薬剤師でも間違える⁉ニッキとシナモンの違い
オリジナル記事はこちら:https://sairyu-sensei.com/nikkicinnamon/
ニッキとシナモン、桂皮、何が違う?
最近はあまり耳にすることがなくなった「ニッキ」。
ニッキの説明で一番わかりやすいのは京都のお菓子「生八つ橋」の周りについている粉、というのが良いでしょうか。
原料や成分 どちらもクスノキ科の常緑樹が原料であり、桂皮(ケイヒ)アルデヒドという香り成分が含まれています。では何が違うのでしょうか?
ニッキとシナモンの違い
結論から言えば、「使用部位」が違います。
ニッキは日本産の「ニッケイ」の根の皮から作られます。
根を使うニッキは生産量が限られているため、高価です。
彩流:「根だけに値が張る」という親父ギャグは周りが反応に疲れます。
対して、シナモンはセイロンニッケイの樹皮を乾かしたもの。表皮を剥がした内側のコルク様の皮を使います。シナモンスティックはこの皮を乾かしたものです
漢方薬で使われるケイヒはシナモンに該当します。
ただ、日本で売られている漢方薬の原料は厳格な産地指定・有効成分含有率等の審査やがあります。
効能の違い
生薬は単一の植物の部位を加工(修治)して、保存がきくようにしてあるもの。その生薬を決められた配合で組み合わせたものが漢方薬です。
ニッキはメントールの様な刺激があります。味はあまり甘くありません。
シナモンは甘味がありますが、味はそれほど強くありません。
どちらも血行促進や付随する冷え性、生活習慣病予防やダイエット(むくみをとる)期待があります。
どちらも独特の香りから、虫よけに使われ、シナモンの使用は古くはミイラの防腐剤にも使われました。
シナモンにあって、ニッキにないものに「オイゲロール」があります。これは芳香性で脳のリフレッシュ効果が期待されています。
逆にニッキには疲れや浮腫みをとるカリウムが多く含まれています。
昔ながらの八つ橋やニッキ飴を考える
長距離歩く、昔の旅。現代でも旅行となると一日1万歩は軽く超える方も多いと思います。
さて、水あめや餅を加工した八つ橋。
長距離歩行や長時間の移動で、浮腫みや塩分のバランスの崩れなどを整えるカリウムが八つ橋に含まれています。
更に、疲れを素早く解消する甘糖(米粉)などが原料です。
従来の八つ橋(生ではない、瓦のような形)も長距離移動を考えられています。
一世代前なら「おばあちゃんちにあるニッキ飴」も、浮腫みやミネラルの多いニッキを原料にしています。子供には「苦い飴」ですが、おばあちゃんには美味しく感じるのは、体が必要としていたからでしょう。
昔からあるお菓子、郷土の菓子には続いてきた理由がありそうです。
また、今ではわからなくても、近い将来に発見される分析やビッグデータから新しい魅力ができてくるかもしれません。
最近やっと旅行に行きやすくなってきました。とはいえ、なかなか出かけられない方々、少し八つ橋など食べて、お茶にしませんか?
そうだ、京都を食べよう。
焼き八つ橋、お茶うけにどうぞ
生八つ橋は、詰め合わせが良いですよね~
まとめ
最後まで読んでいただきありがとうございます。
薬局の薬剤師が「ニッキ」と「シナモン」は同じ、という説明をびっくり。
早速訂正したのがこの記事のきっかけです。
一番わかりやすい違いは使用部位。ニッキは根の皮でシナモンは幹の皮です。
味や香りも違い、厳密には効果効能も違うので「別物」として扱うのが良いでしょう。
昔のお土産の効果も考えてみました。何にしても、美味しく食べるのが一番です。
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