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ボードゲーム制作プロジェクト:PR・マーケティング編②インストについて学び練習しよう!

こんにちは!
2021年10月から第二期が始まったボードゲーム制作プロジェクト、後半戦の3回目のワークショップを実施しましたので報告します。
今回のテーマは、インスト編です。
さて、この「インスト」という言葉は、ボードゲームを普段から遊ぶ人であれば、それはそれはよく耳にする言葉なのですが、多くの一般の人は知らない言葉です。
前回、PR・マーケティング編の第1回と銘打って、山里さんに「マーケティング」に関するレッスンとワークをしてもらいました。前回のnoteはこちらをご覧ください。

今回は、どちらかというと「PR」にあたるのかなと思います。
子どもたちに「インストとはなんたるか?」「インストをうまく進めるためには?」ということを伝え、練習する回となりました。
その様子を報告します。
それでは、どうぞご覧ください!

1、PRとは?

そもそも皆さん、PRっていう言葉の意味ってご存知ですか?恥ずかしながら、僕は大人になるまでPRは「プロモーション」の略だくらいに思っていました。しかし、実際は、全然違うのでした。

PRについて

元々はPublic Relations(公衆関係)という言葉の略で、下のような意味を持っています。

企業体や官庁が、事業内容などの公共的価値を大衆や関係方面によく知ってもらい、その信頼・協力を強めようとする宣伝広告活動。

Oxford Languages

今回のプロジェクトでは、ボードゲームのPR活動を行うので、子どもたちには「対象となる人たちとの<良い関係づくり>」として紹介しました。
具体的に、対象となる人とは誰になるか?ということを子どもたちに思い浮かべてもらいながら、ではその人たちと「良い関係」を作るために具体的どういう行動があるか?というところから話を進めていきます。

そして、その具体的な行動の機会として来たる2月20日(日)にJELLY JELLY CAFE天神店様、

2月27日(日)に久留米のボードゲームショップ&プレイスペースさいふる様、

3月19日(土)に博多のボードゲームカフェ福岡博多フレンズフレンズ

にて、子どもたちの作ったゲームを試遊する会を設けさせていただきました。これらの試遊会をPRの機会=対象となる人たちとの<良い関係づくり>の機会と捉える場合、どういったことが具体的な行動として考えられるか?

PR会で行うことができる行動

ここでは、「ゲームの紹介」と「ゲームの試遊」という2つを子どもたちに提案し、そのために「インスト」が必要であるということを伝えました。

2、インストとは?

さて、今回の中心的なテーマ「インスト」です。インストという言葉は、諸説ありますが、元々は「インストラクション」(教授)という語からきているというのが広く共有されている理解ではないかと思います。
これまた、人によって定義の仕方はさまざまではあると思うのですが、今回のワークショップでは子どもたちには以下のように紹介しました。

インストの定義の紹介

以前、書いた「アートワーク」の定義と少し似ているかもしれないです。
僕自身は、この「プレイヤーがゲームに参加し、集中して楽しめるようにボードゲームの遊び方を伝えること」というのがしっくりきています。
この定義のポイントは、「参加」「集中して」ということです。
まずは、マジックサークルと呼ばれるゲームプレイヤーがゲームを遊んでいるときに形成している空間・空気の中に入る、という気構えを作る、という意味で自発的に「参加」をしてもらうようにするということが大切だと思います。そのために、フレーバーなどがとても役に立ちます。
そして、そのマジックサークルを維持するために、離脱ができるだけ発生しないように「集中して」ゲームをプレイできるようにするために行うのがインストなのではないかと考えています。

そのため、実はインストは「説明書をそのまま読む」ということは全く違うものになります。
説明書に書かれていることを、相手を踏まえた上で自分の頭の中で再編集して、表現などを工夫した上で伝える(ときに伝えない)必要がある、という非常に難易度の高い行為だと思います。

このようにとても難易度の高いインストという行為ですが、ボードゲームの先人たちがいくつもそのポイントを残してくれています。今回のレッスンでは、それらを僕なりに絞り込んで子どもたちに伝えることにしました。

