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『Back to Black』を和訳してみました。

先日私が観た映画『Back to Black エイミーのすべて』の日本公開を記念して、サントラ収録の人気曲3曲の和訳MVが公開されたそうです!

訳詞の練習のために日本語版のCDを買ったつもりが間違えて輸入盤だったので日本語歌詞が手に入らなかったのですが、こちらを見つけました!

と言うことで、早速訳詞の勉強のために訳してみました!
(元の歌詞は著作権に引っ掛かりそうなのでこちらには載せません)

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Back to Black / Amy Winehouse  和訳 by Saki

後悔する間もなく彼は去った
ディックを濡らしたまま
古くて安全な賭けと
私は顔を上げて
もう涙も乾いた
あなたなしでやっていく

あなたは代り映えしない元の生活に戻る
私たちが過ごしてきた時間を一掃しちゃって
私は不安定な道を歩いてる
私に勝算はなさそう
闇へ帰るわ

言葉でさよならを言っただけ
100回死んだ
あなたは彼女のもとへ帰って
私は…
私は私たちに戻る

愛しているから
足りない
あなたはコカイン派で 私はマリファナ派
人生はまるでパイプ
そして私は壁の中を転がる小さなペニーみたい

言葉でさよならを言っただけ
100回死んだ
あなたは彼女のもとへ帰って
私は…

言葉でさよならを言っただけ
100回死んだ
あなたは彼女のもとへ帰って
私は…
闇、闇、闇、闇、
闇、闇、闇へ
私は…
私は…

言葉でさよならを言っただけ
100回死んだ
あなたは彼女のもとへ帰って
私は…
言葉でさよならを言っただけ
100回死んだ
あなたは彼女のもとへ帰って
私は…
闇、闇、闇、闇、
闇、闇、闇へ帰る
―――――――――――――――――――――――――

全体的にちょっとロボットみたいな訳し方になってしまったかな…。
訳例の中には「もう100回くらい死んだわ」など、いくつか「~わ」という言葉を使っていたのですが、私の訳では最近の女性言葉を無くしていく風潮を意識してなるべく「~わ」や「~よ」を使わないようにしました。
それのせいもあるのかなぁ。

「dick」がね、訳し方悩みました。映画では「ペニス」と訳されていた気がします。私が持っている『アフリカン・アメリカン スラング辞典』の中では「男性器」になっていました。もう最近は「ディック」で通じるんじゃないかと思ってそうしてしまいました。私これ大真面目に書いていますが、最初っから卑猥な言葉を連呼しすぎたな…。すみません。

「head」を頭ではなく「顔」にしたのですが、そこは訳例と同じでちょっと嬉しかったです!「頭を上げて」より「顔を上げて」の方がしっくりきますよね。

「Get on without my guy,」が訳例は「男なしでコトを済ます」になっていて、私は英辞郎を見て「うまくやっていく」の意味でとらえて「あなたなしでやっていく」にしたのですが、「性交する、セックスする」の意味もあるそうで、そっちなのか!となりました。難しい…。

そしてmy guyって「my」がついているのにただの「男」になるのか…。

「So far removed from~」の部分がエイミー側が全部忘れた(吹っ切った、または吹っ切ろうとしている)イメージで訳してしまっていました…。訳例は「私達がしたことなんかすっかり忘れて」だったので、こちらを読むと彼が私たちのことを忘れてしまったニュアンスに感じました。

「a troubled track」が「危ない橋」ってどうやったら訳せるのかわからなかった…。調べた中に橋の意味はなかったんだけどなぁ。

最初の「I’ll go back to black」の訳例が「だからまた酔っぱらう」になっていたことになるほどー!!となりました。闇に帰る=酔っぱらうこと。映画の中でも何度もお酒を辞めようとして辞められないシーンがたくさん出てきました。こんな訳し方もできたのか!と勉強になりました。

「あなたはコカイン派で 私はマリファナ派」にしたところ、リーダーズ英和辞典の中で、それぞれ下記の意味があったので、これだ!と思ったのですが…。
◆blow:《俗》⦅ヘロイン・コカインなどを⦆吸うこと
◆puff:タバコ[麻薬など]を吹かす

訳例は「あなたは吸うのが好きだし わたしは吹かすのが好き」でした。
あんまり具体的に書くとダメなのかもしれないですね。
でも映画の中でもそれぞれの好みが違うことが結構頻繁に出てきていたのが印象的だったのであえてこうしてみました。タバコは二人とも吸っていたからpuffがタバコではないだろうとは思っていました。blowは一瞬blow jobのこと?と悩みました。

ちなみにこちらも『アフリカン・アメリカン スラング辞典』で調べてみると
blowは「ライヴで観客をアッと言わせる、観客が盛り上がるようなショウをやってみせる」の意味だそう!そんな意味もあるのか!
さらに「1990年代半ば~後期には"コカインを吸引する"、"コカイン"の意味で用いられることも多かったが、今ではその意味が薄れつつある」そうです!やはり言葉は変化していくんですね。

「tiny penny」を「小さなコイン」に訳されていたのですが、確かにペニーよりコインのほうがわかりやすいかー!と思いました。これがローカライズなのかな。

そういえば私「black」は辞書を見ずに雰囲気で「闇」と訳してしまっていましたが、あとから辞書を見るとちゃんと「闇、真っ暗闇、暗黒」などの意味がありました。こういうことやってしまいがち!きちんと知っている単語も辞書を引くようにします。だいぶその癖がついたと思っていたのに!

今回の歌詞は映画を観ていたから訳しやすかった部分もあると思うのですが、映画やミュージックビデオなどの情報が一切ない状態で訳すのはとても難しいだろうなと思いました。

やっと、やってみたいと思っていた訳詞の練習ができてよかったです!
Universal Music Japan InternationalのYouTubeに、他にもたくさん和訳MVがアップされていたので、訳詞の練習にまた使わせていただこうと思います♪

Saki

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