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岸辺内閣総理大臣の憂鬱/バトルロートル・ビギニング②

岸辺内閣総理大臣の悪だくみ試算

 
 こんなことは法律をちょちょっと改変すれば可能なんじゃないの?
 例えば80歳になったら1万円の祝い金を国から進呈するのでそれで豪遊してもらって81歳で死刑という案。もちろん法案が成立した段階で81歳を超えている者は即死刑。でもこれ悩ましいんだよね、医療の進歩的な問題もあって81歳で皆殺しということになると「なんだそんなら長生きさせるための研究なんかいらねぇじゃん、やーめた」みたいなことを言い出す奴が必ずいて、そういうやつらがテレビに出て煽りだすとその腐った精神が伝播して医療が退化する、もしかしたら医療そのものが無くなってしまう可能性もあってそれだと私が風邪をひいたときに困るので没。そもそも私自身も81歳で死刑になってしまうので没。次の案。
 ほったらかしといても死ぬ弱い老人はもう度外視する。問題が多いのは強靭な老人である。生命力の強い老人である。こういうことを言うと「岸辺は馬鹿か」と罵られる。というのは強老人は労働させればいいじゃないか、そうすれば老人が老人の面倒を見るのだから若年の負担は減るし、国家の経済は盤石になって万々歳じゃないかと言い出すような私以上の馬鹿が政界の大多数を占めているからである。ほんとに馬鹿としか言いようがない。国民の心を全く理解していない国政の恥部と言っても過言ではない輩である。こいつらは老人の気持ちを汲み取る人情すら持ち合わせていない人非人であり、外道である。恥を知れ。老人の気持ちと言うのは肉体が弱かろうが強かろうが個々人の思想も宗教観も人種も居住地域も関係なく全員ただ一つである。
『楽をして旨いもん喰って好き放題に寝散らかしつつダラダラ暮らしたい』
ひとりの例外もなく老人の気持ちというのはこれである。まったく腐った根性であり、真の外道と言える。必ず皆殺しにしなければならぬ。それが岸辺内閣である。

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1,799字
全5話の小説をマガジンに纏めました。

以前、webで公開していた作品をブラッシュアップしました。 ナンセンス小説、不条理小説です。 やや残酷、やや性的な描写が含まれます。

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