サイコロ塾レッスンレポート:「ドンキー」「ゴルフ」を改造するアイデアを決めよう!編
こんにちは!
前回のレッスンで、様々なトランプゲームを子どもたちに遊んでもらい、その中からお気に入りとなるゲームを選んでもらいました。(前回のレッスンの様子はコチラをご覧ください)
前回のレッスンで子どもたちに書いてもらったトランプゲームの分析シートでは、『ドンキー』と『ゴルフ』の2つのゲームに子どもたちの「お気に入り」が集中し、ちょうど子どもたちの人数を二分していたので、ここから先は、「ドンキーを改造するチーム」と「ゴルフを改造するチーム」の2つに分かれてレッスンを進めていくことにしました。
そして、今回はサイコロ塾の1月のレッスンで「大富豪」を改造したように、既存のゲームを「改造」することで、新しいゲームを作ってみるためのアイデアを発想するワークショップを行いました。
子どもたちが普段体験することのない体験をできたのではないかと思います。
それではレポートスタートです!
1、今回のレッスンの目標設定
レッスンの最初に3月までの残り3回でどんなことをしていくかについて子どもたちに共有しました。
ざっくり、今回のレッスンでゲームのルールを固めて、次回実際にゲームで使用するモノを作り、その次の回でテストプレイ&プレゼンの準備というスケジュールです。
上記のスケジュールのため、今回は「ゲームの改造案をチームで考える!」ことを達成目標として設定しました。
2、ブレインストーミングをやってみよう!
ゲームのアイデア発想のための手法として、数あるグループでの発想法の中から「ブレインストーミング」を行ってみました。
子どもたちは、ブレインストーミングはほとんどやったことがない想定だった(実際には1人やったことがあるとのことでした)ので、ブレインストーミング4つの原則を強調して説明しています。
子どもたちの普段の行動からすると、どの原則も直感にそぐわない(自由に発言してよい→普段は手をあげて指名されてから、質より量→問題の正しい答えを答えないといけない)ところがあるのかなと思っていましたが、割と「これがルール」と伝えるとすんなり受け入れていたように思いますし、実際ブレストを行っているときにもよく4原則を意識できていました。この辺り、サイコロ塾で「ルールの中でプレイする」ことを重ねてきた成果かなとも思いました。
ただ、これだけではガイドとして心許ない部分がありましたので、アイデア発想法のときによく参照されるオズボーンのチェックリストを、ボードゲームのアイデア発想に使える形に改変して子どもたちに提示しています。
コチラは、各質問について考えて答えを出すことで、ゲームのアイデアを思いつきやすくしてみました。(実際、自分がゲームを作るときにも、参考にしています)一部、「捻り出す」努力が必要な部分もありますが、ゲームのアイデア発想の最初の一歩として役立つと思います。
2つのチームで別々のお題、つまり、1つのチームには「ドンキーを改造するアイデア」、もう1つのチームには「ゴルフを改造するアイデア」というお題を出したのですが、せっかく2つのチームに分かれて行うので、生み出したアイデアの数を競わせることをしてみたのですが、これが大正解。アイデアの「質は問わない」というルールもよく効いて、2つのチームともに15分弱の時間で80弱ものアイデアを発想しました。
実際に子どもたちが思いついたアイデアをいくつかご紹介します。
<ドンキーチーム>チーム戦にする、ジャンケンでカード交換する相手を決める、カードの枚数を増やす、碁石(トークン)をとる代わりに手を頭に載せる、勝負が終わるたびに碁石を減らしていく、碁石なしにして揃えた人から順位をつける、カードに書かれるのが数字ではなくて英語、協力ゲームにする、など。
<ゴルフチーム>ジョーカーを入れる、チーム戦にする、横一列で揃えたときにボーナス点、J〜Kのカードは他の人と交換できる、カードの大小で置く位置により点数を変える、初期のカードの枚数を6枚から9枚にする、みんなの点数の真ん中の点数の人が勝ち、など。
個人的には、ドンキーもゴルフも「協力ゲーム」にするとなるとどうなるのか、興味深いですね!
3、アイデアをマトリクス分析!
2つのチームそれぞれで約80個ものアイデアを発想しました。もちろんブレストで出てきたアイデアの質はバラバラですので、ここから本当にゲームの改造案として、良さそうなアイデアを見つけていきます。
1つ1つのアイデアを検討していく際に、子どもたちの中でそれを判断する軸のようなものがあれば役立つのではないかと思い、マトリクスを使った分析の方法を使ってやってみました。
今回、子どもたちに提案したのは、「面白そうー面白くなさそう」という軸と「目新しいーよくみる」という軸の2つを使って分析する方法です。
1つ1つのアイデアを4つの象限のどこに当てはまるか子どもたちが確認していきます。この分析作業を進めていくと、不思議と子どもたちの中に判断基準のようなものができてきて、似たようなアイデアについて、「これは〇〇だから目新しくて面白そうだね」とか、「こっちは△△だからここ」というふうに効率化されていました。
実際に子どもたちが分析してみた結果の写真がコチラです。
こうしてみてみると、書いてあることが「よくわからない」というアイデアが主に左下に集まって、右上の象限の目新しく面白そうと感じるアイデアは意外と少なかったのかなと思いました。(コチラは、ドンキーチームの写真ですが、ゴルフチームも同じような個数分布になっています)
「目新しいーよくある」の軸については、子どもたちは全体的な経験が少ない中での判断になるので、一緒にファシリテーションをする人が重要な役割を果たすだろうなと思います。
4、ゲームの改造案を決めよう!
残念ながら時間の関係上、ゴルフチームは採用するアイデアの決定まで到ることができなかったので、次回そこから再スタートとなりました。
もう一方のドンキーチームは、マトリクス分析の結果、「目新しく面白そう」と感じたアイデアの中から、どのアイデアを採用するか簡単な話し合いが行われました。この部分の判断について、子どもたちははじめ多数決を取ろうとしていましたが、最終的には話し合いで決めていたのは、せっかくのアイデアが活かせる形になってよかったなと思います。
話し合いの結果、「1〜4までプレイヤー1人1人が担当する数字を決めて、その数字カードを集める」というアイデアと、「自分の担当する数字カードを集めた人から順に順位がつく」というアイデアの2つを採用することに決定しました。
次回について
さて、ドンキーを改造するチームは、採用するアイデアを決めていよいよゲームルールの輪郭がはっきりしてきました。実際にプレイしたらどうなるかな?あとはどんなアートワークにするのかな?そのあたりを次回以降子どもたちとまとめながら作っていければと思います。
ゴルフを改造するチームは、採用するアイデアを決めるところからになりますが、面白そうな改造案が上がっていて、どれを採用するか楽しみです。
ぜひ次回以降のレッスンレポートもお楽しみに!
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