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リーディング小説「美しい子宮~寧々ね~」第二十八話 まちがった愛で男を包んだ女と、偽物の愛で男を抱いた女

リーディング小説「美しい子宮~寧々ね~」第二十八話 まちがった愛で男を包んだ女と、偽物の愛で男を抱いた女

まちがった愛で男を包んだ女と、偽物の愛で男を抱いた女

慶長十九年八月、その事件は起こりました。事の発端は、秀頼様が秀吉の十七回忌に向け、京都の方広寺で大仏の開眼供養をする準備をしていた時のことでございます。
徳川様は方広寺の梵鐘に「国家安康」と記されているのを見て、因縁をつけたのです。
「これは家康の名前を分割したもので、豊臣は徳川家康の死を願っている」

秀頼様と茶々様、そして秀頼の妻である千

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リーディング小説「美しい子宮~寧々ね~」第二十七話 お金の問題の根っこには、愛がしっかり絡みついている

リーディング小説「美しい子宮~寧々ね~」第二十七話 お金の問題の根っこには、愛がしっかり絡みついている

お金の問題の根っこには、愛がしっかり絡みついている

わたしは自分のまちがいに気づきながら、ずっと目をそらしていました。聖母になるフリをし、自分の罪を見ないふりをしていたのです。
人は、まちがいを犯しやすい生き物
確かにそうです。
わたしもその一人です。
逃げ続けていたのです。

わたしが犯したまちがいは、自分に向き合わなかったこと。

自分に向き合うことを避け、秀吉と正面から向き合うことを避けま

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リーディング小説「美しい子宮~寧々ね~」第二十六話 人はまちがいを犯す生き物

リーディング小説「美しい子宮~寧々ね~」第二十六話 人はまちがいを犯す生き物

人はまちがいを犯す生き物

秀吉はわたしを残し、この世を去ってしまいました。
わたしの心も体も、しばらくその事実を受け入れられませんでした。
目が覚めると、彼が毎朝飲むお茶を用意しなくては、と立ち上がり、ああ、秀吉はもういなかった、とへなへなとその場に座り込み呆然とするのでした。

この時、初めて茶々様が鶴丸様を亡くした気持ちがよくわかりました。
あの方も同じような喪失感を持ち、奈落の底に落ちたの

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リーディング小説「美しい子宮~寧々ね~」第二十五話 「愛」には、いろんなカタチがある

リーディング小説「美しい子宮~寧々ね~」第二十五話 「愛」には、いろんなカタチがある

「愛」には、いろんなカタチがある

茶々様と秀頼様がわたしと秀吉のいる伏見城で、一緒に暮らす生活が始まりました。
秀吉はわたしに遠慮せず申し訳ながる風もなく、堂々と茶々様や秀頼様のところに渡ります。わたしは一人残され、心に冬の冷たい風が吹くのを感じます。そんな時はいつも「家族三人」という言葉が浮かびます。
わたしだけ、蚊帳の外です。
母は息子の家族に入ってはいけないのでしょうか?

やがて昼間だけ

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リーディング小説「美しい子宮~寧々ね~」第二十四話 その思い込みが、あなたを不幸にする

リーディング小説「美しい子宮~寧々ね~」第二十四話 その思い込みが、あなたを不幸にする

その思い込みが、あなたを不幸にする

秀吉が茶々様と生まれたお子に対面する日が、近づいてきました。
秀吉は落ち着きなくうろうろしたり不機嫌になったり、と心なしか緊張しているようでした。
けれどそばにいるわたしには、待ちに待ったお子との対面を待ちきれず、こらえきれない喜びに溢れているように見えました。
わたしに気を遣い、堂々と喜びを表せない秀吉が可愛いような気の毒なようでした。わたしは敢えて何も言葉

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リーディング小説「美しい子宮~寧々ね~」第二十三話 幸せも不幸も伝染する

リーディング小説「美しい子宮~寧々ね~」第二十三話 幸せも不幸も伝染する

幸せも不幸も伝染する

震えが止まりませんでした。あまりにもブルブル震えるので、両手で自分の体を抱きしめ、震えを止めようとしたほどです。
こんなはずでは、ありませんでした。
わたし達の人生は、こんな風にいくつもの「こんなはずでは、なかったのに」が積み重なり、今になっているのかもしれません。

こんなはずではなかった・・・・・・苦さを噛みしめながら、まだ震えの止まらない手で筆を取り、秀吉に手紙を書き

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リーディング小説「美しい子宮~寧々ね~」第二十二話 人を呪わば、穴二つ

リーディング小説「美しい子宮~寧々ね~」第二十二話 人を呪わば、穴二つ

人を呪わば、穴二つ

秀次が関白になったことで、茶々様の中に危機感が生まれたのでしょう。
茶々様が秀次に秋波を送るのを見て、秀吉は男として奮起したようです。
また頻繁に茶々様のところに、通い始めました。
それこそが、まさに茶々様の思うツボだったのですけどね。
どうして男には、わからないのでしょう?
同じ同性である女には、女のやり口が見ていてよくわかります。

