来年度からは会長と社長ではなく、父と息子として
僕が経営している有限会社桃源郷は、2001年4月25日に父が創業した法人である
現在、父は会長として仕込みや仕入れの部分で力を貸してくれているが、2024年3月に退任することが、昨日の父との話し合いで決まった
父は香川から大阪へ出てきて、当時、中華料理店を2~3店舗展開していた会社に就職
出前持ちからスタート
その後、料理人としてのキャリアを積みながら、時には調理師学校の講師を務めたりもしながら、会社の成長に貢献
息子である僕の記憶としては、ほぼほぼ家で見ることがないくらい仕事一筋の人だった
父の入社時、中華料理店2~3店舗だった会社はラーメン店やら何やらと、30~40店舗の規模まで成長していた
父の勤め人としての最終キャリアは、会社のNo2のポジションだった
父は料理人として、かつ、組織人として結果を残してきたけれど、独立後、経営者としては苦戦してきた
中華食材の製造卸売りを主としながら、中華料理店やラーメン店を出店してきた
それらのお店には、僕も客として行っていたけど、出てくる料理は全て旨かってんな~
けど、お店は長く続かなかった
僕がこの会社に入るころには、会社は相当厳しい状況だった
当時は、父の本域である中華料理の業態では勝負することなく、焼肉業態のFC店や鯛焼き屋を運営したりしていた
なぜ、中華料理店やラーメン店はしなくなっていたのか?
ひょっとしたら、店を閉店するたびに、自分の味を否定されているように感じていたのでは?と僕は思っている
僕の入社後は、経営スタンスの違いから、父とは喧嘩ばかりしてきた
親子としての関係が疎遠になる時期も長く続いた
それでも、ついてきてくれているスタッフの給与を支払うために
会社を存続させる資金繰りのために
親子ともに早朝から夜中まで休みなく働き続けてきた
常に借入しながらの自転車操業で赤字続きだったけど
支払いのための現金が必要やってんな
年間の役員報酬は744,000円
744,000円÷12ヶ月=月収62,000円やね
この状態が数年続いてたな
これも金融機関から、役員報酬0円は借入稟議を通す上で都合が悪いから体裁を整えてくれと言われたので、設定したのみ
実際には、月62,000円×2人の124,000円の現金も、資金繰りに回すために、役員報酬は受け取らずに会社への貸付金として処理していたな
僕が、それなりに飲食人としてのキャリアを積んだ7年前
父の味が旨いということを証明するために、父の協力を得て、僕が立ち上げた、十三餃子酒場 満太郎
そのチャレンジがあって、今がある
父の紹介から現在に至るまで、話が逸れたけど
父と僕とは経営スタンスは異なる
特に対スタッフへの考え方には、大きな隔たりがあるねん
「成長するかどうかは自分次第。与えられた仕事を誠実にしてくれたら十分やで。」の僕
勤め人だったとき、上司から1指示されたら10のことをやってきた父
がむしゃらに仕事に打ち込み、成長のため、勉強などの自己投資も惜しまなかった、叩き上げの父
親子でスタッフに求めるものが違う
父もスタッフのことが可愛いやろうし、彼ら彼女達に感謝しているけど
父がスタッフに求める、自己成長や仕事の厳しさの部分
社長である僕を立てるために、一歩引いて我慢しているから、歯がゆい日々が続いてきたと思う
色々と話し合った結果
これからは会社は離れてもらい、会長という立場からではなく、父と息子の立場として、僕から父に相談させてもらう形をとることにした
昔から現在も、働きづくめだった父
これからは、孫との時間もゆっくり取ってほしいねん
ただ、現在会社を運営している中で、父の力は非常に大きい
飲食店経営の要である、味・品質管理・コスト管理
ここは父が主に担ってきてくれていた
これまでに準備してきたけれど、仕入れや仕込みの引継ぎなど、まだまだ不十分
2024年3月まで、あと5か月、、、
短いな、、、
できるかな、、、
いや
やると決めたからには、やるしかない
父が会社から離れても
父の味は旨いやろ!!ということを証明し続けるために
理念である『関わってよかったと思われる存在に』であり続けるために
まだまだ、まだまだ積み重ねていくのみや