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【研究メモ】シェアド・リーダーシップ研究は、垂直型リーダーシップとの相互作用を前提として、動的変化を追っていく!~van Knippenberg, Pearce, & van Ginkel(2024) シェアド・リーダーシップ-チームにおける垂直型リーダーシップとのダイナミクス からの学び
リーダーシップ/ シェアド・リーダーシップ領域で強い影響力を持つ著者たちの論文です。
シェアド・リーダーシップ研究の今後の方向性について、これまでの先行研究を踏まえ、8つの命題が述べられています。
以前、水平型(共有型)と称される、シェアド・リーダーシップが機能するためには、垂直型リーダーシップ(役職者が役割として発揮が期待されるリーダーシップ)を通じての方向付け(啓発)が重要という論文を見てから、シェアドと垂直型の関係性はずっと気になっていました。
今、事業承継後のリーダーシップ研究を進める中でも、承継者が、親族とチームを組みながら、シェアド・リーダーシップを発揮することが有効だという研究も出ていることから、改めて、シェアド・リーダーシップについての学びを深めたいなと、考えています。
事業承継というプロセスにおいては、創業者が持っている傾向が強い、垂直型の強固なリーダーシップを、後継者がどの様に承継するのか、ただ、後継者の性質や経験・実績、マネジメント・スキルによっては、同じようなリーダーシップを発揮することが難しい場合もあります。その場合、シェアド・リーダーシップをうまく組み合わせることは、有効な戦略だと言えます。
本論文の中では、垂直型リーダーシップとシェアド・リーダーシップを個別に見ていくのではなく、相互作用を前提として動的な関係性と捉え、発揮の仕方を見ていく必要性が謳われています。
個人的に面白かったのが、垂直型リーダーシップを発揮し、シェアド・リーダーシップを高めることが、チームの自律分散を高め、結果として、垂直型リーダーシップを減じることに繋がること。ただ、状況によっては、再度、垂直型リーダーシップを高める必要性もあることから、一時点を切り取りスナップショットで考えるのではなく、ある程度の時間軸の中で、相互の影響や、それぞれのリーダーシップの発揮度合いを確認するような「チームリーダーシップのダイナミズム」という観点での研究が重要だと言われていた点です。
事業承継のプロセスにおいても、時間の経過やプレイヤーの関りが変わる中で、垂直型リーダーシップとシェアド・リーダシップ、それぞれの発揮の仕方もグラデーションの様に、変わっていくように感じます。どの時点においては、どの様なバランス感で、各リーダーシップを発揮することがチーム/ 組織としてのパフォーマンスの向上につながるのか? また、それはどの様な要因によって、バランスの再検討を求められるのか?等、頭の片隅に置きながら、分析やインタビューを続けたいと思います。
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