【#120_研究メモ】シェアド・リーダーシップは、ファミリービジネス企業の業績にどの様な影響を与えるのか？～Quarato et al.(2023) CEOの事業承継とシェアド・リーダーシップ からの学び

Quarato et al.(2023) 「CEOの事業承継とシェアド・リーダーシップ： どの要因が企業業績を形成するのか？」では、量的な研究で、CEOの事業承継におけるシェアド・リーダーシップの発揮の状況が、企業の業績に影響を与えるのか？について、分析されています。

文中にも記載がありますが、ファミリービジネスの事業承継に関する研究は、定性的な研究が圧倒的に多いので、量的なアプローチからの研究は、目新しさがありますね！ イタリアのファミリービジネス企業に関する研究なのです。イタリアには、大規模なファミリービジネスのデータベースがあるみたいですね。データを触りながら、いろいろ分析ができるとしたら、面白そうですし、羨ましいです（笑。日本にもそんなデータベースがあるのでしょうか？）

分析によると、CEOの事業承継によってシェアド・リーダーシップが発揮されることで、業績（ROE）にプラスの効果があるようです。ただ、ファミリーメンバーの関与が多くなると、ネガティブに働くということなので、独立した取締役会や、共同CEOに非同族メンバーを加えるなど、工夫が必要とのことでした。

ガバナンスをどう工夫するのか？ イタリアでの事例ではありますが、日本のファミリービジネス企業も参考にできる部分がありそうです。持続的な成長に向き合うのであれば、どこかのタイミングで、取締役会等のガバナンスを充実させておくことは非常に重要かと思います。いつも、傑出した経営者のみで、承継が進むものでもないので、保険としてガバナンスの仕組みを整えておく必要があるかと思います！

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