COTEN RADIO 民主主義の歴史編1
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民主主義の歴史編、第1話の概要を記載します。
(間違いがあったらすみません)
セクションタイトルに時間指定リンクを貼っておりますので、学び直しにご活用ください。
民主主義のイメージ
04:05 - 人によって異なる民主主義のイメージ
人によって民主主義のイメージは異なる。
有権者の意識、議会制度や選挙制度、ロック、ルソー、モンテスキュー、フランス革命、多数決、デモなど。
連想するものに温度差やグラデーションがある。
06:02 - 辞書的な定義
辞書には、そのように書かれている。
人民とは?権力はどのように使われるのか?
人民が自分自信を統治するとは?
このようなことが過去の政治思想化によって理論化された歴史がある。
07:05 - 国によって異なる民主主義の質感
アメリカ、イギリス、日本とで民主主義の質感は異なる。
定義を巡って様々な議論がある。
どのような方向性から見てもアンチテーゼが生じる。
08:39 - どっぷり浸かっているのによくわからないもの
複雑なものであるがゆえに、歴史から学ぶことに意義がある。
足場が必要。
民主主義は、どっぷり浸かっているにも関わらず、皆が説明できないものとなっている。
その意味で、社会的な立場は、資本主義と似ている。
民主主義のルーツや、どういうものか、どうゆうものではないのか、といったことも触れていく。
民主主義ではないものが何かということも分かっていく。
民主主義の危機の指摘
09:40 - ポピュリズム
ここ数年、衆愚政治という意味あいで、ポピュリズムの問題が指摘されている。
イギリスのブレグジット(EU脱退)は、事実かどうか定かではないが、虚偽の情報に踊らされたという言説がある。
アメリカのトランプ大統領の当選においては、対抗馬に対するフェイクニュース、メキシコ移民、メディアへの批判、アメリカ第一主義などが話題になった。
これらの現象は大衆迎合的、煽動的、衆愚的であって、ポピュリズムであり、民主主義がまともに機能していないのではないかという指摘がある。
14:06 - 独裁的な指導者の台頭
アメリカのトランプ大統領、ロシアのプーチン大統領などが独裁的と言われている。
ポピュリズムの流れで、このようなタイプの指導者が世界的に増えている。
指導力がある、すべてを自分で決めて引っ張っていく人が選出されている。
彼らは攻撃的であり排他的であること。
そこからヒトラーを想起させ、危険ではないのかという意見がある。
一方、中国がコロナ時に強烈なロックダウンを実施していたこと等、危機の状況においては民主主義よりも独裁政であれば意思決定と実行が早いという意見もある。
16:42 - 民主化の流れに対する疑念と歴史
世界の中では、民主主義国家とそれ以外の体制の国家とでは、民主主義国家の方が数が少ない。
かつては、欧米を中心に、民主主義的ではない国はいずれ民主化するであろうと考えられていた。
しかし、先程あげた現象を元に、本当に世界は民主化していくのか、強い指導者に引っ張ってもらったほうが良いのでは、といった意見が出ているのが今。
このような時代であるからこそ、民主主義の話には意義がある。
そして、このような民主主義に対する懐疑や疑問は、現代に関わらず、古代から何度も繰り返し出てきている。
19:05 - 民主主義をどのように捉えるか
民主主義を例えば、意思決定プロセスと捉えるか、マネージメントシステムと捉えるか、多数決として捉えるか等、今回のシリーズを通してブラッシュアップされると思う。
しかし、その正体が何なのかを語るのは難しい。
なお、多数決ではないことは確か。
民主主義の誕生
深井さん「我々はコテンラジオですので、民主主義の誕生からいきますよ」
樋口さん「長なるぞー」
20:04 - デモクラシー(民主主義)という言葉の誕生
古代ギリシアの「デモクラティア」という言葉を語源として「デモクラシー」という言葉が作られた。
デモクラティアは以下の言葉の掛け合わせで、人々の力・支配という意味。
デーモス:人民や民衆
クラトス:力や支配
