はじめての国際学会を主催してみて
やっと、やっと、準備してきた国際学会が終わった。
はじめて国際学会を主催したのだ。
学会の主催すらはじめてなのに、国際学会、しかも「淡路島での現地開催」と「オンライン開催」を同時に行う『ハイブリッド形式』という難しいもの。
その主催者を私が一手に引き受けていたのだ。
とても大変な準備だった。けれど、無事に成功して、いまはほっとしている。
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学会の主催は、結婚式の開催に似ていた。
会場選びから、料理選び、参加者の決定…。(もっとも、学会の方が 10 倍は大変だけれど。)
それに、今回はハイブリッド形式だったので、加えてオンライン開催を企画しなければならなかった。現地とオンラインのコンビネーションの工夫も必要だ。
そして迎えた 3 月。
淡路島でとても良い会議を開けた。
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オンラインツールには色々ある。今回、それぞれの良さを生かした。
Zoom:講演
舞台上でだれかが話し、それを皆が、会場のスクリーンに映し出した zoom だったり、オンラインだったりで聴く。
ハウリング防止のために、会場では zoom の音声はOFFで、マイクで音を拾う。
講演者の姿は別のカメラで映しながら zoom に配信することで、オンライン参加者にも現場の臨場感を出した。
講演には、現地会場に「座長」という人がいる。司会進行役のような人。
ふつう座長は 1 人だけだけれど、今回はその座長の隣に「座長補佐」をもうひとり座らせた。これがとてもよかった。
ハイブリッド形式では、座長は、ふだんの会場からの質問に加え、オンライン上からの質問も拾わなければならない。それを隣に座った座長補佐がアシストする。
この座長&座長補佐のコンビネーションが、会議のスムーズな進行に大事だった。
ちなみに、座長がオンライン参加の場合は、現地会場に「副座長」を置いた。
副座長の役割は、会場の様子が見えないオンラインの座長に、現地の様子を伝えることだ。とてもスムーズにいった。
SpatialChat: ポスター発表
「ポスター発表」ではこの SpatialChat を用いた。
「ポスター発表」というのは、展覧会のようなもの。
ポスターが貼られていて、ポスター発表者は自分の作品の近くに人が集まってきたら、ポスター内容を紹介する。ふだんは対面で行うものだけれど、今回はそれをオンライン上で行った。
ポスター発表では「REMO」と呼ばれるオンラインツールが使われることもよくある。けれど、REMO はひとつひとつの部屋が分かれていて、一度その部屋に入ると、そこから抜け出しにくい。
けれど SpatialChat は、部屋ごとに区切られていないので、自由にポスターを見て回ることができる。さらに近くの人と気軽にお話もできる。
まさに、ふつうに現地で発表を行っているのと、同じような感覚だ。
大成功だった。
Slack:事前質疑応答
ポスター (音声吹き込み版なども◎) をあらかじめ掲示しておき、それを見ながら、Slack 上で自由に討論する場だ。これでより理解が深まる。
Form:参加登録やアンケート
そもそも参加者は、学会参加に先立ち「参加登録」というものをする。
名前の登録や、現地での宿泊の有無、食事の有無など…。
主催者がとらなければならないアンケート項目はたくさん。
集計結果は、グラフや、スプレッドシートと呼ばれる Excel に自動で表示され、とても簡単に見れる。
Box:原稿などのアップロード
すると、管理者のみが、アップロードされてきた一覧を見ることができる。
メールで提出されたら大混乱だが、Box を利用するととてもシステマティックだ。
Googleサイト:ホームページ作成
デザインなど、いくつか選択肢から選んでいけば、初心者とは思えないクオリティのホームページがあっと言う間にできあがる。
URL貼り付けサイト
参加者はこの「URL貼り付けサイト」に来ると、様々なリンクに飛べ、要旨集もダウンロードできる。
万一リンク先が変更になっても、その都度参加者にお知らせする必要もないので、とても便利だった。
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すべてを終えて
終わってみれば楽しく、なにより、自ら先導し、物事を進めていくことが、とても自信になった。
会議のあと、家族と楽しんだ淡路島はとても素敵だった。
春はすぐそこに来ている。
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