物価上昇と個人所得税。
■物価上昇で国民の生活が圧迫。
・最近のニュース、「ベトナム財政省は個人所得税法を見直し中、物価上昇で国民の生活が圧迫」。
・同国財政省は「個人所得税法を含む複数の税法の見直しを実施中で、2025年10月に国会に改正草案を提出。順調に進めば、関連草案は2026年5月に可決される見通し」との事。
■個人所得税法の見直し図る。
・背景には「ここ数年で物価が大きく上昇しているのに対し、個人所得税法は改正されず国民の生活を圧迫しており、基礎控除額や扶養控除額を引き上げる形で個人所得税法や関連規定の改正を求める声が多くあがっている」ことがある。
・専門家は「特に大都市では物価が直近10年間で2倍に上昇している。これに対し、同期間の控除額の引き上げ幅はわずかで、物価上昇に見合っていない」と指摘した。
・なお、個人所得税法では、消費者物価指数(CPI)が同法の施行時、または直近の基礎控除額/扶養控除額の調整時と比べて20%超変動した場合、政府は国会常務委員会に控除額の調整を提案することと規定されている。
■ベトナムの基礎控除額は年間80万円。
・余談、基礎控除とは「人が社会で生活する上で必ず必要となる最低限の金額がある、その金額には税金をかけない」という事でありベトナムの場合基礎控除額は月6万6000円、扶養家族一人につき月2万6500円。
・月の所得金額が上述の範囲内であれば個人所得税を納める必要がない、年間約80万円(扶養家族約30万円)以下の所得であれば、個人所得税はかからないという事だ。
・ベトナムで住む場所が持ち家や家賃等の固定費がかからないのであれば、個人所得税を納めず基礎控除額の範囲内で生活する事は十分に可能なのだが、低所得者向けの住宅が不足しいるのが現状であり、彼ら向けの住環境を整えることもベトナム政府の課題のひとつとなっている。