岩をいくつか乗り越えて、山頂標識が立つところに来ると、断崖絶壁の向こう側に、今日のメインの山、弥三郎岳が見える。やはり丸い花崗岩の山頂だ。小さく人が見える。

白岩山山頂
弥三郎岳、人が見えますか?



この白い花崗岩の上でランチを、と思ったが、向こう側に見える今日の本命は、一度下って登り返す。昇仙峡の渓谷美も待っている。おやつにと思って持ってきたパンをかじり、地中海に浮かぶ白い島の様な景色を楽しみ、次へと急ぐ。

更に登って行くと、ロープウェイ山頂駅でもあるパノラマ台(展望台)に到着だ。今までの山道と違って、ここは観光地だ。若いカップルや犬を連れた家族連れ、たくさんの人で溢れている。

紅葉がきれいだ



人混みを抜けて、
"ここからは登山道、登山道装備がないと通れません"
と標識のある向こうへと歩く。石を切った階段や鎖場を歩いて到着したのは、さっきの白岩山から眺めた白く丸い花崗岩の山頂、弥三郎岳だ。
富士山は生憎雲に覆われてしまって見えないが、白い丸っこい岩にペタンと座って眺める景色は何とも言えない。
太陽に照らされた向こう側の山の斜面の紅葉もきれいだ。

丸い花崗岩の山頂



標識は1058mと高くはないが、見どころがたくさんある楽しい山歩きだった。山頂から少し降ったベンチで遅めのランチを食べた。

予定では、この先の金桜神社へ参拝して昇仙峡を見学しながら下山する予定だったが、見どころが多くて思いのほか時間がかかった。
今日のところは、ロープウェイで下山して、昇仙峡を見学する事にした。


40年前の昇仙峡は夏だった。緑深く涼しかった。そんな事を思いながら、仙娥滝や覚円峰、石門を楽しみながら歩く。動物の形をした、キノコの様な石、楽しい。

仙娥滝
覚円峰
覚円峰
石門



金桜神社の奥宮は、金峰山の山頂にあると言う。この昇仙峡と御岳古道は、金桜神社と奥宮へ続く修験道だったそうだ。

「またいつか、いつか、いつか、」

いつかと思っていて40年も経ってしまっていた。勿体無い事をした。こんなに見所があって、楽しいところとは思わなかった。

春にまた金桜神社を訪ねて、金峰山の奥宮へ参拝しに行こう!


そうそう、
地図を買って、指で何度も辿っている「鳳凰三山」ここもいつかと言ってないで、日にちを決めよう!

「いつか、いつか」

と言ってると、40年も50年も経っちゃって、あの世に行ってしまいますからね。

昇仙峡は水晶がたくさん採れたそうだ。
オットセイ
うーん、クジラに見えなくもない
キノコかなぁ?カメみたい
猫岩だって?右側が顔で、下の獲物を狙ってる

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