いますでしょう?
同性に好かれない女。

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リーディング小説「美しい子宮~寧々ね~」第二十一話 あなたはまだ、あきらめていない

リーディング小説「美しい子宮~寧々ね~」第二十一話 あなたはまだ、あきらめていない

あなたはまだ、あきらめていない


天正十九年は秀吉にとって、鶴丸様以外にも大切な人達を失った辛い一年でした。
この年の一月、相談相手であり唯一彼に進言できた、弟の秀長が死去しました。彼の死は、わたしにとっても大きなショックでした。
二月は、相談役でもあった茶人千利休を切腹させました。わたしも千利休とは面識があり、何度も秀吉に彼の切腹を止めるように言いましたが、彼は頑として耳を傾けませんでした。

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リーディング小説「美しい子宮~寧々ね~」第二十話 子どもを産んだくらいで偉そうにしないで

リーディング小説「美しい子宮~寧々ね~」第二十話 子どもを産んだくらいで偉そうにしないで

子どもを産んだくらいで偉そうにしないで

茶々様の城に戻った鶴丸様の熱はなかなか下がらず、ずっと寝込んでいます。犬猫もそうですが幼い時は男の方が弱い、と言いますね。まさにその通りですね。鶴丸様は豊臣の後を継ぐ大切なお子ですから、心配です。
鶴丸様に何かあれば、秀吉は半狂乱になるでしょう。
そんな秀吉は見たくありません。そのためにも鶴丸様に早く良くなってもらわねば、とわたしは固く目を閉じ、祈り続けま

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リーディング小説「美しい子宮~寧々ね~」第十五話 これが欲しいものを受け取る方法

リーディング小説「美しい子宮~寧々ね~」第十五話 これが欲しいものを受け取る方法

これが欲しいものを受け取る方法

天正十四年九月、秀吉は天皇から豊臣の姓をたまわりました。
十二月には太政大臣となり、ここに豊臣政権が誕生いたしました。
大阪城を居城にした秀吉は、この日本国で最大の権力者となったのです。
妻のわたしは、女性の最高位である「北政所」の称号を与えられました。
わたし達夫婦は、天下人になりました。

が、天下人の秀吉にも、まだ手に入れられないものがありました。
茶々様で

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リーディング小説「美しい子宮~寧々ね~」第十話 わたしにだけ、勃たない?

リーディング小説「美しい子宮~寧々ね~」第十話 わたしにだけ、勃たない?

わたしにだけ、勃たない?

この頃秀吉は、これまではひっそり恐るおそる出していた闇の顔を、わたしに対しても堂々と出し始めました。
清州会議が終わった夜、二人きりの閨で正座した秀吉が突然言いました。

「寧々、わしは側室を持つ」
「えっ?」

わたしは面食らい、身を乗り出しました。それは相談でもなく、決定事項の報告でした。
「明智に味方した若狭の守護大名の武田元明の妻子を捕えた。
妻の京極龍子が、子

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リーディング小説「美しい子宮~寧々ね~」第九話 光があるから闇は黒く、闇があるから光は白く輝く

リーディング小説「美しい子宮~寧々ね~」第九話 光があるから闇は黒く、闇があるから光は白く輝く

光があるから闇は黒く、闇があるから光は白く輝く

秀吉は三法師様を連れ、清州へと向かいました。彼らを見送ったわたしも胸がドキドキいたしました。
清州でわたしの仕掛けた爆弾も、威力を発揮するでしょう。
あのお方はきっと、わたしの爆弾を受け取るに違いありません。確信はありませんが、そう思いました。
わたしの爆弾は、とても危険です。
ともすると、秀吉を危機に陥れるかもしれません。
それでも、この時こうし

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リーディング小説「美しい子宮~寧々ね~」第八話 それがわたしの闇

リーディング小説「美しい子宮~寧々ね~」第八話 それがわたしの闇

それがわたしの闇 

その事件が起こった時、秀吉は備中高松で毛利と戦っておりました。
そこで信長様が明智光秀に本能寺で討たれたことを知ったのです。
秀吉はすぐさま毛利と和睦を結び兵を引き連れ、瞬く間に京に戻ってまいりました。
その速さはすざましく、後にそれは「中国大返し」と呼ばれるようになりました。
京に戻る秀吉の胸の内は、十七才から仕え父のごとく慕っていた信長様を失った悲しみと、明智に対する怒り

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リーディング小説「美しい子宮~寧々ね~」第七話 女には女でしかできぬ戦がある

リーディング小説「美しい子宮~寧々ね~」第七話 女には女でしかできぬ戦がある

女には女でしかできぬ戦がある

愛する我が子を失った秀吉は、戦への気持ちを駆り立てられました。
信長様の命で毛利氏の支配する中国攻めを申し付けられ、播磨、丹波を押さえ着々と勝利しました。
毛利氏との戦いに向け、秀吉優位で進んでいましたが、内部分裂により中国攻めは一時中断することになりました。
そしてこの時、秀吉は信長様から信長様のお子様を養子としてもらい受けることになったのです。

実はこの話し、

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