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イミテーション・ゲーム/エニグマと天才数学者の秘密(The Imitation Game)【ぐすたふ】のシネマ徒然草子.Chapter4

自粛期間中、映画を色々と漁り。
今回は、その中から1本を紹介します。
もう少し映画についての記事をたくさん書きたいですね。
内容説明の力もつきますし、自分の意見をまとめる力もつきますし。
頑張ります!

 ※記事の中にはネタバレも含まれますので、これから映画を見ようと思っている方は作品概要以降、ご自身の判断で読んでいただけますと幸いです

ー目次ー
 1.作品概要
 2.ぐすたふの「ここを見て!」
 3.ぐすたふのひとりごと

1.作品概要

 邦題:イミテーション・ゲーム/エニグマと天才数学者の秘密(原題:The Imitation Game)
 監督:モルテン・ティルドゥム
 主演:ベネディクト・カンバーバッチ、 キーラ・ナイトレイ、マシュー・グード
 制作国、日本公開年:アメリカ、2015年

 ※画像は公式サイトより、お借りいたしました

 ストーリー概要:
 時は第2次世界大戦のイギリス。
 連合国軍の勝利は、ドイツ軍のもつ世界最強の暗号<エニグマ>を解読することにかかっていた。
 暗号解読の期待と責任を背負い、選びぬかれた精鋭5人は日々研究に取り組む。
 その中の一人、アラン・チューリングは、暗号解読のためのマシンの開発を始める。
 最初は仲間からの理解も得られず、孤立していたアランであったが、そのひたむきな姿勢と、仲間の一人ジョーンのアドバイスのおかげもあり、徐々に周りの仲間と打ち解けてゆく。
そしてついにチームは協力して暗号解読に取り組むこととなるが、暗号解読を目指すその先に彼らを待ち受けていたものとは…?


2.ぐすたふの「ここを見て!」

 今回のおすすめシーンは、チームメンバー全員で暗号解読に関連する資料を燃やすシーン。

 長かった解読までの道のり。

その苦労と時間と血と汗と涙と、彼らのきずなを、全て燃やし消し去った。

何にも残されなかった偉業。しかしそれは確かにあった。
その全てを知るのは彼らだけ。

明日からみんな他人として生きていく。

だから最後に、この我々の費やした時間が、全てが燃え尽きるまで、見届けよう。

それが灰となり、消え去るまで。


そんな歴史から消えた時間を、象徴的に描いたシーンだと、感じています。


3.ぐすたふのひとりごと

最初に映画館でこの映画を見た時、この映画はエニグマ解読までを描くことを目的とした映画ではない、と感じました。

この映画は、アラン・チューリングの人生を描くことを目的とした映画なのでしょう。

エニグマは、彼の人生を描く上で外せない要素であったからこそ、そして彼が人生の大半を捧げたものだったからこそ描かれているだけなのだと思います。
本当に描きたいのは、歴史に翻弄されたアランの激動かつ切ない人生の全てなのではないでしょうか。

歴史という軸に当てはめようとすると、人一人の人生は描くまでもない些細なものになってしまうことが多いです。
それらが集合して世界や歴史は作られているのに、それを理解しているはずなのに、なぜか個人は軽視され、歴史の中のほんの一文字にも満たない出来事とみなされているように感じます。

この映画はその一人をクローズアップした。
アラン・チューリングという男の一生を。

歴史に埋もれ、もはや誰もが気づかずに忘れ去ってしまうところだったある男の一生を、描かなければならない、と原作者そして映画製作陣は思ったのでしょう。

これから歴史を作っていくうえで、我々はアランほどもない人生を送っていくことになると思います。

何も達成できないかもしれない。

社会を変えられないかもしれない。

それでも、あなたが、私が生きた結果の集約が世界であり、歴史であるのです。


そのことだけは忘れたくないな。

そして、少しでも歴史に残せる私を多くするために、生きていく一つ一つに真摯に向き合っていきたいと思います。

そうすれば、誰かの世間話程度の話題くらいには、なれるかもしれないから。