雑菌まみれの布巾から、選挙を考える。
私は現在、年齢も職業もバラバラな5名の方とシェアハウスをしている。
まだ暮らし始めて1週間だけれど、とても興味深い出来事があったのでシェアをしてみようと思う。
シェアハウスを選んだ経緯もあれこれ、自分のこだわりがあるので、それはまた別の機会に共有しますね。
洗い終わったお皿をどうするか問題
唸るような猛暑が続く6月30日。
みんなが心地よく暮らせるように、シェアハウスの不定期住民会が開かれた。
生活の中で気になることや疑問に思っていることを共有し合って、一緒によりよく暮らせるためにはどうしたらいいんだろうかと、22:30から24:30の2時間、5人でとことん話し合った。
メイン議題の一つに【洗い終わったお皿をどう扱うか問題】があり、30分ほどの議論をした。今まで、1つの家事についてここまで真剣に考えたことがなかったので、私にとっては終始、おもしろい時間だった。
Aさん‐Eさん それぞれの意見
飲食の仕事をしているAさんが「夏場の布巾は雑菌だらけだから、それで洗い終わったお皿を拭くのは雑菌をまき散らしている気がして、非常に抵抗がある。どうにかできないか」と議題を提案してくれた。
その後もたくさん話し合って、繰り返し使える布キッチンペーパーを使って、その都度洗うことで着地した。
全員が納得する結論を出すのは簡単じゃない。
AさんとBさんの意見の共通項は何か、どこまで妥協できるか、
少しでもみんなで前進する選択肢は何か。一緒に考える。
自分の気持ちにも素直になるし、他者の気持ちも思いやりたい。
同じ意見のAさんとEさんでも気になる度合いや納得できる解決策は変わってくる。
5人それぞれが大事にしたいものや優先したいことは異なるし、
それでも、相手の大事にしたいことを壊さずに、自分の大事なことを守るにはどうしたらいいんだろうって。
考え尽くしたこの2時間は私にとって、
他者と生きることを考えさせられる時間となった。
この5人の話し合いのスケールを大きくしたものが、政治なんだろうな。
国民それぞれの立場があって、
全員にとって良いものを決めることは難しくて、
それでも、自分はどうしたいのか一旦テーブルの上に意見を出すことが
みんなでよりよく暮らせる第一歩なのは変わらない。
選挙に行かないということは、
この5人と一緒にテーブルにいたときに何も話さないで
黙っていることだと想定すると、自分も相手も困ると思うんだ。
投票しても何も変わらないかもしれない。
自分の意見が通らないかもしれない。
でも、共に暮らすこと、共に生きることってこういうことだと思う。
5人で対話できたことが私にとって幸せだったように、
この夏、
日本にいる一人ひとりと選挙を通して、もっと対話できるといいな。