集めている本のはなし
暇なときは、いろんな言葉に「平成最後の」とくっつけて、ありがたみが増すのを楽しんでいます。なるべく遠いところにいる言葉がおすすめです。
こんにちは、平成最後の嫁です。嘘です。きっと平成が終わっても嫁です。くだらなくてすいません。
読むための本以外に、集めることを目的としている本ってありますか?
買って並べて眺めてうっとり。たまには読むけど。
っていう、そういう本の買い方があってもいいよね。ところで、なに集めてる?きっかけは?っていう話をしました。
◇◇◇
嫁 そういえば、コンラッドの『闇の奥』を集めていますよね。私は未読ですが。
夫 はい。古本屋で見つけたら買うようにしています。
嫁 ちなみに私は、「広告批評」のバックナンバーと鴻上尚史の「ドン・キホーテのピアス」シリーズの主に二〇〇〇年以前の単行本と、「鳩よ!」のバックナンバーを集めています。ちなみに買う条件は基本的に底値の100円の時です。ただ、「鳩よ!」に関しては全然見つからないので一冊しか持っていません。うーん、他にもなにかあったような。ま、いっか。
夫 多いな(笑)。なんでそんなに集めてんの?
嫁 所有することに意味がある!「わー、こんなところで出会えるなんて。なんと素敵な偶然。」という宝探し感と、「私が見つけたぞ。へへへ」という優越感ですかね。底値っていうのは、その方が探しがいがあるからです。
夫 なるほどね。俺はなんでかなあ、集め始めたのは大学の終わり頃だったと思うけど。
嫁 初めて読んだのもその時?
夫 そうだね。読み始めたときに好きな小説だったから、「あ、これは」と思ってそれから版違いを集めてるって感じかな。最近はそんなに熱心に探していないけど。
嫁 版違い!その発想はなかった。
夫 ただ、集めてるけど深い意味はないよ。そういえば、それで思い出したけどクラフト・エヴィング商會のこれね。『おかしな本棚』。
嫁 へえ、どれどれ。…これは、すごいな。やや、楽しいぞ。これ全部カフカの『変身』か、いいなあ。吉田篤弘さすが。
夫 ふふ、よかろう。だからいつも言ってるのに。クラフト・エヴィング商會いいよって。
嫁 「ぼくにとって本棚とは「読み終えた本」を保管しておくものではなく、まだ読んでいない本を、その本を読みたいと思ったときの記憶と一緒に並べておくものだ。」これだよ、これ。もう全部言ってくれちゃったよ。今回はもうこれでおしまいかな。
夫 たしかに、本棚見せるとこれ全部読んだの、すごい、みたいに言われることあるけど読んでないしね。
嫁 そうそう、既読の本ばかりの本棚は逆に寂しくもありますね。私もいつか広告批評読むのかなぁ。来年で休刊十周年だし記念に読んでみるか。
夫 たくさんあるぞ。がんばれ。
◇◇◇
そういえば、自分の話をしていませんでした。
私、「ちょっと昔」が好きなんです。一九九〇年代とか二〇〇〇年代前半とか。あのあたりについて論じるのではなくて、当時のコラムとか雑誌とか、その頃の匂いのするものが好きなんです。
まあ、それで鴻上尚史の本を集めていたり、もともとコマーシャル・フォトとかもちょっと好きだったので、古本屋で偶然広告批評をどっさり見つけたことと相まって集め始めました。
そんだけです。どうでもいいか。
あとこれはまったく関係ないですが、小山健のマンガがいいんですよ。
『お父さんクエスト』はサイン本を買っちゃったし、夫にも鬼レコメンをしました。
ポプラ社のwebasta*で連載していた頃からツボだったんですけど、緩急というか、可愛らしくてコミカルな感じの間にチラッと覗く現実の影、みたいなのがいいんです。ぼんやり読んでいると時折はっとさせられるこの感じ。これがたまらんのです。
webasta*には他にも結構おもしろい連載があるので、できればもっとまめに更新してほしいと思うのです。がんばれポプラ社!「半分日本人」とかおもしろいぞ!
ということで、長くなりそうなのでサイトのリンクを貼ってお開きにします。本はともだち。ともだちはいっぱいいた方が楽しいですもんね。