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19世紀ピアニズム〜音のドキュメンタリー「レシェティツキの弟子たち第1集」Pupils of Leschetizky Vol.1 (pianists born from 1830 to 1875)
Fragments of History ~
ピアニストの黄金時代を担った「レシェティツキの弟子たち」 (1)
世界最古のピアノ演奏はブラームスが1888年に残したロウ管録音であり、残念ながらショパンやリストのピアノ演奏を聴くことは叶わない。
しかし、彼らの実演を知る音楽家や、その時代の空気を、古いレコードの演奏を通して辿ることは可能である。
それは、恐竜の骨や古代の遺跡を発掘する作業と同様に魅惑的な刺激に満ちている。
音楽史上、最も偉大なピアノ教師であったテオドール・レシェティツキは、フランツ・リストと共に19世紀ロマン派の「ピアニスト黄金時代」を創った立役者であった。ショパンと同郷のポーランドに生まれ、ベートーヴェンの弟子であるカール・ツェルニーに教えを受け、コンサートピアニストとして名を成し、ウィーンで世界中から押しかけた才能あるピアニストたちに門を開いた。その教授法は、晩年にレシェティツキ自身が語っているように「レシェティツキ・メソッドとはメソッドを持たないこと」であり、個々の弟子たちの才能に合わせてその魅力を最大限に引き出すことであった。これはリストと最も異なった点であり、多種多様なピアニストたちを育てた秘訣でもあった。
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