3泊4日、北アルプス大冒険(薬師岳〜五色ヶ原)2日目
寝床が一緒だった女性1人は、
「歩くのが遅いから、」と言って、朝5時に薬師岳へ向けて、出発して行った。
私達は5時の朝食を食べてから、5時半にそれぞれの目的地へ向けて出発する。(私と一人は薬師岳、もうお一人は、雲ノ平)
空気が澄んで気持ちいい。
良いお天気だ、1つ心配なのは、明日明後日の天気があまり良くないこと。
山小屋の食堂前には、無線連絡で受け取った天気予報が書かれていて、両日共、「曇りのち雨」
今日は天気がいいけど、
明日明後日もアップダウンの激しい道を歩くのに、雨だったらどうしよう?
不安があるところに、同じコースを歩くと言っていた男性が、(この男性は行きのバスが一緒だった)
「次の山小屋へは行かないで、薬師岳だけにしようと思う。」
と言う。
えー、私はどうしよう?不安になってきて、今日の歩きに集中出来ない。
「ええーい、今日は天気がいい、とりあえず、次の山小屋まで行ってから考えよう、天気が変わるかもしれないし。」
そうと決まれば、
気持ちも今に戻ってきた。気をつけて、楽しもう。
太郎平小屋から続く木道からは、朝日を背に受けた薬師岳が、私を圧倒する。
キャンプ場がある薬師峠から、沢の横の急登を行く。汗が吹き出し、筋肉痛の太ももに、さらに負荷がかかる。
筋肉が育ってるなー、そんな感じだ。
登りきると、広く開けた薬師平だ。
遠くなった太郎平小屋に、去年歩いた黒部五郎岳までの稜線が、きれいに見える。あー、気持ちいい。
「あー、去年はここを歩いたんだ。」
こちら側から見る黒部五郎岳の方がカッコいい。槍岳も見え隠れしている。
この後しばらくざれた斜面を登り、
薬師小屋を過ぎると、薬師岳山頂だ。
登る斜面の右側はカールになっていて、うっすらと雪渓を抱えている。
そして、祠がある山頂へ。
山頂では沢山の人が、景色を眺め休憩している。
360度見渡せる山頂では、槍岳、富士山、立山、奥に剱岳、白馬岳まで見える。(すべてが山座同定出来なくて残念)
本当に天気が良くて良かった、きれいで素晴らしい。百名山に囲まれてるー。
5時に出発した彼女が、山頂にいて写真を撮ってくれる。
そして、五色ヶ原から歩いてきたと言う女性を、私に紹介してくれる。
これから五色ヶ原に向かう私に、その彼女は、
「大冒険のコースだよ、楽しんで!」
と言う。危ないところは特別無いらしい。(注、参照)
「強いて言うならザラ峠かな?降っても登っても嫌な道、根性だね!」
そうだ!大冒険だ、大冒険を楽しみに、今回私はこのコースを選んだんだ。
「根性ですね!楽しんで来ます、ありがとう。」
寝床が一緒だった彼女は、ここで終わり下山して、帰路に着くと言う。
「また何処かで会いましょうね、気をつけて。」
素敵な出会いだった。
車で何処へでも(北海道も)行ってしまう彼女、また何処かで会いたいって言うか、会うような気がする。
さて、休憩したら、次の山、北薬師岳へ向かう。
北薬師岳を越えると、
痩せ尾根を歩くが、ここが大きな岩がゴロゴロした道で、歩きにくくて苦手な道だ。
おっかなびっくりゴロゴロ岩を越えると、お花畑が広がる緩やかな道になった。
わー、わー、きれい、きれい。
写真を撮り、花を愛でて歩く。
次の山まで、雪渓の横を歩いたり、
石がガラガラしている道を登ったり、
間山はなだらかな山頂で展望が抜群だ。ザックを下ろし、栄養補給の休憩をとる。歩いてきた北薬師岳を振り返る。美しい。
お花畑が終わり、ザラザラのざれた斜面を下ると、ポンと今日の山小屋「スゴ乗越小屋」に到着した。
注
今回の薬師岳〜スゴ乗越小屋〜五色ヶ原のコースは、「山と高原」地図では上級者向けのコースとなっています。
上級者向けのコースの中では、危ない箇所は少ない、という事です。
因みに、太郎平小屋で登山届を提出したら、「安全なところはないコース」と言っています。
ご自身の体力と力量、技術など、
北アルプスで充分に経験を積んでから、挑戦してください。