「旬八青果店7年目の決意」を経て9年目を迎えて。
こんにちは。
早いもので7年目の決意から、
もう少しで2年ほどの時が経ちます。
お陰様で、今年の10月10日で旬八青果店は丸8年を迎えます。
あれから続きを聞きたいという声をいただいたりしてたんですが、
書くタイミングを失ってほぼ2年も経ってしました。
状況的にも気持ち的にも書けるタイミングが来ました。
この記事は、
創業者兼経営者の視点で書かせてもらうので、
自分たちの事ではありますが少し客観的な表現も入れています。
1.2年間で行ってきた事の概要
この2年間、振り返ると大変長く感じるのですが、
会社としてやってきたことはすごくシンプルな事でした。
『日々お客さんとの接点となる各店現場の
仕入意図に応えた仕入を会社として行うため、
バイヤーを介して店舗と仕入取引先との対話量を圧倒的に増やす事』
『気合と根性での運営ではなく、
持続可能な発展が出来る仕組みや体制づくり』
色々書けそうな気がして編集画面の前に座ったのですが、
集約すると本当にこの2つを徹底的にやった2年間でした。
斜陽産業と言われている青果店というビジネスには
その理由があると思います。
古き良きを復活させる事があたかもヒーローの様に言われるかもですが、
自分は8年間やってきてもやっぱり無条件でそうとは全く思えません。
どこで買っても同じであれば、
スーパーをはじめ、より便利なサービスが登場している今、
自然の摂理に則って衰退しかないはずです。
しかしながら、
私たちは青果店こそが今の時代・社会の潜在的なニーズも含め満たせるポテンシャルを持った形態だと信じられています。
それは7年目の決意でも書いた
「地域特性に応え続ける」
というのは定量的なデータ分析による改善だけだとやり切れないところがあると考えており、
対面で行われるお客さんとの何気ない会話の積み重ねの先に
誰も気づけていない最先端の潜在ニーズがあり、それを一番最初に知れた者が真っ先に解決しにいけると体感しているからです。
2.行ってきた事①
『日々お客さんとの接点となる
各店現場の仕入意図に応えた仕入を会社として行うため、
バイヤーを介して店舗と仕入先との対話量を圧倒的に増やす事』
まず2年前と比べ、お客さんが体感するであろう大きく変わった事をお伝えすると、旬八青果店でお肉やお魚の販売を開始した事です。
これはその道のプロフェッショナルの方々との
パートナーシップを結んで運営する事が出来ることになりました。
ただ開始当初、青果店がお肉やお魚まで売るという事に関しては、
実はお客さんからよりも社内の葛藤の方が大きかった様に思います。
しかしながら、
旬八青果店のミッションである、
「メディアとして、
都市の不本意な食生活を豊かにし、同時に地方経済を活性化する」
に立ち返ると、
お肉やお魚も都市生活者のライフスタイルに寄り添った利便性や、
「都市部で実現出来ていない商品クオリティを実現する」
という、
旬八青果店が流通事業者として介在する価値が出せるのならば取り扱うという判断を"青果"同様にお客さんの声を聞きながら行っていきました。
もちろん、この事で地方にとっては新しい販路が生まれ、
旬八青果店が掲げるミッションの実現にも近づけます。
我々は、ニーズがありそうなものはなるだけ取り扱うという方法で
スーパーマーケット化したいわけではないですし、
私たちのお店はそんな面積もありません。
そんなわけで、青果に比べれば限定的な量しか扱っておりませんが、
バイヤー、店舗、の2重の目で目利きを行い続け、
自信があり、お客さんのニーズに応えた商品しか並び続けません。
型にはめにいった変化か、
軸はブラさずにニーズに応え続けた変化か、
同じように見えて違った変容だと考えています。
また、
どこまで行っても我々の主要取り扱いカテゴリである"青果"においても
仕入と販売の連携によるさらなる可能性も感じました。
都市生活者は「青果」をどこででも買えますし、
なんなら商売をする側としても「青果小売店」という商売は、
比較的構造(仕入れて販売する)が想像がしやすい、
誰にでも始めやすい商売だと思います。
しかしながら、
各店現場の仕入意図とバイヤーの仕入を、
店舗地域特性まで踏まえて足並みを揃え、
プロの目利きとして、高い価格帯でも、安い価格帯でも、
お値打ち(価値>値段)だと自信を持って青果を届けられ続けられるのかは
容易とは程遠い相当に難易度の高い仕事だと考えています。
青果は計画を立てたらその通りに出荷されるものではないのも大きいです。
・青果が持つ本来のおいしさで届ける
・見合った価値で届ける
