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娘に頼まれて自販機作ったら、たぶん思ってたんと違う

「ママぁ〜、自販機作って〜」


世の母たちはこうして突如やってくる、小さなお姫さま、もしくは王子さまの無理難題に日々怯えている。

通常の私であれば、その後に"大泣きの刑"に見舞われようとも「大人になったら家の前に設置しな〜」とか適当な切り返しで断っていたかもしれない。

しかしこの日は、私の虫の居所がハワイのワイキキビーチくらい良いところにいたらしく、「アロハ〜!」と同じテンションで「つくろ〜!」と返事をした。


ところでどんな自販機を作りたいのか娘に聞くと、「ダンボールのやつ!」と返ってきた。

どうやらいつも見ているYouTubeで、ダンボールを使って自販機の工作をしている動画があるらしい。そしてそれに感化されたっぽい。
なんだ、わくわくさんじゃなかったんだ。


早速、そのYouTubeを見て作ってみることにした。


安易に引き受けた案件が、意外とめんどくさいなんてことはよくある。
カッターやガムテープまで使うとなると結構めんどくさい。
てゆうか、もうハサミとノリで作れるもの以外は全てめんどくさいの部類だと思う。

作ろうとしてる自販機は、ちゃんとガタン!と飲み物が落っこちてくるスタイルのやつなので、結構手こずった。
サイズや強度もそこそこ大事だし、切って貼ってくっ付けて傾斜つけて…と言った感じ。


動画ながら途中上手く作動するか試し、試行錯誤を繰り返した。


そしてついに、完成した。



娘からリクエストを受けて作った、私の全力自販機。ひとまず見てくれ。



ラインナップが老舗旅館


たぶん思ってたんと違う!!!


私にはどのボタン押しても最高の自販機なんだけど。娘からしたら、昔の子どもが親にパシられた時しか押す事のない、つまらん自販機。


自販機は自販機だけど、たぶん娘が思ってた自販機と違う。


急に作ることになったもんだから、ダンボールはあったけど缶ジュースが1つも無かった…

カルピスとかファンタとか三ツ矢サイダーとか、娘がわくわくシュワシュワ痺れるような自販機をつくってあげたかったんだよなぁ。


1番大事な、品揃えの部分が完全に盲点になってたよ…


たまに売り切ればかりの自販機を見て、その辺ですぐ飲み物買えるのがアンタの売りなのに!それじゃ自販機としてそこに佇む意味ねーだろ!とか思ってたのに。

ごめんなさい。


娘に頼まれて自販機作ったら、娘が買えるもの一つもない自販機作っちまったよ。


意味ねーだろ!


いやほんと。ほんとにそうですよ。他にどうこう言う前に、私ですよ。
次からその辺の自販機の前通過する時には、ペコっと一礼してから通り過ぎようと思う。


娘に「ジュース無くて、ごめんね〜」と謝ると、「いいよいいよ!この自販機楽しいから!」と笑って許してくれた。


ありがとう。


鬼ころし一気に飲むよりも、はるかにくらう優しさ。あんたは立派な一家のお姫様だよ…。

自販機の後ろで、楽しそうに遊ぶ娘。


明日絶対スーパーで缶ジュース、買ってあげるからね!


そう約束して、さっそく自販機からアサヒの缶ビールを買う私だった。



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