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採用とクリエイティブのより良い関係を考える。
今回のコロナの影響で、企業の新卒採用枠は大きく削られるだろう。再び超就職氷河期が来るかもしれない。でも、このコロナに関係なく、企業の採用はもう何年も前から、量から質へのシフトを求められていたし、学生側も慎重に会社を選ぶようになっていた。そして、この変化は、大量採用を得意とするメディア中心の採用手法から、質のマッチング精度を高めるクリエイティブ中心の採用手法へのシフトを加速させるに違いない。
つまり、採用広報において、より丁寧なコミュニケーションと多様なセンス(良い悪いではなく、合う合わない)が求められる時代になっていくのだ。
また、クリエイティブが必要なのは、採用広報という企業と学生の接点部分だけの話ではない。最近痛感するのは、企業の理念などの根幹部分や、企業と学生の関係性さえ、一度クリアにして改めてクリエイティブする必要があるのではと思っている。
そのくらい最近の学生は、企業の規模や知名度だけで就職先を決めるようなことをしなくなっている。その会社にどういう理念があり、かつ会社と自分の関係性をどう構築できるかということを見ている。
たとえば、「この会社は貧富による教育格差の解決に挑んでいて、リモートワーク前提の働き方になっている。となると、こっちだな」「ファーストキャリアではこの会社を選択し、ここでこういう経験を積んだあと、今度は、、」と言った具合に。
こういう話をすると、「別に今どきの若い人たちに無理やり合わせる必要なんてない」と言い張る経営者もいるだろう。「うちは泥臭く、地味な仕事なんで」と諦める経営者もいるかもしれない。でも、学生たちは泥臭い仕事がダサいなんて言ってない。採用の本質はどこまでいってもマッチング。仲間探し、仲間づくり。泥臭い仕事、地味な仕事をカッコいいと志望する学生だっている。問題なのは、「うちは大丈夫」「うちなんて」と思考停止することだ。
企業が変われば、似合う服も変わるし、同じ企業であっても時代やタイミングで羽織る服は変わる。「いま、自分たちはどんな服を着て語るべきか」「服を着替える前に筋トレをする必要があるんじゃないか」と自分たちにふさわしい個性やコミュニケーションの形を常に考えることを止めてはいけないと思う。
また、同じことは学生にも言える。自分はどんな仲間と仕事をして、どんな風に成長し、どう社会と関わっていきたいのか。企業が手取り足取り教えてくれる時代ではなくなった。もっと言うと、誰も未来なんて予測できない時代になったからこそ、自分自身で想像し、工夫し、自らの道を切り拓いていく力が必要となるし、そのためにはまず社会や企業、仕事に対して、もっとポジティブに関心を持つ機会が欠かせない。
そして、この両者の課題を解決するには、より丁寧なコミュニケーションと多様なセンスのマッチングが求められ、その場面でクリエイティブのプロができることがもっとあるのではと日々感じている。
「採用とクリエイティブのより良い関係を考える」をテーマに、このサイとクリは立ち上がった。企業の採用広報をどうしたらもっと、それぞれの企業の個性にふさわしいものにできるか。学生が本当に見たい、知りたいコミュニケーションとはなにか。そして、自分たちのクリエイティブで、世の中にもっと役立てることはないか。
採用広報に携わっているクリエーターを中心に、人事や学生も巻き込んで、みんなで考えるメディアにしていきたい。従来のやり方にとらわれず、新しいアプローチを模索し続ける実験の場を目指していきたい。
最初からものすごく話が長くなってしまいましたが、どうぞ、お付き合いのほど、よろしくお願い申し上げます。
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