水無瀬神宮の灯心亭(三畳台目)

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「燈心亭(とうしんてい)」

水無瀬神宮は大阪府の北東、京都府との境に近い三島郡にあります。

燈心亭は水無瀬家に伝来する茶室で、後鳥羽上皇に思慕を寄せていた御水尾上皇(1596〜1680年)から下賜されたと伝えられます(諸説あり)。

寄棟造茅葺屋根の田舎屋風なたたずまいで、内部は茶室と水屋から成ります。

茶室は三畳台目で、正面には床と違棚。床は蹴込床(けこみどこ)で奥行きは浅く押板風、違棚の三方の壁は白張付です。

正面に床と棚を並べるのは書院造座敷の主室における座敷飾りの定型であり、床脇の中敷居窓を付書院とみ、給仕口は帳台構えとみることができます。

つまり、書院におけるすべての座敷飾りが組み込まれているのです。

天井は草木を張り詰めて草庵風な雰囲気を示しているが格天井であり、張付壁をもつこの茶室は書院造の格調を保つ。

点前座は織部や遠州の好んだ客座中央に配置された形式。客座との間を無目敷居で一線を画されている。真っすぐな中柱に袖壁。

茶の湯の精神性を追求した意匠とは異なり、貴族好みの遊びが随所に見られる茶室です。

重要文化財に指定されており、現存します。

(国宝・重文の茶室をまとめています↓)

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