『有頂天家族』森見 登美彦 著
”面白きことは良きことなり! ”
糺ノ森に住む狸の 下鴨 矢三郎 は、お調子者で少々破天荒。
化けるのを大の得意とする彼の父親は、かつて狸界の頂点に立っていた 下鴨 総一郎 。しかし、その父は、悪名高き 金曜俱楽部 の手によって狸鍋にされ、食べ尽くされてしまった。
現狸界に総一郎の器に敵う狸など居らず、まとまりが取れずにいる。
偉大な総一郎が残した物。それは、
タカラヅカマニアの母と、
堅物の長兄、
蛙に化けたまま狸に戻れなくなった次兄と、
お調子者の三男・矢三郎、
小心者の末弟。
父の性格を綺麗に四等分した兄弟たちは、他狸たちから「できそこない」と評されている。が、母だけは彼らを信じ、大きな愛情でもって包み込んでくれている。
てんでバラバラに思える兄弟たちだが、唯一、全員が父から受け継いだ、強烈な血があった。
「阿呆の血」
阿呆の血しからしむところ、兄弟たちは京都の街で、強大な奇跡を巻き起こす!
作品情報:『有頂天家族』森見登美彦著 幻冬舎文庫
ISBN 978-4-344-41526-3