・お客さんに求められるものを届ける
これは当たり前にやれてないといけないことなんですが、
この当たり前を体現し続けるのが実はなかなか難易度が高いのです。
私たち「旬八青果店」は、
そんな介在価値のある仕事を担い続け、追及し続ける存在なんだと、
改めて考える事が出来た2年間でした。
3.行ってきた事②
『気合と根性での運営ではなく、
持続可能な発展が出来る仕組みや体制づくり』
お客さんに"食べて欲しい商品を仕入れて販売する"という青果小売業という商売は、手前味噌かもしれませんが生産者(組合、卸関係者含む)サイドからも都市生活者サイドからも「ありがとう」の声をダイレクトに受けられ、社会的な存在価値を感じ続けられる仕事です。
また、考えた売り方で売れた、売れなかった、の結果が毎日、もっと言えば毎時間で把握出来て、改善点なんて言い出したら無限に見出せますし、
やればやるだけ跳ね返ってきたりもするため、
誤解を恐れずに言うと、ゲームをやっているような感覚でどんどん改善出来るから仕事が楽しくなるサイクルの中にあると思います。
ですが、仕事は短期戦ではなく、ほぼ一生続く長期戦です。
戦というより、生活の一部です。
色んな考え方があると思いますが、自分は経営者としてスタートアップ的な勢いに任せて多くの人を安易に巻き込んでそんな熱狂を続けた結果、多くの人を疲弊させた過去があったと猛反省しています。
さらに掘り下げて言うと、実は(みんなそう思っているかもですが)この業界自体がスタートアップだろうがなかろうが、結果を出している多くの人が休みなく働くのがもはや当たり前の世界観の中、発展自体を諦めるわけではなく、むしろ持続的に発展をしていくための仕組や体制作りを小さな事から積み重ねてきた2年間でした。
以下、経営指標のレベルで留めているものもあり、これから現場に浸透させていくものもありますが記載します。
・店休日の決められない施設からは撤退し、年末年始、GW、お盆は会社として連休を取り働く皆がリフレッシュをする
・少ない労働時間で高い粗利を上げられる事を生産性が高いと定義し、その事を評価するカルチャーを作る
・定めた労務ルール浸透させ、それを守る前向きなカルチャーを育てる
・仮に現行のオペレーションで残業をしなければどうしても立ち行かない状況が在る場合は、採用やオペレーション変更などで状況を出来る限り早期に変える事を約束し合った上で、適切に残業として認め改善をはかっていく
などなど、書いてみたら書くのも恥ずかしいような当たり前の事ばかりに見えてしまいますが、実際は目をつぶって走って来てしまいましたし、業界内で周りを見渡してもそうだから仕方ない部分もある・・・というのが言い訳になっていたと思います。
まだまだやっていきたい事、やらないといけないと考えている事、がたくさんあり途上ではありますが、2年前を振り返ると組織として大きな変化が生まれたと感じています。
4.9年目を迎えて、これからについて
来る10月10日に旬八青果店は9年目を迎えます。
サイズダウンをしている今でも、
まだまだ様々な恥ずかしいご指摘をお客さんから頂戴してしまう事もあります。しかしながら、その1つ1つのご指摘に都度向き合わせてもらい
改善を血肉に変えていける体制は整ってまいりました。
まだ予定ではありますが、
やっと来年には新店出店の計画も現実的になってきております。
コロナをキッカケに社会変化が目まぐるしい今、
今日までの正解が明日正解でなくなるような環境は
皆同様に感じられている事かと思います。
そんな環境だからこそ、
引き続き地域地域のお店を利用してくださるお客さんの声を頂きながら
旬八青果店独自の想いはブラさず地域に寄り添った店舗店舗の進化を
行っていきたいと考えております。
そんな想いを持った9年目を迎えられることに感謝です。
最後まで暑苦しい想いをお読み頂きありがとうございました。
引き続き叱咤激励とご愛顧のほどよろしくお願いします。
5.最後に採用について
株式会社アグリゲート、旬八青果店のメンバーになって、
ミッションやビジョンの実現に向けて働いてくれるメンバーの
積極的な募集を改めて開始しました。
まだまだ理想と現実の大きなギャップを感じさせる場面があるかとは思いますが、最低限の環境を持ってメンバーを募集出来る状況になりました。ぜひ、これからの株式会社アグリゲート、旬八青果店を一緒に創っていきたいという食農への想いある方からの応募をお待ちしております。まずは是非、お話ししましょう。
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