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ニェンガオを知っているか
あれは、数年前の今頃。
アメリカ人の友達が、香港土産をくれた。
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「これはね、チャイニーズ・ニューイヤー・プディングといって、香港でニューイヤーに食べるプリンなんだって!私、プリンって超好き!
だって、柔らかくってプルプルでクリーミーでとろけそうになるんだもん!
とろけるプリン最高!まるちゃんもかわいいでしょ!」
友人は早口でプリン愛を語り、彼氏とデートの約束があるのだと去って行った。
へぇ。香港のプリンか。しかも新年に食べるやつ。
私はあまり甘いものを食べないのだけど、プリンは好きなスイーツの一つ。
濃厚なカスタードプリンに牛乳プリン、カボチャプリンなんかも好きだ。
滑らかな食感がたまらない。
早速、食後のデザートにいただくことにした。
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私はどこで何を間違ったのだろうか。
なんの疑いもなく手に取ったスプーンを置き、代わりに手にしたナイフを辛うじて突き刺さした。
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冷静になって、ここで一度、友達の言葉を思い出す。
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いいえ、硬いです。
めちゃくちゃ硬いよ、キャロライン!
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つい友達の名前を書いてしまうほど、マジで、カッチカチ。
製造過程で原材料の分量を間違えていませんか?
いや、製造工場を間違えていませんか?
プラスチックを流し込みませんでしたか?
もはや、食べ物かどうかも疑わしくなってきた。
が、
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パッケージにはハッキリと、Chinese New Year Puddingと書かれている。Chinese New Year Plasticではない。
ディスプレイ用の食品サンプルを間違えて買ってきたとか?
甘い香りはするが、このプリンという名の硬い塊の食べ方が、私には到底わからなかった。
もう、降参。お手上げ。
悔しいけど、グーグルを開いた。
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検索結果、驚きの事実がわかった。
このチャイニーズ・ニューイヤー・プディングという塊の正体は、「年糕(ニェンガオ)」というお餅だというではないか。
薄めに切って、溶き卵を絡めてフライパンで数分両面を焼きます。
プリンという名前から、薄めに切って溶き卵を絡めフライパンで両面焼く工程まで想定できる人、いる?
おるとするなら、そいつは人生3度目の転生チート野郎やから、取り逃がしてはならない。
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硬すぎて、薄く切るのが重労働。
どうにか3枚をかき餅くらいの厚さにスライスし、溶き卵に絡めて焼いてみたら…
う…うまい…!
年糕そのものはかなり甘めで、焼くとねっとり柔らかいテクスチャーになる。
卵を焼いたときの香ばしさと甘さが相まって、鶏卵焼きの風味を連想させた。
まったく期待してなかったのに、私これ、好き。
(・ω・) (・ω・) (・ω・) (・ω・) (・ω・) (・ω・) (・ω・) (・ω・) (・ω・)
あなたは年糕を知っているか?
このnoteを読んでくださったあなたの今の答えは、YESだ。
2022年の旧正月は2月1日。今が、一年で一番年糕が出回る時期。
年糕があなたに、最高の旧正月体験を提供してくれることだろう。
一つアドバイスをするならば、大きいサイズは買わない方が吉。気が抜けたコーラくらい甘いから。
※2023年の旧正月は1月22日です。(2023/1/7 追記)
※2024年の旧正月は2月10日です。(2024/1/9 追記)
▼香港で食べたものについて書いたこちらのnoteもどうぞ!
▼私が暮らすオーストラリアの年糕事情について知りたい方は、Eriさんの記事がおすすめです!