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サイコロ塾レッスンレポート:クイズいいセン行きまSHOW!編

10月2回目のサイコロ塾のテーマは、前回と引き続き「ボードゲームを遊んで、お互いの感覚を知ろう」です。

今回は、「クイズいいセン行きまSHOW!」を用いて、みんなの考える「ちょうどいい」を探る体験をしました。

「クイズいいセン行きまSHOW!」の詳細はこちら。


1、クイズいいセン行きまSHOW!のルールを知ろう!

クイズいいセン行きまSHOW!は、正解のないクイズゲームです。

「数」で答えることができる問題に対し、全員が手元のボードに解答を書き、いっせいにオープンします。

出された解答を小さい順に一列に並べ、ちょうど真ん中の数がその問題の「正解」になります。

つまり、「正解」はその時の参加者のみんなが決めるのです!

いつものように、書き下したルールのプリントを配布して読んでいったのですが、「クイズ」という形式に子どもたちもよく慣れ親しんでいて、すぐに理解したようだったので、早速例題にチャレンジ!しました。

例題は、「今日この学童の子どもたちみんなが「おはよう」と挨拶をした回数は合計で何回でしょう?」です。

子どもたちは、「今日私は「おはよう」って全然言わなかったよ」「この学童って何人いるんだっけ?」などと各々で予想を立てながら、ボードに数を書き込みました。

全員が準備できた(ボードに書き込んで、ボードを伏せた)ら、いざオープン!

クイズいいセン1

おや?結構少なかったですね。

今回の問題では、「12回」と回答した子どもが「正解」となりポイントを得ました。


2、いろいろな問題でプレイしよう!

前回(ヒトトイロ/ito)は、レッスンの中で、恣意的に「具体から抽象」、「固定されたイメージから柔軟なイメージ」とお題を変えていくために、講師の方が子どもたちにお題の提示を行っていましたが、今回は、初めから子どもにお題=問題を提示してもらうことにしました。

初めの子どもが出した問題は、「一般的な牛タンの厚みは何mmでしょう?」というものでした。

クイズいいセン2

最初の問題から、子どもたちの価値観が出るいい問題を選んでくれたな、と思いました。

子どもたちの中には、1年生もいるので「mm(ミリメートル)」という単位は補足します。

それにしても、「牛タン」という言葉自体を理解していることに驚きました。

それぞれの「正解」はここでは特に言及しないとして、子どもたちは本当によく多様な問題を選んでくれました。

下記は、子どもたちが出してくれた問題です。

・「じっくり煮込んだカレー」とは何時間、何分煮込んだカレーのことでしょうか?

・ドラえもんに出てくる空き地にある、土管の長さは何m、何cm?

・〇〇くんが、他の人の夢に出てきた回数は何回?

・△△さんのお父さんが電車で席を譲ったことがある回数は何回?

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文中の「〇〇さん」という部分に、固有名詞を入れて問題文を完成させることにも多くの子どもたちがチャレンジしていて、「問題を出す側に回る体験を面白がっているんだな」と感じられました。


3、クイズいいセン行きまSHOW!から学ぶこと

クイズいいセン行きまSHOW!のポイントは、言わずもがな、他の人の考えを勘案して、「ちょうど良い」ところを見極めるところです。

子どもたちの回答の様子を見ていると、「自分」を基準に回答を見積もる様子が見られました

確かに、普通のクイズですと「正解」が1つだけ存在するので、そのように考えるやり方は適切です。

ところが、このゲームでは「正解」がその場のみんなの回答によって左右されます。

唯一、確かだと思っていた「正解」が、この場では「正解ではなくなる」ということが起きるのです。

例えば、こういうことがありました。

ある子どもが出した問題、「○○くん(この場にいる子どもの名前)がこれまでに付けられたことのあるあだ名の個数は何個でしょうか?」。

この問題は、もちろん当該の○○くんは自分のことなので、ある意味「正解」を知っています。

そのため、その個数(2個)を書いて公開したのですが、実はそれが一番小さい回答になってしまい、この場での「正解」とずれてしまっていました。

では、どのように考えれば良いかというと、「他の人がどのように考えるかを考えて回答を書く」ということです。

これは、単に自分で考えて回答を書くところから一歩進んだ内容になります。

視点を「相手」に移して考えることができるようになる、ということは発達の大切なプロセス(脱中心化)で、ちょうど1年生から3年生くらいにかけてできるようになっていくことですが、その練習になったかなと思います。

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子どもたちは、「空気を読んで回答を書くのが難しかった」と感想を言ってくれると同時に、「みんなが何を考えて書くかが楽しかった」「みんなが何を書くかわかんないところが面白かった」とも言っていて、楽しみながら、自分と他人の考え方の違いを体験できたのかなと思います。


さて、次回は11月に入り、テーマを変えてゲームをプレイしていきます。

次回プレイするゲームは、「スコットランドヤード:東京」です。

名作「スコットランドヤード」の東京マップ版です。

東京中を駆け巡りながら、チームワークを学びます。

次回のレッスンレポートもぜひお楽しみにしてください。


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