生きるヒントをくれる本
「思考のコンパス ノーマルなき世界を生きるヒント 」(PHPビジネス新書) 山口周 著
■本書を読んだ理由
山口周氏の著作をご紹介します(第3弾)。
新型コロナウイルスによる社会の変化を受けて、思考のコンパスを模索する本です。
私も例外なく、コロナ禍で生活に変化があったので、山口氏がどのような分析をしているのか、興味が湧きました。
本書は山口氏が各分野で活躍されている方々と対談した内容をまとめたものです。
※Business Insiderで連載されていたようです。
対談形式でお一人一章でまとまっているため、とても読みやすいです。
■心に残ったポイント
・「教養がある」というのは、複雑で曖昧な状況において、その人らしい決断ができることをいう。
・本を書く人、ある種の概念を語る人はグル化しやすい(ビジネスサロン等)。グルがいうことは全部正しいと思考停止になってしまうのは危険。ブッタは「私じゃなくて、私が教えたことを大事にしなさい」(法灯明、自灯明)と諭している。偶像崇拝により本質が変わってしまう。
・個人が機能するには、身体的情報と頭の中の概念的なもののバランスと取らなければならないが、東京はそのバランスが頭のほうに偏っている。
・やりたいことが見つからない人にアドバイスするとしたら、カオスな環境に身を置くべき。馴染みのない存在に出会う機会を作り続けることで、結果的にやりたいことに巡り合える。
・カオスな環境(想像可能性が低いところ)に身を置いたほうが自分の課題は見つかりやすい。
・情熱があるから行動できるのではなく、行動することで情熱が湧いてくる。面倒な時ほど、あれこれ考えずに、さっさと始めてしまえばいい。
・取り巻く環境が不確実で曖昧さを増しているからこそ、原理原則に沿って考えることが必要。生命科学の知見を学ぶことを通じて、そうした思考が可能になる。
・労働時間が減り、自由と閑暇を有意義に使うには、社会に蓄積された文化資本の多寡が問われる。会社という存在によってゲームのような楽しさを見出している面もある。
■今後に生かすこと
子どもを出産してから「これからどうやって生きていったらいいのか?」という不安感があるため、ロールモデルを求める気持ちが以前より強くなった気がします。
ロールモデルを崇拝してしまう危険性が指摘されており、私もその一人になる可能性があると自覚しました。
また、在宅勤務により上司や同僚とのやり取りがテキストやWeb会議中心なので、バーチャルな感覚しかなく、会社の人との距離感の取り方が分からなくなりました。
身体を通じて人の存在を感じることは、もしかしたら人間の本能的な部分で必要不可欠な要素なのかもしれないという考えているため、生命科学に関する本を読んでみたいと思いました。
最後までお読みいただき、ありがとうございました!
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