【駄】標準語だと思っていた言葉たち
なかなかに忙しいので、ちょっとゆるい話題など。標準語と思って使っていた方言について書いてみる。
①(ごみを)なげる
週に2回、燃えるごみ。月に2回、燃えないごみ。その他、紙類や資源物など自治体のルールに則って処分、つまり捨てている。書き言葉では「捨てる」なのだが、口から出る言葉は「ごみをなげる」でこれまで生きてきている。
「え?投げるの?」
そうなるよね。ごみ袋をぽーんと放り投げるのかと思われる。今は方言だと自覚しているし、いつ指摘されたのかはもう忘れたけど、同県人と暮らしている今は気にしないで使っている。実家にいた頃によく母から「こんなのいつまでも取っといて!なげなさい!」と言われたなあ。
②要んない(いんない)
これは就職してから上司にさりげなく指摘された。確か書類の整理をしていた時に「これ要る?」「いんないです」と答えたら、それ方言だよね、と。まったく方言という認識がなかった。方言というのが信じられなかったが、これはいつのまにか使わなくなった気がする。
③いたましい、いだまし
「いたましい」がさらに訛ったものが「いだまし」。「いだましなぁ」なんて使い方をしたりする。「いたましい=痛ましい」と認識されるのが普通かも知れないが、私の育ったところでは違った意味として使われる。
随分前に、同僚の新婚家庭での食事会に招かれて、一升瓶を抱えていった時のこと。駅前で電話しようと鞄の中の携帯をごそごそしてたらうっかり手が滑って……鈍く硬質な音と共に流れ出す透明な液体。夕暮れ時の駅の雑踏の中で一升瓶の底を割って大事な大事な日本酒が流れ出す。周囲の視線が痛い。恥ずかしい。しかしそれよりも「あーーー!いだましーーー!」と私の心が叫んでいた。今でも悔しい失敗談だが、この場合の「いたましい」は「もったいない」なのだ。これは今でもつい使いたくなる愛すべき方言。
④かっぽぐる
これに相当する標準語が見当たらない。「〇〇に〇〇する」としか言わないんじゃないかなぁ。
ある大雨の日、帰りに同僚を駅まで送るつもりで駐車場に向かった。地面が凹凸だったため水溜まりがそこかしこに出来ており、靴の中まで水がしみ込んでしまった。
「うわ、かっぽぐった!」
と叫ぶ私に同僚はきょとん。そうだったこれは方言だった。靴の中に水が入り込んでしまうことを私の地元では「かっぽる」「かっぽぐる」と言うのだ。それを言ったら同僚大ウケ。この現象を指す標準語もないからいっそ流行ればいいのに、と冗談で言ってみた。その後、また雨の日に同僚からLINEで「今日私もかっぽぐりました」と。いい子だ。
よく小学校の時に、長靴の中に水が入ってカッポカッポと音がしたのを覚えている。そんな辺りから生まれた言葉なのかどうか。これは今でも普通に使っているどころか、むしろ本当に流行らせたいくらい。
⑤〇〇した時ある、聞いた時ある
ここでの「時」は「経験」を意味する。「くさや食べたことある」が「くさや食べた時ある」となるのだ。これも地元に居た時は普通に使っていたし、いつから「時」を「こと」と言うようになったのかも覚えていない。しかし最近お気に入りのYoutuberさんが使っているのを聞いて懐かしくなった。
福島県Youtuberの「リズムボーイズ」さん。実は密かに大ファン。郡山市在住のお二人が、訛りのきいた素朴で小気味よい喋りで地元ネタを披露してくれている。彼らの動画を見る度に故郷に帰りたくなる。「なまりシリーズ」「郡山市あるある」など懐かしいネタに笑わせていただいている。
ワクチンも2回クリアしたし、年内には帰省したいと思う。久々に、訛りバリバリで思い切り喋りたい。