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【研究メモ】親族で組成する承継者チームのパフォーマンスを分けるものは何か?~Cater et al.(2016) ファミリービジネスにおける承継チームのダイナミクス からの学び [最終回]

Cater et al.(2016) ファミリービジネスにおける事業承継チームのダイナミクス からの学びについてのご紹介、最終回です!

今回は、本論文にて提示されている、19社48名へのインタビューを通して見いだされた、後継者親族によるリーダーシップチームが、パフォーマンスをするか/ しないかのポイントについて、命題の形でまとめられています。

「承継者チームのダイナミクス・モデル」のうち、ステージ3の「承継者チームのパフォーマンス」について、述べられています。

何がグッド・スパイラル[Positive Track]と、バッド・スパイラル[Negative Track]を分ける、要因になるのか?


本研究では、先代経営者による、後継者チームの中でのリーダーの指名がなされない/ 不明確であることが、承継者チームメンバー間の権力闘争を招き、Negative Spiralへと突き進むことになると指摘します。

承継者チームも、まったくの平等というわけではなく、年齢/ 社歴に応じたパワーを有し、適材適所を見ながら、スキルを磨き、役割分担する(管掌範囲を明確にする/ 重複させない)という、”チームのデザイン”が重要になるとも言われています(Stage 2 「承継者チームの形成」で特に言及されています。Stage 2の形成段階で、その後にパフォーマンスできるかも決まってきてしまうのですね・・・)。

ということは、親族間で、承継者チームを機能させようと思った場合、場当たり的な対応ではだめで、先代経営者の代から、良く観察し、強みや課題、考え方を踏まえた上で、チームが機能するのかどうかを、”先代経営者が判断する”ということが重要になる、という風に受け取りました。

なので、先代経営者が、死別や病気といった形で、承継計画を具体化する前に、承継プロセスに関われなくなった場合、後継者が、親族間で経営チームを作る動きには、特に慎重になる、もしくは改めて、自分たちで、それぞれの強みを活かしながら、担当する領域や、相互補完性をどの様に高めていけるか? という、組織開発的な取り組みが重要になるのかなとも思いました。

ごきょうだいや親族で協力し合いながら、経営に臨まれている会社さんは、どの様な経緯で、そういう形になったのか? チームとして機能するために、先代や後継者の皆さんでどの様なやりとり/ 対話がなされたのでしょうか?ぜひ、伺ってみたいところです!

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