人類の20%が抱えている食物不耐症とは?
アレルギーではないのに、アレルギーのような症状で悩まされている。
風邪ではないし、毎日しっかり身体を休めていて健康なはずなのに、なぜか身体の不調を感じる。
そんな症状に心当たりはありませんか?
もしかすると、食べたものからくる食物不耐症かもしれません。
アレルギーとは異なるため、食物不耐症は軽視されがちですが、
実はそれだけでなく他にも様々な不耐症が存在し、しかも近年、増加傾向にあります。
そんな食物不耐症を話題にしていきます。
FODMAPをご存知ですか?
突然ですが、あなたはFODMAPというものをご存知でしょうか?
FODMAPは不耐症を引き起こす、栄養素それぞれの成分の頭文字をとった略です。
・F(Fermentable)発酵
・O(Oligo)オリゴ糖
・MA(Mono-Saccharides)単糖類
・P(Polyols)ポリオール(糖アルコール)
一言でいえば、小腸では吸収されにくい発酵性糖質
「食物繊維、オリゴ糖、糖質」の不耐症のことです。
FODMAPsの主な症状
むくみ、下痢、お腹のはり、腹痛
「FODMAPs」の治療は、できる限り該当する栄養素を摂取しない、低FODMAPな食生活への切り替えが一般的ですが、これは過敏性腸症候群の治療法としても注目されています。
そして、過敏性腸症候群または同様の症状に悩み、低FODMAPs食に切り替えた患者の86%が効果を実感したという報告も公表されています。
避けるべき食品
りんご、ソフトチーズ、はちみつ、アーティチョーク、豆類、パン、ビール、小麦・大麦、さつまいも、ごぼう
低FODMAP食品とは
腸内で乳酸菌が増えることは基本的にいいことだとされていますが、低FODMAP食品の場合は別です。
乳酸菌が増えると特定の食材は、短鎖脂肪酸(乳酸や酢酸、プロピオン酸など)の産生を促していきます。
通常、短鎖脂肪酸は
・免疫細胞の活性化
・血糖値の安定
・肥満予防
などの効果があり、腸内環境に良いとされています。
しかし、FODMAP不耐症の人は、短鎖脂肪酸の生産を促す食品を避けなければいけません。
そして以下が低FODMAP食品の代表的なものと言われます。
そば、米、玄米、
レタス、キャベツ、トマト
ジャガイモ、かぼちゃ
メープルシロップ
木綿豆腐(豆類全般はNGですが、木綿豆腐は例外)など
アレルギーより多い食物不耐症。アレルギーとの違いは?
食べ物を口にして起こるとされている副作用は、アレルギー反応と、今回紹介した食物不耐性の2つに分類されます。
両者の症状は似通っていますが、アレルギーの場合は食べ物に含まれる無害のタンパク質に免疫機能が間違って反応したことで起こります。
一方、食物不耐症の場合は免疫系の機能とは全く関係がなく、ある特定の食品を口にすると、その食品を完全に消化することができずに、アレルギーに似た何かしらの副作用が出てしまうものです。
一般的に、食物不耐症の症状が出るのは食事をしてから数時間後と言われていますが、48時間後になってはじめて症状が見られるという、厄介な場合もあると言われていて油断できません。
このタイムラグゆえに、食べ物と症状を結びつけにくく、自分が食物不耐症だとなかなか気づけないケースも多いです。
実は、食物アレルギー保持者は全体人口の1%以下で、食物不耐症はそれ以上の世界全体の約20%と言われています。
アレルギーと同じく、残念ながら食物不耐症の原因や治療法は未だ明確になっておらず、今も研究が進められています。
そのため、現在は自分が何の食材・成分に(不耐症が)反応してしまうかを特定し、その食材を口にしないようにすることが必須になっています。
食物不耐性はグルテン・乳糖・果糖だけではない
・グルテン不耐症
・乳糖(ラクトース)不耐症
・果糖不耐症
これら3つは日本人保持者が多く、一般的にも知られていますが、他にも様々な種類の食物不耐症が存在するので、ご紹介します。
「カフェイン不耐症」
本来、成人男性・女性の身体は、カフェイン400mg(コーヒー約4杯分)までは副作用なく摂取できると言われています。
そのため、もしコーヒー1杯〜2杯、または紅茶やチョコレートなどを口にした後に、情緒が不安定になったり、心臓が異常な速さでドキドキし始めたら、それはカフェイン不耐症のサインかもしれません。
カフェインに敏感な体質になると、カフェインを代謝・体外に排出する機能が低くなり、身体の抵抗力にも影響を与えると言われています。
カフェイン不耐症の主な症状
・心拍数の上昇
・情緒不安定
・体のこわばり
カフェイン不耐症の人が避けるべき主な食品
・コーヒー
・紅茶
・炭酸飲料
・エナジードリンク
・チョコレート
発酵食品・熟成食品など「ヒスタミン不耐症」
ヒスタミンとは、体内で免疫機能、消化機能、神経系機能などに作用する化学物質です。
外傷や感染症などから血管拡張、発熱、腫れなどの反応を伴いながら、身体を守ります。
ある程度の量では害のないヒスタミンも、ヒスタミン不耐症の人は、このヒスタミンをうまく分解できないため、様々な症状が出てしまいます。
ヒスタミンはあらゆる食材に含まれていますが、特に熟成、発酵した食材に多く含まれています。
発酵食品は基本的に体にいいものですが、身体の不調、じんましんなどが出てくる場合は、ヒスタミン不耐しょうの可能性があります。
また鮮度の落ちた魚などにもヒスタミンが多く含まれているため、友達と食じに行って同じ魚料理を食べたのに、自分だけじんましんが出てしまった場合は、ヒスタミン不耐症の可能性を考えて良いかもしれません。
他に、腸内細菌のバランスが崩れていてもヒスタミン不耐症を引き起こすと言われているので、不規則な生活、不健康な生活習慣を送っている方も要注意です。
何故なら、ストレスや不健康な食生活などで有害なバクテリアが腸に多くなると、ヒスタミンが腸内にたまり、ヒスタミンを多く含む食材が不耐症を引き起こすこともあるようです。
ヒスタミン不耐症の主な症状
・肌の赤み・炎症
・頭痛
・胃痛
・下痢
・低血圧
ヒスタミン不耐症の人が避けるべき食品
・ドライフルーツ
・発酵食品
・アボカド
・熟成チーズ
・燻製された魚
・酢
・ビール
・ワイン
長くなりそうなので、今回はここまでします。
次回は、原因、改善方法、チェック方法などをお伝えしていきます。
最後まで読んでくださり、本当にありがとうございます。