ただし、民主主義の起源は古代ギリシアではない。
21:20 - 古代の民主主義の始まりや合議制
政治学者ジョン・キーンの調査によると、古代の民主主義はメソポタミアの古代文明のバビロニアやアッシリアが起源で、フェニキアを通じて古代ギリシアに伝わったとされている。
北米の先住民族のイロコイ族は、自治の伝統を持っており、諸部族が連邦を形成していた。
最終的な物事の決定は会議で行われていて、若者から老人まで平等な発言権を持っていたという記録がある。
誰が一番最初に平等な合議制をしていたのかが判明していないほど古くからある。
議論によって合意を生み出し、その合意に人々が自発的に服従するという規範を共有していく実践レベルでは、様々な地域で古くから行われていた。
それが法的な拘束力を持ち、定期的にルールの中で運用されているレベルに達したのは古代ギリシアの頃から。
古代ペルシア帝国
23:25 - マネジメントスタイルに関する議論
約2600年前、古代ペルシア帝国におけるダレイオス一世が、民主政、寡頭政、独裁政のマネジメントスタイルに対して議論しているという記録がある。
(ヘロドトスによって記述された、紀元前522年に発生した偽スメルディスの反乱後の議論。)
重要人物7名が集まり、主に以下の3名で議論をしている。
ダレイオス
オクタネス
メガビュゾス
一つ前の王、カンビュセス王は、暴虐の限りを尽くしたとされている。
24:40 - オクタネスの意見:民主政
カンビュセス王の暴虐を見る通り、なんの責任を負うことも無く、思いのままに振る舞うことのできる独裁政が、どうして秩序ある国政たりうるか。
この世で最も優れた人物ですら、独裁政においては、君主の地位に座れば傲慢の心が生じる。
人間の生まれ持った嫉妬心もあいまり、独裁者はあらゆる悪徳を身に備えてしまう。
それに対して大衆による統治は、万民同権という名目があり、独裁者が行う問題は生じない。
役人は抽選によって行い、職務にあたってもらうのが良いだろう。
あらゆる国論は、公論によって決せられる。
独裁を廃して、大衆の主権を確立するべき。
26:33 - メガビュゾスの意見:寡頭政
独裁制を廃するのは同意見だが、主権を民衆に委ねるのは最善とは言えない。
独裁を避けるために、凶暴な民衆の手に主権を渡すのは耐えられるものではない。
政治を行う場合、それを行う所以を知ったうえで実施するべきだが、民衆はなぜそれをやるのかの自覚がないのだ。
何が正当であるかを教わることもなく、悟る能力も無い者が、国に大事を決めるのは危険である。
奔流する川のように、ただがむしゃらに国事を推し進めるばかりとなる。
それよりも、最も優れた人材を選出し、彼らに主権を付与した方が良い。
最も優れた政策が、最も優れた人間によって行われるのが当然である。
29:56 - ダレイオスの意見:独裁政
民主政、寡頭政、独裁政のそれぞれの最善の姿にあると仮定した場合、独裁政が遥かに優れていると断言する。
寡頭政では個人的な敵対関係が生じやすい。
自分が首脳となるために互いにいがみ合い、内紛が生じ、そこから独裁政に決着する。
民主政では悪のはびこる事が避けがたい。
国家に悪事を働く者たちは、結託して反乱を行う。
このようになると何者かが先頭に立って反乱を鎮圧し、賛美された挙句に独裁者と仰がれる。
寡頭政も民主政も独裁政に収斂する。
これは要すれば、我々の(反乱や内乱からの)自由は独裁政から与えられている。
ただ一人の人物によって自由の身にしてもらったのであるがゆえに、あくまでこの独裁政を堅持する。
33:19 - 議論の結論
7人中4人が、ダレイオスの意見に賛同し、多数決によって独裁政の維持が確定した。
現代の議論と歴史上の議論
33:40 - 議論のブラッシュアップ
2600年前の古代ペルシアの議論は、現代のネットメディアやSNSで行われている議論に非常に似通っている。
歴史を経て、既にこの議論は圧倒的にブラッシュアップされている。
それが社会契約説である。
35:49 - 次回:古代ギリシア
古代ギリシアにおける民主政は、いままで挙げた例よりも頭突き抜けた民主政であった。
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