ボードゲーム制作プロジェクト:プレイ&分析!「競り」ゲーム編
こんにちは!
11月から年度末にかけて、今年度も子どもたちとボードゲームを制作する連続ワークショップを福岡のアフタースクールび場様、NPO法人Wing-Wing様と一緒にしていくことになりました!
早速、この祝日に第1回を開催しましたので、その様子を報告したいと思います。
1、ボードゲーム制作プロジェクトについて
初めに、このプロジェクトで何をするかという内容をご紹介します。
このプロジェクトは、その名の通り「ボードゲームを制作する」プロジェクトです。といっても、いきなり子どもたちに「ボードゲームを作ろう!」といって作り始められるものでもないので、プロジェクトを4つのステップに分けています。
そのステップは、「遊ぶ(プレイ)」「学ぶ(分析)」「作る」「売る」というものです。
まずは、ボードゲームを「遊ぶ」ことで、ボードゲームが「楽しい」ものであることを存分に子どもたちに体験してもらうことから始めます。そして、その楽しさがどこからきているのか、ボードゲームのルールと自分たちの体験を結びつける「分析」をします。
そうして、いよいよ「作る」ステップに入っていきます。昨年度のプロジェクトでのノウハウやゲームジャムの運営の経験を生かしながら、これもまた短期間でプロトタイプを作り上げる体験を子どもたちにしてもらおうと考えています。
そして、今回のプロジェクトの目玉はなんといっても「売る」ステップを考えているということです。
「自分たちが作ったものを実際に売ってみる」
学校のバザーなどで一部体験があるかもしれません。ですが、本格的に自分たちの作ったもの=価値を世に問うというのは子どもたちにとって初めてかもしれません。
ドキドキですね!
でも、きっと素晴らしい体験が得られるのではないかと思います。「売る」ためには、マーケティングや販売技術など「作る」こと以上に大変なことがあります。(執筆時はゲームマーケット2021秋直前なので、自身が苦労しています・・・)子どもたちと一緒に楽しみながらプロジェクトを進めていきたいと思います。
「Road To Game Market」
ロゴにもあるように、2022年春のゲームマーケットを目指してプロジェクトを進めていく予定です。なかなかにタイトなスケジュールですが、ひとまず目標は大きく完売を目指します!
2、競りゲームをプレイ&分析しよう!
初回となる今回は、インプットの時間として「競り」のメカニクスが使われたボードゲームを3種類遊びました。簡単にそれぞれのゲームを紹介します。
①ハゲタカのえじき
初めにするならコレ!というほどよく出すカードゲームですが、実は「競り」のメカニクスがあるゲームです。サイコロ塾のレッスンの方でも最近取り扱いましたので、よければnoteも読んでみてください。
②ハイソサエティ
ボードゲーム会には巨匠と呼ばれるゲームデザイナーが数名いますが、その中でも最も有名な人にライナー・クニツィアさんという方がいらっしゃいます。そのデザイナーさんが作った4大競りゲームに数えられるゲームです。
いわゆる「競り」という言葉で連想するような、値段を競り上げていくような競りを行うゲームです。1番のポイントは「お金を使い過ぎてしまうと、ゲーム終了時に脱落してしまう」ことです。いかに安く、価値のあるものを手に入れるか、いつ勝負に出るのが良いのか、競りの醍醐味が味わえるゲームです。
③フォーセール
前半と後半に2つの競りを行うゲームです。不動産を手元の資産で買い集め、後半はその不動産を小切手に変換していくということが行われます。
複数の競りの対象が同時に提示され、1番価値の高い不動産を最も高い競り値を付けた人がその額で獲得しますが、2番目以降の人たちは提示額の半値でそれ以外の不動産を手に入れることができます。
まずは、子どもたちにそれぞれのゲームをプレイしてもらいます。初回ということで初めましての子どもたち同士もいる中、「バッティング」要素のある「ハゲタカのえじき」は大変盛り上がっていました!
それぞれのゲームが終わったら、プレイ体験を振り返る時間です。サイコロ塾のレッスンでも用いている「分析シート」に記入をしていきます。
初めて参加する子どもは、自分のプレイ体験を振り返るという初めてのことに少し戸惑いながら、そして去年から参加している子どもは慣れた手つきでシートを埋めていきます。
去年から参加している子どもについて言えば、随分記述量が増えたり考えることの質が1段階深くなったりしていて、成長を確かに感じられました。初めての子どもも言語化に苦労しながらも、一生懸命頑張って考えてくれていたようでした。
3、競りのメカニクスについて学ぼう!
3つのゲーム、それぞれの振り返りの後に、今回行ったゲームのメカニクスとそのメカニクスによって引き起こされる気持ちや感情の変化・動きなどについてまとめてもらうことを子どもたちにしてもらいました。
「ハゲタカのえじきは唯一バッティングがある」
「バッティングしたら悲しい」
「フォーセールにはプラスはあるけどマイナスがない」
「みんなもらえるから嬉しい」
「積み上げていく競りと一斉に出す競りという違いがある」
「一斉に出すのは他の人がどうするか考えるのが難しい」
子どもたちの素朴で素直な言葉でゲームの分析がなされました。こういうのってとても良いですよね。プリミティブな体験、気づきがゲームの本質を捉えているように思います。それにメカニクスと感情体験の結びつきもなんとなく捉えられていたのかなと思います。まとめる体験、大事ですね!
最後に、僕の方から一般的な「競り」のまとめとゲームの中でどのように扱われているかということを紹介し、山里さんからは世の中で「競り」が行われる理由などについて説明をしました。
3時間と長丁場のワークショップでしたが、終わってみればあっという間。子どもたちもよく集中してプレイしたり、分析したり頑張ったなぁと思います。
今回は「競り」ゲームを取り上げました。この体験を経て、子どもたちが「競り」のゲームを作るかどうかはわかりませんが、1つの仕組みとそれに伴う感情体験を知ることで、いざ「作る」ステップに入った時のヒントになれば良いかなと思います。「作る」は「プレイする」と逆向きに考えることなので、このプロセスがとても大事だと思います。
次回はまた特定のメカニクスをもったゲームたちを遊ぶ予定です。
ぜひまた子どもたちの様子をこのnoteに見にきてください!
この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?