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食の壁。工夫で乗り切る【海外移住】
Sakuです。
海外移住するにあたって多くの日本人が心配する
食事の壁。
移住でなくて、数日の旅行でも、
「現地のものが合わなかったらどうしよう?」
「味噌とか醤油が恋しくなったらどうしよう?」
と心配になりますね。
漫画「もやしもん」でもそんなシーンがあったような。沢木が醤油をアメリカに持っていくシーンだったかな。
私も、一人旅でパリ・ロンドンに10日間行ったときは
「クリームブリュレもフィッシュ&チップスも美味しいのはわかった!だけど米が恋しい!米だ!米をくれ!」
と、おにぎり屋さんや韓国料理屋さんのお世話になりました。
短い旅行でも、パックご飯やインスタント味噌汁を持っていくことを強くおすすめしますよ。
さて、
ロンドンのような世界有数の大都市にはおにぎり屋さん、たこ焼き屋さん、沖縄料理屋さんまでが揃っているわけですが
海外移住で、そんな都会に住む人ばかりではなく。
特に 結婚して、パートナーの地元に住むことになれば、
不便で、あまり選択肢のない暮らしをする人もたくさんいるでしょう。
私が住んでいるのは割に便利な地域で、
アジアンスーパーも近くにあるという恵まれた場所です。
オランダの代表的アジアンスーパー、Amazing Oriental↓
それでも、
「日本に住んで、日本のものをいつでも食べられる状況」
からは程遠く!
工夫して毎日を乗り切るしかない生活です。
いくらアジアンスーパーがあるとは言え、
・品数は限られる
・値段が高い
という2つの課題があるわけです。
値段は物によりますが1.5倍〜4倍くらいはします。
↑絹ごし豆腐。€1.79ですから230円ほど。300gでですよ。日本ならば、安いスーパーで90円〜手に入りますよね。
↑梅干し。100gで€3.54、450円くらい。はちみつ漬けなど味は選べず、1種類のみです...
商品は輸入している訳で、輸送費などがかかり、値段が張るのは当然です。
そこに文句を言う筋合いもない。むしろ、ありがとうございます😭
外国に住むとは、
そんな違いを受け入れた上で工夫して暮らすことでしょう。
日本でスーパーに行って、めんつゆや鍋の素、ツナ缶、ふりかけ、カレールー、旬の野菜~etcを気軽に買うようには買えません。
今まで日本でしていた料理とは、違う方法をとることにもなる。
例えばオランダのニンジンは甘みが強く、味噌汁に入れてもあまり味が馴染みません。となると、和風の調理を諦めるか、違う調味料を使うかして、オランダのニンジンと共存していく訳です。
日本では格安食材のもやし。オランダではそんなに安くないので、節約食材ではありません。じゃあどうやって別の節約食材を探すか?と、工夫が始まります。
私が思いつく工夫。
①アジアの食材を活用する
日本縛りをせず、アジアの他の国の食材・調味料を使います。
韓国・中国のものがおすすめ。
お米にも会いますし、ヨーロッパの味から逃げて、一息つくことができます。
アジアは広く、東南アジアなどはスパイスにクセがあり、「落ち着ける」とはちょっと違いますね。インドなどはもう全く違う国の味ですし。
アジアンスーパーはたいがいが中国系の方のお店なので、セレクトはさすが美味しい物揃いです。
コチュジャン、豆板醤は、少し入れるだけで簡単にそれっぽくなるのでぜひ!
②現地のもので工夫する
この間、むしょうに和風の煮込み料理が食べたくなり、白菜・たけのこ・えのきなどを調理し始めましたが、味噌がない。
だしの素やめんつゆなども残り少なかったので、他の料理に使いたい。
思い切って牛乳を入れ、コンソメブイヨンも入れてミルクスープに。
和風の食材である白菜との相性が抜群で、とっても美味しくできました。
味噌がない⇒和風の料理をあきらめる、のではなく
今ある食材と調味料で、新たな自分レシピを増やしていく。
これこそが海外で生き残る面白さだなと思いました。
③日本から送ってもらう
親や友達を頼れる場合には、日本の恋しいものを送ってもらいましょう。
しかし、頼れる人がいない、頼りたくない場合もあります。
そんなときは輸送代行サービスを使うのも手だと思う。
↑この辺りが有名なサービス。
買い物代行を利用したり、自分で買い物をして輸送だけサービスを利用したり。
食材に限らず、日本の服や雑貨、本etcもまとめ買いをして送ってもらえば、日本のものに包まれた安心感でかなり楽になると思います。
私はオランダの食べ物が嫌いという訳ではありません。
野菜や果物は安いし、チーズもじゃがいもも美味しい。
そういう良いところ、好きなところは取り入れたいし、新しい料理も楽しみたい。
けれど、ふと、「日本にはいつ帰れるんだろうか。お好み焼きや、豚バラ肉の豚汁や、明太子のおにぎりは、もう食べられないんだろうか」
と考えてしまうときがあったりします。
食べられないと思うとむしょうに欲しくなる。
日本ではどこでも買えて作れるようなものが、ここでは難しい。
食事だけの問題じゃなくて、日本の空気とか、日本の家とか、全体的にホームシックになっているんですね。
悲観するんじゃなくて(悲観してもいいですが、泣いて気分が落ち着いたら)
どうしても手に入らないものは・・・諦める。
手に入りそうな似ているもので代用する。
そうしているうちに、
「もう一生食べられないと思ってたけど、案外似たようなものが作れるんだな」
という気持ちになれるはずです。
それと、母国の食事が恋しいという感覚は、
パートナーに話しても共感されない場合も多いかなと思います。
アジア出身のパートナーなら、食事がどれだけ生きる上でおおきな比重を占めているか共感してもらえるかもですが
そもそも、食事に重きを置かない国や文化もあるわけで。
オランダ人もまさにそうで、いちばん美味しいものはチャイニーズ。。国の誇りは食文化ではなく、別のところあるのでしょう。
私の夫も、日本にいたころ、「オランダのご飯が恋しい」と一度も(!)思わなかったそうです。
だから、私がホームシックで、「おでんが恋しい・・・日本から送ってもらいたい・・・」と泣いていても
「高いんじゃない?」と言われるだけ。
すごく冷たく聞こえますが、
そのギャップって、話し合いやケンカをしたところで埋まるものではないし
彼らには彼らの大切なものがあるし
日本人同士のコミュニティの中で発散したり、分かる人にだけ伝えて共感してもらえればという感じです。
これだけ、海外在住日本人をホームシックに陥れる、日本のご飯のすばらしさたるや。恐るべしです。