インストのポイント!①

子どもたちに伝えたポイントは大きく2つあるのですが、個人的にこちらがすごく大切だと思っています。
それは、「インストはコミュニケーションである」ということです。
当たり前のことのように感じられる方も多いと思うのですが、これが一番です。コミュニケーションには「相手がいること」、そして「相手」に応じてその方法やアプローチを工夫する、ということがここで伝えたいことです。
細かいテクニックはもちろん色々とあるとは思うのですが、まずは「伝える」「受け取る」というごくごく基本的なやりとりの一形態であるということを耳タコになるくらい何度も伝えました。そこには、「伝えたい」という思いや「受け取りたい」という思いがあるはずなので、そういう熱意が現れる場であるということ、ただし独りよがりにはならないようにすることなど子どもたちにうまく伝わっていれば良いなと思います。

余談ですが、先日自分の作成中のゲームをテストプレイをしてもらうために、ボードゲームに不慣れな人に、しかもオンラインでインストをする機会がありまして、上の原則、ポイントを見事に頭からスカッと抜けた状態で進めてしまい、途中で離脱させてしまうということがありました。
今回のレッスンでは「やってしまったなー」「次こそは!」という自戒をこめながら子どもたちに熱を入れて上のことを伝えました。

インストのポイント!②

そして、インストのポイントのもう1つは「失敗を恐れない!」ということです。インストは、プレイの冒頭にしてしまえば終わり、ということではないのです。その場に留まることができるのであれば、何度も挽回のチャンスがあります。プレイミスを見たときには、やんわり伝えることもできるでしょうし、プレイヤーが理解が十分でない点がプレイ中に出てきたときには再度伝えることもできます。
ともかく、1回で全てをマルっとわかってプレイする人は稀有なのです。その後も続く関係性の中で先に書いた「参加」「集中して」が達成できれば良いのではないかと思います。

3、インストシナリオを作ってみよう!

ここまで説明した上で、次の活動として、これらを踏まえて、子どもたちに具体的な場面を想定したインストシナリオシートを作成してもらいました。

インストシナリオシートの説明

初めにインスト相手をできる限り具体的に設定をします。僕は動画配信をテーマにしたゲームを作っているチームのファシリテーションをしていたので、子どもたちがカフェでの試遊会で出会う人はどんな人か?ということをできる限り詳細に記述できるように質問をしていきました。

インスト相手はどんな人?

ここから、試遊会での具体的なアプローチを考えていきます。
驚いたのは、子どもたちがまずは試遊に参加してくれる人を呼び込むところから考えていたことです!(笑)いや、確かにゲームマーケットなどで同じようなことをすることを考えると実に実践的ではないですか!
続けて、どんどんインストシナリオを完成させていきました。

インストシナリオ①
インストシナリオ②

ここに示したのは、途中までですが時間内になんとかプレイを始める、というところまでシナリオを完成することができました!
もちろん、シナリオを立てたからといってこの通りに進むはずがない!のですが、それでもどういうふうに進めようか?相手がこういう反応したときにどう反応しようか?と考えておくことで、だいぶ余裕が違います。
あくまでシナリオはシナリオとして、実践重視主義で行こうということを子どもたちには伝えました。

ちなみにこのとき、徐々に完成しつつあるアートワークを子どもたちに見せながらワークを進めていたのですが、出来上がってきたイラストに瞳をキラキラさせていました。
やはりモノができてくるとテンションが上がりますね!子どもたちの士気も大いに高まったのかなと思います。

できつつあるアートを見る子どもたち

この後、インストシナリオシートを用いて子どもたちがインストの練習をしたのですが、ブッキングしている予定があり、僕は途中退出となりました。
ただ、十分に子どもたちも試遊会に向けて準備万端です!

お知らせ&次回予告

いよいよ次回の報告は、カフェでの試遊会の報告となりそうです。
再度、まとめて日程をお知らせします。

2月20日(日)13:00〜15:00@JELLY JELLY CAFE天神店様
2月27日(日)13:00〜15:00@ボードゲームショップ&プレスペースさいふる様
3月19日(土)13:00〜15:00@ボードゲームカフェ福岡博多フレンズフレンズ様

それぞれイベントの詳細や利用予約につきましては、各店舗様にお問い合わせください。
ぜひ子どもたちのゲームを見に、そして遊びにきてください。
今回作ったインストシナリオが生かされているかどうか子どもたちを応援してください!
また、こちらのnoteで報告させていただきますので、どうぞお楽しみに!

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